かぶとたいぞうです。
札幌の我が家の裏庭には大きな梅の木があります。
家を建てたときに植樹したものですから、樹齢は35年くらいです。
大きくなり過ぎたので何回も強剪定して枝を横に誘引して四方八方に広げて、それぞれの枝は手を伸ばせば届く程度の高さにしました。
去年の梅は豊作だった
昨年は梅が豊作でした。梅酒を漬けて、梅干しまで作っても、まだ10kgくらいの梅が枝に残っていました。でも面倒なのでそのまましばらく放置していました。
そのうちに枝に残った梅は黄色くなり完熟しました。
もったいない
完熟した梅を眺めているうちに、やっぱりもったいないと思いました。だって、スーパーマーケットで買えば、1kgで1,000円も2,000円もするのです。我が家の梅は南高梅です。
それで、最後にもう1瓶(5リットル)だけ、完熟梅で梅酒を作ってみたのです。
1年
あれから丸1年。
各梅酒瓶を開けて味見してみると、なんと最後に作った梅酒が一番美味しいのです。
色が濃く味も香りも芳醇で、砂糖はそれほど入れなかったのにフルーティーな甘味があります。
甘めに作った青梅の梅酒よりも砂糖をその半分で作った完熟梅酒のほうが甘いのです。しかもその甘さは砂糖の甘さよりも美味しいのです。
驚いた
驚きでした。
ネットで調べてみると、完熟梅で作った梅酒はその名の通り「完熟梅酒」と言って、ファンも多く、完熟梅酒を専門に作っている人もいるとのことでした。
私には偶然の産物、偶然の発見でしたが、ちゃんと知っている人は知っているんだなぁと感心しました。
梅ジャム
さて、前置きが長くなりましたが、今日ご紹介する梅ジャムも、実は完熟梅酒の残り梅で作ったほうが味わい深いのです。
今年は去年の梅酒の残り梅でジャムをもう何回も作りました。青梅でも完熟梅でも作りました。何回も作っているうちにコツも分かりました。
そこで、忘れないうちに備忘録として自分のために残すことにしました。歳をとると色々なことを忘れてしまうからです。来年はこの備忘録を見ながら作るつもりです。
梅酒の残り梅で作る梅ジャムの作り方(青梅、完熟梅共通、250g程度の瓶2つ分)
ここからは箇条書きです。
最初に、心構え
- いっぺんにたくさん作ると疲れる。1度に作る量は2瓶程度に。半分の量で1瓶でもいい
- 清潔第一。菌は熱とアルコールと水道水に弱い
- ずっと作業をしていると、気化したアルコールで酔う。最悪倒れる。時々外の空気を吸いに出る
- 量をいちいち計らない。コーヒーに砂糖を入れるのに、コーヒーの分量と砂糖の分量を正確に計るか。すべて適当でいい
- やけどに注意。鍋掴みの手袋を用意しておく
- 怪我に注意。包丁は使わない。スプーンですべてできる。
準備
- 手をよく洗っておく
- ジャムやピクルスなどが入っていた瓶を2つ用意する。サイズは適当でいいが、なるべく口が広いもの。
- まな板とスプーン、鍋掴み手袋、ボールとザルのセット、鍋(ホーローでなくてもいい。テフロン加工で十分)、木ベラを用意する
- ザルをボールにセットし、梅酒に使った梅をラーメンどんぶり2杯くらい(だいたい)ザルにあけて用意しておく
作り方、手順とポイント
- 瓶の中とフタを水道水でよく洗い、瓶2つをフタを開けた状態でシンクの中に並べておく
- 鍋に水を入れ、お湯を沸かして、沸騰する前に(やけどしないように)ザルの梅酒の残り梅を、そろりと入れる(ポイント、水から煮てもいいが、梅に含まれるごく少量のたんぱく質が水に流出しないように、少し水が熱くなってから入れたい。たんぱく質は熱で固まるから)。
- 梅が浸かるぐらいの水の量が必要。足りなければ水を足す。
- 水が沸騰してから2、3分、中火で加熱する。ここではアルコールは飛ばさなくてもいい。後で飛ばすので。加熱する理由は種を取りやすくするためだけ(ポイント、長く加熱すればするほど柔らかくなり種を採りやすいが、梅のエキスが水に溶け出してもったいない。ゆで時間が短ければ梅のエキスが多く残るが種が取りづらい)
- ザルとボールのセットを鍋の近くに置き、鍋の梅を熱湯ごとザルセットにあける
- 鍋つかみ手袋をして、梅の入ったザルだけを鍋の上に乗せる。ゆっくりと、やけどに注意
