かぶとたいぞうです。
昨夜のパウエルFRB議長の発言は、いろいろなことを配慮して言葉を選んだため、あるいはケースバイケースであることを強調したため、いささか玉虫色とも言える内容でした。
そのため人によって解釈が異なり投資判断にもまちまちの影響を与えたようです。
株価も乱高下しました。
FOMCの結果
昨夜終了したFOMCでは、今回の利上げ率が0.75%と決まりました。これは予定通りでした。
そしてFOMC後にパウエル議長が次のように発言しました。
「どこかの時点で利上げペースを落とすことが適切になるだろう。その時期は近づいており、早ければ次回、ないしその次の会合となる可能性はあるが、今は何も決定していない」
予定通りの内容
ここまでは事前にウォール・ストリート・ジャーナルを通して予告していた内容と一致しています。
それを快く思った強気派の投資家は果敢に買ったと思います。
パウエル議長はこうも言った
いっぽう、パウエル議長はこうも言いました。
「前回会合以降に入手したデータは、金利の最終的な水準が従来の想定より高くなることを示唆している」
かんたんに解釈するとこうです。
「最近のインフレ率データその他を見ると、まだまだ利上げが足りない。米国金利は4%を超えてもっと高くなると思う」
当たり前の発言だが
パウエル議長は以前から「インフレが2%台まで収束するまでは、手を緩めず利上げする」と言っていました。だから今回の発言も当たり前といえば当たり前の発言です。何もブレていません。
しかし、最終金利に関しては今まであまり言及していなかったので、今回のパウエル発言にショックを受けた人も多かったと思います。
パウエル議長はさらにこうも言った
パウエル議長はさらにこうも言いました。
「利上げの停止について考えるのはあまりに時期尚早だ」
これも当たり前の発言です。「利上げ幅を縮小する」事を考えることはあっても、「利上げを停止する」事を考える段階ではないことは誰でも知っています。
「あまりに時期尚早だ」にショックを受けたか
それでも「あまりに時期尚早だ」と強く言われたことで、早期に(例えば来年の春くらいに)利上げが終わることを期待していた層には大きなショックだったかもしれません。
昨夜は結果的に株価が大きく下がりました。
金利の最終的な水準と時期尚早
「金利の最終的な水準が従来の想定より高くなることを示唆している」
「利上げの停止について考えるのはあまりに時期尚早だ」
この2つの言葉が株価に大きな影響を与えたのでしょう。
どうしてこんなに下がったか
昨夜の終値は前日末比で、NYダウが-1.55%、S&P500は-2.50%、ナスダックは-3.36%、かぶとたいぞうポートフォリオは-1.43%でした。
パウエル議長の発言が今までの路線と一致し、想定できる範囲内の内容であったにも関わらず、これだけ大きく株価が下がったということは、やはり浮かれ気分の人が多かったと言わざるを得ません。
楽観論
「次回12月から利上げ幅を縮小し、来年の春頃には利上げをストップする」
とでも言うことを期待していたのでしょうか。
私の認識では今回のパウエル発言は順当です。もっともです。
パウエル議長は当たり前のことを言った
しかし、昨夜の株価はパウエル発言の一部分だけを切り取った報道の影響を大きく受けました。
パウエル議長は利上げ幅縮小の議論を始めるかもしれないと言っているのだし、また、「金融政策が経済活動やインフレに影響を及ぼすのに時間差があることを考慮する」とも言っているのです。
つまり、利上げし過ぎると時間差で利上げが効き過ぎる事を懸念しているのです。
悲観する必要はない
まだまだ利上げは続きますが、ようやく出口の話が出てきたわけですから悲観する必要はありません。
今夜はそのへんを正しく解釈しなおす人も出てきて、昨夜下がり過ぎた分を取り戻す値動きになるような気がします。
以前もそんなことがありました。
ごきげんよう。
【関連性の高い記事】
【かぶとたいぞう有料ノート】
この記事があなたのお役に立った場合、下の「いいね!」をクリックして頂けると、たいへんはげみになります。
【あわせて読みたい】
同じカテゴリーの最新記事5件
-
昨日は日経平均が4.24%も下落。アメリカがクシャミをすれば日本は肺炎になるのか -
【米国株長期投資】1億円あったら年間300万円~400万円の配当。では1億円がなければどうするか -
【米国株】NYダウが2日連続で史上最高値を更新。終値は4万1563ドル。今後も上がるのか -
【米国株】パウエルFRB議長は予想通り9月の利下げを示唆し、やっぱりドルは下がり米国株は上がった -
南海トラフ地震は臨時情報から2週間経っても来なかった。株価予想も地震予報と同じで、いつも当たらない
「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
記事のカテゴリー/タグ情報