かぶとたいぞうです。
北海道でヒグマの出没が増えています。
先日も朱鞠内湖で釣り人の痛ましい死亡事件がありましたが、室蘭でも、札幌市南区藤野でも、当別でもヒグマが出ています。道南でも多発しています。
朱鞠内湖
朱鞠内湖と言えば、私も一昨年バイクでツーリングした時に湖畔のキャンプ場で一泊しました。静かなキャンプ場でしたが、今回のヒグマ事件で今は一時閉鎖されているようです。
北海道は最近ヒグマがよく出ます。どうしてこんなにヒグマが出るようになったのか。私なりに考えてみました。
ヒグマが最近よく出る理由は二つ
ヒグマが最近よく出る理由は二つあると思います。
一つは、ヒグマの個体数が増えたこと。もう一つはコロナ禍で公園やキャンプ場を閉め、花見やスポーツイベントなどをしばらく禁止したことだと思います。
ヒグマの個体数
一つ目のヒグマの個体数ですが、北海道のヒグマはこの30年間で4倍に増えたと言う専門家がいます。増えた理由は1990年に北海道庁が春熊駆除を禁止したからです。
それ以前は毎年春になると猟友会が冬眠中の熊を一定数駆除していました。熊の駆除には奨励金も出ていました。それによって熊の個体数が一定以下に抑えられていたのです。
1990年の春熊駆除禁止以降
しかし1990年の禁止以降、春熊駆除をしていないので熊が圧倒的に増えたというのです。当時は熊の胆(くまのい)が高値で売れました。冬眠中のヒグマを殺して「熊の胆」だけを持ち去る密猟者も横行していたらしいので、北海道のヒグマが絶滅するのではないかとの危惧もあったらしいのです。
しかし、道庁が駆除を禁止したせいでヒグマは絶滅どころか増えすぎました。
1990年といえば
1990年。今から32年前といえば、私が30歳くらいだった頃です。当時はよく冗談で「北海道にはヒグマがウヨウヨいる」と言って本州内地の人たちをからかいました。
「ヒグマ出没注意」の看板のデザインのお土産なんかも道外からの観光客によく売れました。
実際には私でさえ野生のヒグマは見たことがない
しかし実際には北海道で生まれ育ってキャンプや釣り好きの私でさえ、野生のヒグマは一度も見たことがなかったのです。
「実はヒグマが人里に出没したという話は大昔のこと。今はヒグマなんて出ないよ」と当時は友達に説明したものです。
それが30年以上経って、今は本当に人里にヒグマが出没するようになったのです。人里どころか市街地にも出てきているのです。
春熊駆除は今年(2023年)から解禁されたが
春熊駆除は今年(2023年)から解禁されたようですが、もう遅すぎます。32年前に春熊駆除を得意としていた猟友会のベテランメンバーはもう生きていたとしても高齢過ぎます。当時60歳だったハンターは今は92歳なのですから。
猟友会の若いメンバーは春熊駆除などやったことがなく、熊の穴すら発見するのは難しいでしょう。
もう自衛隊の狙撃隊や特殊任務の警察官を組織して一斉に熊狩りをするしかないのではないでしょうか。
コロナ禍の影響
二つ目はコロナ禍の影響です。
これはある程度は仕方のないことだと思います。でも一昨年は道営や市営、町営、村営のキャンプ場を総て閉鎖しました。これはやりすぎだったのではないでしょうか。北海道のキャンプ場では密は発生しないのですから。
北海道ではコロナ感染防止のため、花見、海水浴、花火大会、キャンプ、ゴルフ大会、運動会、お祭り、スポーツイベントなど、ありとあらゆる行事を2年も3年も禁止もしくは自粛しました。
都市郊外で行われるそれらのイベントがなくなって静かになると、熊も出やすいのだと思います。
札幌市中央区の宮の森や円山にもヒグマが出た理由
例えば昨年は札幌市中央区の宮の森や円山にもヒグマが出ました。
私はよく円山に登るので分かるのですが、円山には円山球場があって、日曜日なんかは野球の大会があり、朝から晩まで円山一帯に応援団の吹奏楽、大太鼓、そして拍手や歓声が響き渡ります。円山の山頂でも聞こえます。山の方から人里に出ようとする熊にも聞こえていたはずです。
