サイモンとガーファンクル「4月になれば彼女は」を久しぶりに聞いて胸が震えた。私なりの和訳を掲載する

かぶとたいぞうです。

お酒を飲みながらユーチュブを見ていて、たまたまサイモンとガーファンクルの「4月になれば彼女は」を見つけました。

高校生の頃、ギターコードを覚えてよく歌いました。



すごい詩

今改めて聞くと、すごい詩です。当時21歳のポール・サイモンはどうしてこんな詩を書けたのか。曲調も実にいいです。天才って本当にいるんだなぁとつくづく思いました。

高校生の頃の私は、人生経験も英語力も薄っぺらで、「4月になれば彼女は」の歌詞の意味を十分に理解せずに歌っていました。

今改めて聞くと、この詩はとても幻想的で暗示性が高く、示唆に富んでいるのです。

改めて「4月になれば彼女は」の詩の原文と、私が解釈した意訳を載せます。

「4月になれば彼女は」の原文と私の意訳

April come she will.
When streams are ripe and swelled with rain;

4月になれば彼女はきっとまた来るだろう。

春の調べとともに。

May, she will stay,
Resting in my arms again.

5月になれば彼女はまた私と一緒に暮らし始めるだろう。

以前もそうだったように。



June, she’ll change her tune,
In restless walks she’ll prowl the night;

6月になれば彼女の気持ちは変わってゆくだろう。

落ち着きなく夜の街を彷徨うようになるだろう。

July, she will fly.
And give no warning to her flight.

7月になれば彼女は突然私のもとから去るだろう。

私になんの警告もなく。



August, die she must,

The autumn winds blow chilly and cold;

8月になれば彼女はもうどこにもいないだろう。

秋風が吹きすさぶ中で私はまた一人になるだろう。

September I’ll remember.

A love once new has now grown old.

9月になれば私はまたいつものように思い知るだろう。

新鮮な気持ちもいつかは色あせてしまうことを。



別の訳

flyを飛び降り(自殺)、dieを死と訳せばもっとドラマチックになり、フォレスト・ガンプに出てくるキター弾きの女性を連想させる物語になります。

しかし最後の9月の詩を考えれば、flyは単に旅立つ、いなくなる、dieは死んだも同然という意味が正しいような気がします。

無理に幻想的な物語にしたいなら、7月に彼女がビルから飛び降りて自殺をはかり、8月には息をひきとって、9月に私はどうして彼女は死んでしまったのか、あんなに愛し合っていたのにと悔やむ。とでもやればいいのでしょうが、やっぱり無理があります。

詩全体が未来形であることに注目

詩全体が未来形です。すべて~だろうです。それなのに具体的で断定的です。

それはきっと過去に何回も同じようなことを体験したからだと思いました。

ギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」(Alone Again – Naturally)を思い出します。



やっぱりポール・サイモンは天才だ

いずれにしても、当時21歳のポール・サイモンがどうしてこんな詩を書けたのか。

やっぱり天才です。

映画「卒業」をまた見たくなりました。

ごきげんよう。


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