- 用意しておいた瓶のフタをボールの熱湯に少し(3~5秒で十分)漬けて、箸などでフタをとり出した後、やけどに気を付けながら手袋でボールを持ち、シンクに並べておいた瓶に熱湯を溢れるまで入れる。消毒のために必要なのは熱だけ。わざわざ別にお湯を用意したり瓶を鍋に入れて沸かす必要もない。梅の沸かし汁はそもそも清潔
- 梅が入ったザルをボールに戻し、10分ぐらい放置して冷ます。わざわざ水で冷ます必要はない。熱湯消毒したまま放置したほうが清潔だし、放置中にも果肉は柔らかくなる
- 梅がある程度冷めたら、スプーンとまた板を用意する。
- 手を再度、よく洗う
- 梅を1つずつまな板に乗せ、スプーンで果肉をとる。包丁は危険なので絶対に使わない
- スプーンを包丁のように縦に持ち(私はスプーンの窪んでいるほうを外側にして持ったほうがやりやすいが、どちらでもいい)、梅肉をこすげ取るように剥いでいく。※クックパットに「生のまま包丁でアボガドの種を取るようにきれいに取る」という説明が書かれたレシピを発見したが、そんな芸当があったら教えてほしいものだ
- 梅肉を完璧に取ろうとは思わないこと。種についている果肉がもったいないなら、果肉の少しついた種だけタッパーに入れて冷蔵庫で保存する。醤油を入れて梅醤油、酢を入れて梅酢モドキ、煮物や鍋の出汁の隠し味、おやつとしてアメ玉やガムの代わりになる
- 梅肉を全てとったら、梅肉のみ鍋に戻す
- スプーンはザルの上、瓶のフタの上など熱湯消毒済みのものの上に置いておく
- 最初は中火で加熱し、木ベラで焦げないように混ぜる。
- 湯気が出てきたら弱火にし、練り続ける。この湯気はアルコールを多く含んでいるので換気扇を回し、時々火を止めて外の空気を吸わないと酔う
- 火を徐々に弱めて最後はトロ火にする。加熱中は火元から決して離れず、絶えず木ベラでかき混ぜて練り上げる
- 時々火を止めて外の空気を吸いに出る。砂糖は焦げ付きやすいので後で入れる。
- 時々匂いを嗅いで、アルコールが抜けたか確かめる。子供に食べさせる場合は、この作業を丹念に行う必要があるが、この作業は時々休んで外の空気を吸わないと倒れる。換気を良くすれば雑菌も入りやすいので、仕上げはなるべく窓を閉めて行ないたい。
- 十分練って、アルコールも飛んだら砂糖を適量入れる。ただし梅酒の残り梅には既に砂糖が染み込んでいるから少しでいい。またはまったく入れなくてもいい。スプーンに少量とって味見をして好みで決める
- ちなみに砂糖をたくさん入れると艶が出て滑かになり、よりジャムっぽくなり、日持ちもする
- 最後にレモン果汁を適量(私は大さじ2杯)入れて、少し火を強くしてかき混ぜながら火を止めて完成
- 途中何回か味見をするが、味見したプーンは水道水でよく洗ってから熱々の梅ジャムに深く突っ込むと殺菌される
- ジャムができ上がった頃にはシンクにお湯を入れたまま放置しておいた瓶が冷めていると思うので、瓶の中のお湯をすて、スプーンで熱々の梅ジャムを瓶に入れていく
- 熱いので手袋をして瓶をつかみ、スプーンで瓶の口までびっしりジャムを入れる
- ジャムを入れたら急いでフタをする。その時に、もしジャムがはみ出ていたら、フタを閉めた後に新しいティッシュで拭く。
- フタをガッチリ閉めすぎると後で開かなくなるので、ほどほどに
梅ジャムの使い方、活用
パンやクラッカーに塗って食べてもいいですが、料理に万能で隠し味になります。味に深みと爽やかな甘酸っぱさを与えます。
特に油ものに合い、私は焼肉のたれ、茄子の油炒め、麻婆豆腐で試しましたが最高でした。
冷奴に乗せて食べても美味しかったです。
完熟梅酒のジャムは別格
特に完熟梅酒の残り梅で作ったジャムはフルーティーで芳醇な甘味があるので、煮物や煮魚の隠し味に使うと別格料理に化けます。
今回は梅酒の残り梅で作るレシピでしたが、梅酒を作らない人、そんなに美味しいならすぐに作ってみたいと思う人は、生の梅でも応用が効くと思います。梅干用に売っている黄色い梅は完熟梅です。
スーパーマーケットで売っている生の南高梅はちょっと高いですが、価値はあります。
誰かのお役に立てば
以上、自分のための備忘録でしたが、どなたかのお役に立てば幸いです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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