かぶとたいぞうです。
瀬戸内寂聴さん原作の映画「夏の終わり」を見ました。
なんとも分かりづらいストーリーで、2回目に見たときにやっと話の筋が見えてきましたが、それでも最後のシーンで満島ひかりさん演じる相澤知子が誰を待っているのか分かりませんでした。
分かりづらい映画
わざと分かりづらいストーリーにして、もっと知りたければ瀬戸内寂聴さんの小説を買えという作戦なのかもしれません。でも私はその手に乗るものかと、ネットで解説を探しました。
すると、最後のシーンで相澤知子が待っていたのは、綾野剛さん演じる木下涼太だというのです。そうなのか。そういう話だったのか。
時系列と回想が入り混じっているので
そう言えば、ラストシーンの少し前に誰かから電話がかかってきました。相手は木下涼太だったのですね。
それにしては、小林薫さん演じる小杉慎吾と落ち合って旅館に入る場面があったので、電話の相手は小杉慎吾だったのかなと思ったのです。
どの場面が回想シーンなのか、どの場面が時系列で繋がっているのかさっぱり分からないので、難解なのです。
分かりづらいのはセリフも
もう一回くらい見たら分かるのでしょうか。
いつもは滑舌のいい小林薫が、この映画に限ってわざとボソボソと話すので、何を言っているのか聞き取れない場面があるのです。
さてここからが感想です。3つあります。
満島ひかりさんのこと
一番目は、満島ひかりさんという女優さんが素晴らしい女優さんだと知ったことです。
恥ずかしながら、この映画を見るまでは、私は満島ひかりさんを知りませんでした。
映画の中で満島ひかりさん演じるヒロイン相澤知子は、初め凛として、そして恐ろしく美しく、次第に妖艶になり、いやらしい、汚い女になります。そして最後にはしっかりした顔になるのです。
満島ひかりさんは変幻自在の大女優
場面場面で顔が全く違ってくるのです。メイクさんも頑張ったのでしょうが、それだけではありません。表情が全然違うのです。本気で感情移入すると顔形まで変わるのですね。
満島ひかりさんは稀に見る大女優だと思いました。
女性の性(サガ)を見事に描く
二番目は、内容についてです。女性の性(サガ)というか、質(たち)というか、そういうものを、ここまで赤裸々に堂々と描いた作品は珍しいかもしれません。
女性のしなやかさ、したたかさ、激しさ、いやらしさ、すべてが表現されている映画だと思います。
前述した満島ひかりさんの名演技もあって、よく表現されていると思いました。
ただ
素人考えですが、もし時系列に沿って分かりやすいストーリー展開にしたら、もっとストレートに趣旨が伝わったのではないかなと思います。
技巧にこりすぎて分かりづらい映画になってしまったのが悔やまれます。そこがこの映画の狙いなのかもしれませんが。
瀬戸内寂聴さんのこと
三番目は、瀬戸内寂聴さんはこんな体験をしたのか、という驚きです。
小説「夏の終わり」は瀬戸内寂聴さんの若い頃の体験をもとに書かれたらしいのです。幼い娘と亭主を捨てて若い男に走ったことも事実らしいです。
瀬戸内寂聴さんのおおらかさと人間的魅力の背景には、凄まじい体験が横たわっていたんだなぁと思い知らされました。
瀬戸内寂聴さんの人生
瀬戸内寂聴さんは若い頃、満島ひかりさんのようなきれいな人だったのかなぁと一瞬思いましたが、そうではないでしょう。ただ気性や行動は相澤知子と同じだったに違いありません。
思う存分生きて、多くの人に影響を与えた瀬戸内寂聴さん。すごい人だと思います。
世間体や常識にとらわれぬ、端切れのいい正直な言葉
世間体や常識にとらわれぬ、端切れのいい正直な言葉に私も心を動かされました。尊敬しておりました。
2021年お終わりに99歳でお亡くなりになった瀬戸内寂聴さん。いい人生だったと思います。
瀬戸内寂聴さんのご冥福をお祈りします
あらためて瀬戸内寂聴さんのご冥福をお祈りします。
なんだか小説のほうも読んでみたくなりました。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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