かぶとたいぞうです。
ここ1週間ぐらい、頭の中で1つの歌が繰り返し繰り返し流れています。流れているのか、心の中で自分が歌っているのか。
リボーン
映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の主題歌で、リボーンという名前の曲です。
劇中では「魚屋ミュージシャン」が作った曲に「セリ」が後に詞を付けたという想定です。実際には山下達郎さんが「REBORN」(リボーン)という名前で、この映画のために作詞作曲しました。
1週間くらい前に久しぶりに映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を見たので、この歌が頭に残っているのだと思います。
リボーンの詞
映画の感想は以前書きましたので、ここでは割愛し、今日はリボーンの詞に関してのみ書きます。
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リボーンの最後の方に「生きてゆきたい、あなたのように」というフレーズがあります。初めて映画を見た時、大人になったセリが歌うこのフレーズでドキッとしました。
詞のいきさつ
セリの弟は児童養護施設「丸光園」の火災で魚屋ミュージシャンに助けられます。魚屋ミュージシャンはたまたま慰問に来ていて、セリの弟を救出した後に火災で命を落とします。
セリは弟を救って代わりに死んだ魚屋ミュージシャンのことを歌っているのです。
セリが「生きていきたい、あなたの」まで歌った時、私は瞬間的に「あなたの分まで」とか「あなたのためにも」とかと続くのだろうと予想しました。しかし、それじゃ少しおこがましいなとも思いました。実際にセリが歌っている場面で私がリアルタイムで考えたのですから、ほんの一瞬、0.1秒くらいの間に頭をめぐった考えです。
ところが
ところが私の予想に反して、セリはこう歌ったのです。
「生きていきたい、あなたのように」
ドキッとしました。
だって、魚屋ミュージシャンは死んだのです。死んだのに、あなたのように生きてゆきたいとはどういうことか。
ふたたび詞のいきさつ
児童養護施設「丸光園」の慰問で歌った魚屋ミュージシャンのリボーンには歌詞がありませんでした。ハミングでした。
幼いセリはその曲が気に入り、魚屋ミュージシャンに尋ねます。
「プロにはならないのですか」
魚屋ミュージシャンは照れながらこう答えます。
「なかなかなれない、でも音楽はやめない。こうなったらもう意地だ」
魚屋ミュージシャンの人生
魚屋ミュージシャンは自分の生きる道を最後まであきらめず、ひたすら歩いたのです。そして自分の命をかけて弟を救ってくれたのです。
「鳴かず飛ばずの人生だった」と評価する人もいるかもしれません。しかし、セリはそうは思いませんでした。天才的な感覚で魚屋ミュージシャンのオリジナル曲を高く評価し、すごい人だと思い、憧れの目で見ていたのです。その憧れの人が弟を救ってくれたのです。だからあれほど魚屋ミュージシャンの死を悲しんだのです。
セリは「自分も魚屋ミュージシャンのような人になりたい」と心から願ったのでしょう。
リボーンの歌い出しはこうです。
「生きることを教えてくれた。あなたを忘れないよ」
あなたのように
「あなたのためにも」
なんていう上から目線ではなく、
「あなたのように」
という尊敬と感謝の気持ちで歌ったのです。
そして自分もそう生きていきたいと本当に願ったのだと思います。セリは大人になってプロのミュージシャンになります。
山下達郎さん
映画のエンディングで男性が歌うリボーンを聞いて、作者はもしかしたら山下達郎さんかなと思いました。そして調べると、やっぱり山下達郎さんでした。納得がいきました。
山下達郎さんはやっぱりすごいですね。
その山下達郎さんのリボーンがこの1週間、頭から離れないのです。特に山下達郎さんが歌うリボーンの「生きてゆきたい、あなたのように」の部分の、かすれたような、裏声のような、何とも言えないあの歌い方が実に良いのです。
最後に山下達郎さんのリボーンの全歌詞を載せます。
ごきげんよう。
REBORN(山下達郎)
生きることを教えてくれた
あなたを忘れないよ
かけがえのない愛の形見に
さみしさは似合わない
そっと微笑む
にじむ夜を 抱きしめ
あなたはいつだって
私のそばにいる
目に見えぬ力で
心を震わせる
いつかまた きっとまた
めぐり会う時まで
少しだけのさよなら
触れることは もう叶わない
でもいつも感じてる
私たちが生きた証を
唇に言葉を乗せ
あなたのかわりに
歌おう 声の限りに
私たちはみんな
どこから来たのだろう
命の船に乗り
どこへと行くのだろう
あなたから私へと
私は誰かへと
想いを繋ぐために
悲しまないで
うなだれないで
振り向かないで
怖がらないで
とどまらないで
諦めないで
生きて行きたい
あなたのように
あなたはいつの日か
ふたたびよみがえり
永遠のどこかで
私を待っている
たましいは決して
滅びることはない
いつかまた きっとまた
めぐり会う時まで
少しだけのさよなら
たくさんのありがとう
少しだけのさよなら
(歌詞以上)
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著者かぶとたいぞう拝。
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