かぶとたいぞうです。
子供の頃、「男はつらいよ」の寅さんの真似をしたり、主題歌を歌うのが好きでした。小学生の男の子はみんなそうしていました。当時はそれ程「男はつらいよ」シリーズが流行っていたのです。
でも見るのは映画のテレビ広告だけで、小学生の小遣いでは正月に封切りの映画を見ることはできませんでした。だからたまにテレビの映画番組で古い「男はつらいよ」が放映されると夢中で見ていました。
社会人になって最初から見ていった「男はつらいよ」シリーズ
社会人になってからレンタルビデオで「男はつらいよ」シリーズを1から順に見ていきました。
最初はワクワクドキドキしながら見ていましたが、次第に寅さんのハチャメチャな行動に腹が立ってきて、途中で見るのをやめてしまいました。
映画に出てくる寅さんの行動はあまりにも身勝手で思慮が足りなく、妹さくらをはじめ、家族に迷惑をかけ過ぎです。
寅さんは正月映画
正月やお盆向けに作られたシリーズ映画ですから、多少お笑い要素を取り入れたのでしょう。ドタバタ喜劇で笑わせるのが目的なのでしょう。しかし、もし現実に寅さんみたいな人が家族や親戚にいたら大迷惑です。まともに付き合っていられません。
そんなことで、しばらくは寅さんとは離れておりました。
たまに寅さんでも見るか
しかし数年前、ふと「たまに寅さんでも見るか」という気持ちになり、久しぶりに第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」を見ました。
相変わらず寅さんのハチャメチャぶりで、北海道の開拓農家や妹さくらが迷惑するストーリー展開なのですが、始めて浅丘ルリ子がリリー役で出演する作なのです。
たまに見る寅さんはそこそこ楽しく感じました。
たしかリリーは他の作にも出ていたな
しばらくして「たしかリリーは他の作にも出ていたな」と思い出してビデオレンタル店で探しました。
第15作「寅次郎相合い傘」にも出演しているようですが、思いっきり飛ばして第25作「寅次郎ハイビスカスの花」を見てみました。
やっぱり相変わらずの寅さんでしたが、リリーとのやり取りは心に響くものがありました。たしかこの作ぐらいまでは前に一度見たはずですが、前回とは違う感じを受けました。
「寅次郎ハイビスカスの花」から「寅次郎紅の花」へ
そしてリリーを追いかけて、さらに思いっきり飛ばして渥美清さんの遺作となった第48作「寅次郎紅の花」を見てみました。
流石に遺作での寅さんは歳相応に思慮分別があり、若い頃とは違った一面を見せます。でもやっぱり無鉄砲さは相変わらず、最後にはリリーと喧嘩してふらっと旅に出てしまうのです。
最後まで自分勝手な寅さん。やっぱり腹立たしい気持ちが起きますが、前回とは明らかに違う気持ちが生まれました。
人はこれぐらい身勝手でいいんじゃないか
寅さんじゃないけど、「人はこれぐらい身勝手でいいんじゃないか」
今のご時世は我慢ばっかりです。他人の目を気にして、常識やマナーばっかり気にして、周りの空気を読んで。人に迷惑をかけないことが一番大事で。自分の意見を言わず、押し黙って様子を見て。
それで何かいいことがありましたか。
私もずいぶん「物分りの良いじじい」になってしまった
ふと思えば私も最近はずいぶん「物分りの良いじじい」になってしまいました。
昔は私も寅さんでした。ちょっとしたことで腹を立てて、すぐにヘソを曲げて、ケンカっ早く、寅さんが私とあまりにも似ているので映画を見ていて腹が立ったのかもしれません。
昔は寅さんみたいな人がいっぱいいた
いや、私だけではありませんでした。友達の中にも寅さんはいました。女の寅さんもいました。世間には寅さんがウヨウヨいました。
でも今は寅さんはどこにもいません。みんなニコニコしています。心の中では何を思っているのか分かりませんが愛想笑いを浮かべて何も言いません。ケンカもしません。
もう寅さんは日本中どこを探してもいなくなってしまった
もう寅さんは日本中どこを探してもいなくなってしまったのです。
だから最近は寅さんが懐かしく感じるのでしょう。
次は第15作「寅次郎相合い傘」を借りてきます。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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