かぶとたいぞうです。
NISAは今年2024年の1月から新しくなり無期限となりましたが、旧NISAには5年の期限がありました。
期限が切れたNISAは放っておいても特定口座を持っている人なら特定口座に移管されます。その際は、期限の年の年末の時価が取得価格となります。
例えば
例えばA社の株を1株100ドルでNISAで買ったとして、期限到来の年末に200ドルで売ったとします。
NISAは税金がかかりませんので売買益の100ドルはそのまま儲けになります。
A社の株を期限到来の年末に売らず、年が越えて1月になってから200ドルで売ったらどうか。
年末の株価200ドルが取得価格となっている特定口座のA社の株を200ドルで売ったのだから、やはり税金はかかりません。売買益の100ドルはそのまま儲けになります。
放置しても同じか
ここまでの説明を聞いたら、期限内に売っても、期限を越えて売っても変わらないように思います。
ところが落とし穴があるのです。
どういうことか。
計算が変わる例
A社の株をNISAで1株100ドルで買い、特定口座でも1株100ドルで買っていた場合は計算が変わるのです。
期限が来て、株価が200ドルになり、期限内に売った場合は前述の通り売買益の100ドルはそのまま儲けになります。NISAなので税金はかかりません。
ところが期限が過ぎて、NISAで買ったA社の株が取得価格200ドルで特定口座に移管された時、特定口座内のA社の平均取得価格は100ドルと200ドルの平均の150ドルになるのです。
翌年に売ったら
そして年を越えてA社の株を200ドルで売ると、取得価格150ドルのものを200ドルで売ったので、50ドルの利益となり、その約20%(米国株なら約28%)が税金として引かれます。
自分としては、年末に取得価格200ドルで特定口座に移管した旧NISAの1株を売ったつもりなのですが、特定口座の株の取得価格の計算は総平均法と決まっているのです。
同じ銘柄を旧NISAと特定口座の両方で持つケース
上記の例では分かりやすく1株と1株で説明しましたが、実際には旧NISAが始まる前から特定口座で持っていた株とか旧NISAの限度額を越えて特定口座で買った株とかもあるはずです。
だから同じ銘柄を旧NISAでも特定口座でも持っている人は結構いると思います。
私も落とし穴にはまりかけた
私も去年の12月に期限が来た旧NISAのアッヴィの株を売るかどうか迷いました。値が悪かったら売らずに年を越えてから売ってもいいと思っていました。
年が明けて値が上がったら売って、少し下がったら買い戻そうとも思ったのです。
ところがよく調べた結果上記のことが分かって慌てて売った次第です。もし売らなかったら結構な損をしました。
一生売らないなら別ですが、売って新NISAで買い戻すなら、注意が必要です。
もうそろそろ今年分の準備
今年も、もうそろそろ期限切れの旧NISAの株を売る準備をする時期です。今年で期限が来るのは2020年に旧NISAで買った株です。しっかり準備しましょう。
この事を説明しているサイトやブログは少ないので、知らずに放置して損をする人がいるかもしれないと思い、今日は書いてみました。
なお、先程の説明では省略しましたが、年末ギリギリに売ると、受け渡しに時間がかかり年内の取引にならない場合があります。大事をみて12月20日くらいまでには売るといいでしょう。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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