かぶとたいぞうです。
ここパタヤでは、時折強烈な匂いに息を止めたくなることがあります。
主に道端のゴミ箱から発せられる生ゴミの腐敗臭ですが、下水が臭いこともしばしばあります。飲食店の裏口なんかが臭い時もあります。臭くて臭くてやってられません。
パタヤの生ゴミ
パタヤは日本と違って生ゴミはいつでも出せて、ゴミ収集車は毎日回収します。でも日中の気温が毎日32℃くらいまで上がるので腐敗が激しいのです。
私は10年くらい前にタバコをやめて以来、鼻がよく利きます。そのぶん過敏になり、強烈な匂いに閉口します。
札幌は匂いのない街
いっぽう、札幌は匂いのない街です。東京や大阪から遊びに来た人によく言われます。「札幌はまったく人の匂いが無い街だ」と。
本当は市街地などでは下水の匂いがする場所もあるのですが、気温が低いせいか匂いを感じない場合が多いです。
私は札幌で半年、パタヤで半年暮らしていますから、匂いの違いをよけいに感じます。
パタヤは一歩外に出ると悪臭
今私が暮らしているアパートは清潔で匂いがしませんが、一歩外へ出ると、いろいろなところから悪臭が襲ってきます。だから用事のない時は、アパートの敷地から外へ出ないほうが気分がいいです。
しかし、まったく出ないわけにはいきません。買い物もあるし、たまには外で飲みたくもなります。
臭い場所では息を止めて通る
それで、臭い場所にはなるべく近づかないか、臭い場所では息を止めて通るのです。
「臭い場所では息を止めて通る」
すごく昔のことを思い出しました。
私がまだ幼稚園に入る前です。5歳くらいのころです。
昔、札幌市東区、12条市場
私の家族がその当時住んでいた、札幌市東区の家の向かいに「12条市場」という共同市場がありました。
魚屋、肉屋、八百屋、果物屋、おかず屋などが計10軒ぐらい入った寄り合い市場です。
その「12条市場」のむかって左側に細い路地があり、裏の方へ通り抜けることができました。
臭い路地
その細い路地には魚屋が放置した木箱が積み上がっていて、腐敗した魚の汁に銀バイがたかり、常に悪臭を放っていました。
わざわざそんな臭い路地を通らなくても、反対側から行けたものを、私達子供仲間はいつもそこを通っていました。
そしていつもそこを通るたびに息を止めていたのです。
よみがえる強烈な匂い
50年以上も前のことなのに、まざまざとよみがえります。思い出しただけで臭ってきました。
木の板で作った箱の底に鈍く光る魚の腐った汁。そこに群がる青い金属色の胴体をした少し大きなハエ。路地と隣の敷地の境界に張られたトゲのある針金の線。「早く来い」「息を止めろ」と言う友達の声まで聞こえてきそうです。
まったく同じ匂い
今思えば、その時に嗅いだ匂いと、現在パタヤで毎日嗅いでいる匂いは、まったく同じ匂いなのです。
札幌もかつては臭かったのです。
札幌が匂いのない街になったのは、札幌オリンピック(1972年)と、その前後の都市整備以降からだったような気がします。
12条市場も都市整備事業で立ち退きとなり、近くにできた「光星ショッピングセンター」に統合されました。
世の中は大きく変わったが
世の中は大きく変わりましたが、50年以上前も今も、タンパク質の腐敗臭はまったく変わらないのですね。
それと、匂いの記憶というものは忘れないものですね。忘れないというより、忘れられないと言ったほうが正しいかもしれません。
ロマンチック?
私は今パタヤにいて50年以上前の札幌と同じ匂いを嗅いでいると思えば少しはロマンチックな気もします。
でもやっぱり臭いのはなるべく避けて通りたいものです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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