かぶとたいぞうです。
岸田新総理は、総裁選の最中も中国の真似なのか「富の分配」とか言って、株の売買益、配当等にかかる税金(金融所得課税)を現行の20%から上げるようなことを言っていました。
しかし、まさか岸田氏が次期総理になるとは思ってなかったので、気にもとめておりませんでした。
岸田新総理、所信表明でも金融所得増税に触れる
ところが岸田氏が新総理になり、所信表明で「新しい資本主義」を掲げ、「成長と分配の好循環」「分配なくして次の成長なし」と強く訴え、株式にかかる税金を上げることも選択肢の1つだとあらためて明言しました。
それを受けて日経平均株価は8日連続で下がりました。
岸田新総理の発言で8日続落した日経平均株価
株の売買益や配当にかかる現行20%の税率が、今後25%、30%と上げられたら株から得られる利益が下がります。株の人気が下がって当然です。人気が下がれば株価が下がります。
税金が上がる前に株を売っておこうと考える人が増え、買うのを見合わせようと考える人も増えます。売る人ばっかりで買う人が少なければ株価が連日下がるに決まっています。
今までの日本政府の方針に反する
日本政府は今まで「貯蓄から投資へ」と旗をふって国民に株式投資をすすめていたのではなかったのか。そのためにNISAなどの制度も作って盛んに宣伝したのではなかったか。
それを今さら株の税金を上げて株式投資に水を指すとは、岸田新総理はなんてことをしようとしているのか。金融庁と合意が取れているのか。私はただただ驚きました。
各界、各層からも不満続出
驚いたのは私だけではなかったようです。
経済界からも大批判とブーイングが起こり、苦情を言う大物経済人も出てきました。
各界、各層、いっせいに声を上げました。
年寄りの生活費である配当や利息にも増税するか
株の売買益にかかる税金を上げるだけならまだ少しは理解できます。
しかし配当課税まで上げたら、年金で足りない老後の生活費を株の配当で補って細々と生活している年寄りには死活問題です。
年金だけでは足りないから配当や利息を目的に投資しているのに
そもそも年金だけでは老後の生活費には足りないから、株式の配当や債券の利息などの収入をあてにしているのです。
老後の生活設計を考えて株式投資や債券投資、投資信託などを最近始めた人もたくさんいると思います。
今ごろハシゴを外されたら老後生活の設計がすべて狂ってしまいます。
バイデン大統領のキャピタルゲイン増税案でさえ配当や利子は除外しているのに
猛批判を浴びた米国のバイデン大統領のキャピタルゲイン増税案でさえ、年間所得が100万ドル(約1億800万円)以上ある裕福層の、しかも売買益(キャピタルゲイン)だけが対象でした。
岸田総理も具体的に増税を実行する際には裕福層に限定するとか、あるいは配当や利子は別枠で考えるとか、何か詳細案を持っていたのかもしれません。
しかしそれら肝心なことをまったく説明せず、一律に金融所得増税をするような印象を与える発言をしたのですから袋叩きに合うのは当然です。
米国株も無関係ではない
私は米国株しか持っていませんが、米国株の配当にも(もちろん売買にも)日本の税金が適用されます。
米国株の配当は、まず米国で10%税引きされた後に日本政府が20%の税金をかけるのです。
10%引かれた後の金額から20%引くので単純に30%とはならず、合計で約28%の税金がかかることになります。
配当がもう5%、10%削られたら生活できない
今でも多く取られ過ぎだと思っているのに、さらに5%、10%と多く取られたら生活できなくなります。
例えば1か月の配当10万円に5%、10%と増税されると、毎月5千円、1万円と減らされるのです。
これでは「分配」どころか「弱いものいじめ」です。
袋叩きにあって案を引っ込めた岸田新総理
各界、各層の大批判を浴びて、岸田新総理は昨日、「そういう意味で言ったのではない」「誤解されている」「金融所得増税は今のところ考えていない」とあっさり取り消しました。
岸田新総理が日和見主義の人で本当に助かりました。私は胸をなでおろしました。
めでたし、めでたし
言い出したら聞かないタイプの総理大臣なら市場も経済も大混乱になるところでした。
とりあえずは、めでたし、めでたしです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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