それが2年も3年も、ぱったり静かになったのですから熊も安心して出てきたのではないでしょうか。
あぶれた熊が人里に出やすい環境
それでなくても個体数が増え、縄張り争いに負けた熊はどこかに行かなければならないのです。人の気配が消えたキャンプ場や郊外の公園付近に出て自分の縄張りにしてもおかしくありません。
昨年は札幌市西区山の手の三角山にヒグマの巣穴が見つかりました。山の手がそのヒグマ親子の縄張りになってしまったのです。
今年はさらにヒグマの縄張りが広がる
今年は熊の出没報道が多いから、おそらく山菜採りや釣り、キャンプなどを手控える人が増えるでしょう。そうすれば人と熊が対面する機会は減りますが、熊はますます人里近くにまで進出し縄張りを広げます。
このままではしだいに人間が熊に遠慮して活動範囲を狭めなければなりません。私達の先祖が熊から奪った縄張りを、今度は熊に奪われるのです。
北海道は釣りもキャンプもできない土地になるのか
北海道も人口が減っているのでそれでもいいのかもしれません。しかしこのままでは北海道は熊におびえて釣りもキャンプもできない土地になってしまいます。なんか時代に逆行しているような気がします。
観光客もヒグマを恐れて近寄らないのではないでしょうか。
来春の一斉駆除を望む
今年は我慢し、来年の雪解け前に一斉に春熊駆除をすることが現実的だと思います。
専門家、猟友会、自衛隊、警察の連携が必要です。前例のないことですから、北海道知事の力強いリーダーシップと指導力に期待します。
+++
なぜヒグマは人間を食べるのか
ところで長年の疑問だったのは、「なぜヒグマは人間を食べるのか」ということでした。
人間を攻撃するのは分かります。自分の縄張りでバッタリ人間に出会ったら威嚇のために攻撃するのは当たり前です。
しかし食べるまでは理解できなかったのです。
でも最近その疑問がやっと解けました。今回の朱鞠内湖の報道や昔の資料を読んで色々考えているうちに分かったような気がしました。
熊は攻撃するために噛む
熊の攻撃手段は爪と牙です。10cmもある爪で相手をたたき刻む攻撃もしますが、鋭い歯で噛むのも攻撃の1つです。
人を食べるつもりではなく、攻撃するつもりで噛んだ時に人の体から血が吹き出します。その血がはからずも美味しかったら、おやっと思ってもうひと噛みするでしょう。
人間の血肉は美味しいのかもしれない
そしてまちがいなく美味しいと思ったら(腹が空いていれば)今度は夢中で食べるのだと思います。
一度人間の肉の美味しさを知った熊は、次には最初から食うつもりで人間を襲うようになります。それが「人食い熊」の正体なのではないでしょうか。
あるいは最初は登山や山菜採りなどで遭難して死んだ人間の死体を食べて人間の味を覚えたのかも知れません。
最初から人間を食べる熊はいないと思います。
ヒグマと出会ってしまったら食われると覚悟
でも、いずれにしても熊は噛みつきますから、熊と出会ってしまったら食われると覚悟したほうがいいです
熊に食われないためには熊に近づかないようにするしかありません。
熊や猛獣にとっては攻撃と捕食は同じ
人間の攻撃は殴るとか蹴るで、相手を噛む人はあまりいません。だから人間は攻撃するという行為と食べるという行為は別なのです。
しかし熊やその他の猛獣にとっては攻撃と捕食はほぼ同じなのだと思います。熊は人間を噛めば必ず美味しいし、人間は熊と戦えは必ず食われると思ったほうがいいと思います。
今年のキャンプ
私は今年もキャンプも釣りもするつもりです。でも今年は熊に遭遇しないように気をつけます。
いつもなら、なるべく空いている日に空いている場所に行く私ですが、今年は小学生が夏休みに入った後で、ファミリーに人気のキャンプ場に行こうと思っています。
激混みでも命を取られるよりはマシです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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