かぶとたいぞうです。
ご承知のように、米国の株式市場が開く時間になると日本は夜です。サマータイムの期間は日本時間の午後10:30から、サマータイムが終わると日本時間の午後11:30から米国の株式市場は開きます。
昨夜からサマータイムが終了して通常時間になりましたから、午後11:30にならないと米国の株式市場は開きません。
日本時間の深夜に開く米国株式市場を見てないといけないか
歳をとると夜起きているのは辛いです。米国株式市場のリアルタイム相場を見ながら朝まで起きていることはもうできません。
何か大きな事件が起きて株が大暴落するような時に、起きていてすぐ手を打ったほうがいいとは思います。しかし相場というものは、いつなんどき大きく動くか分からないのです。常に見ていなければならないなら夜と昼が逆転した生活にってしまいます。電気代もかかるし、これから冬になると暖房代もかさみます。
相場に張り付いていなくても株は買える
そもそも常に相場に張り付いていなくてもいいように「指値」という注文方式があるのです。
「100ドルで買う」という指値注文を入れておけば、株価をずっと見ていなくても、100ドルになったらちゃんと買えます。
しかも、たいていのネット証券会社では指値注文が一定期間有効です。いちど注文を入れておけば買えるまで何ヶ月も放置可能です。
米国株の注文は果報は寝て待て
だから指値注文を入れて、夜は寝ていればいいのです。「果報は寝て待て」とはまさにこのことです。
また、夜通し起きてリアルタイム相場を見ていても、いつも得をするとは限りません。むしろ刻々と変わる株価に目がくらんで判断が狂うこともあります。
株価の変化には趨勢も法則もパターンも無い
相場というものは一瞬一瞬の動きの連続です。いま下がっているからと言って、1秒後も下がるとは限りません。株価の変化には趨勢も法則もパターンも無いのです。
私が実際に体験した失敗談を披露します。
かつてマネックス証券からSBI証券に持株を移すとき、移管手続きが面倒なので、マネックスの売りと同時にSBIで買いを入れました。
ほとんどの株は無事に移動できましたが、ペプシコだけは株数が多かったので移すタイミングを考えてしまいました。
ペプシコの移動で儲けよう
ほんのちょっとでも儲けたいという「すけべ心」が首をもたげてしまったのです。
マネックスでペプシコを105ドルで売った翌日、SBIに100ドルで指値注文を入れました。1株に付き5ドルでも儲かれば、総額では結構な儲けになります。
その日、早い時間帯にペプシコの株価が下がっていき、ついに100ドルに近づきました。下がり方が急だったため、私は「何かあるな。もっと下がるかもしれない」と思いました。
私はあわてて注文の修正を入れ、ペプシコの指値を95ドルに変えました。欲が出たのです。
ペプシコの株価のゆくえ
その後ペプシコの株価は一瞬だけ100ドルを切ったものの、その後は次第に上がっていきました。
私はまた下がることを期待して朝まで株価を見ていましたが、ふたたび100ドルを切ることはありませんでした。終値は105ドル前後でした。
私は欲を出したことをくやみ、指値を100ドルに戻しました。しかしその後ペプシコの株価は上がる一方で、マネックスで売ったときの株価105ドルで買い戻すことすらできませんでした。そのうちペプシコの株価は115ドルくらいまで上がってしまいました。
リアルタイム株価を見て欲を出して結局は損した
あの日余計なことをして100ドルの指値を95ドルに修正したことをくやみました。
結局ペプシコが安くなるまで半年くらいかかり、やっと1株平均110ドルですべて買い戻すことができました。1株に付き5ドル儲けるつもりが逆に5ドル損して、しかもその間の配当も逃しました。
リアルタイム株価を見ていて判断を間違えた好例です。
リアルタイム株価を見なくて良かった例
逆に指値を入れたまま寝て、それが良かったという例はよくあります。
つい最近もありました。先週ギリアド・サイエンシズを1株57.1ドルで買いましたが、その時の話です。
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57ドルまで下がったら買おうと思いましたが、57ドルが心理的な節目になるような気がしたので、指値は57.1ドルにしました。
指値注文だけ入れてその日はさっさと寝ました。
翌朝起きて株価グラフを見ると、市場が開いた直後に一瞬だけ57.04ドルまで下がり、その後は少しずつ株価が回復していき、終値は58ドルくらいでした。
もし寝ないでリアルタイム株価を見ていたら
もし寝ないでリアルタイム株価を見ていたら、またペプシコの時のように欲を出して指値を下方修正して失敗していたかもしれません。またはさらに安値で買い足そうと思って朝まで粘って時間を無駄にしたかもしれません。
いずれにしても、リアルタイム株価を見ていたからといって正しい判断ができるとは限らないのです。
株価は予想できなし、下がっていく株を買える人もあまりいない
株価というものは刻々と気まぐれに変化します。予想できません。
しかも、下がっていく株価を見て、「今が買い時だ」と判断することも容易ではありません。
もっと下がるかもしれない、底を打ってから手を出すべきだ、と思うからです。
リアルタイム株価は見ないほうがいいかも
つまり、上がったら上がったで、「上がる前に買えばよかった」とくやみ、下がったら下がったで、「もっと下がるかもしれない」と躊躇するのです。
リアルタイム株価を見ていても迷うだけです。判断が狂うだけです。
むしろ買う値段を事前に自分で決めておき、いちど指値注文を入れたらその後は値動きを一切見ないほうがいいような気がします。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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