試行錯誤の上で会得した梅の木の剪定方法、8つの原理原則、ポイント、注意点、コツ

かぶとたいぞうです。

我が家の裏庭には、家を建てたときに植樹した樹齢30年の梅の樹があります。

梅の樹の剪定kabutotai.net

以前は仕事が忙しく、ずっと放置していました。すると梅の樹はどんどん伸びて、枝がとうとう家の2階部分にまで到達しました。



梅の樹が大きくなり過ぎた

毎年、花も咲き、実も付くのですが、樹が高すぎるので実に手が届きません。

そこで3年ぐらい前に梅の樹の剪定にチャレンジしました。

剪定とは、樹形を整えたり、花や実を多く得るために幹や枝葉を切ることです。

桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があるので、梅はどんどん切っていいと思いました。また、梅は強いのでどんなに切っても枯れることがないと書かれたネット情報もありました。

だから私は3年前に素人判断で、思いっきり梅の幹をノコギリで切って半分ぐらいの高さにしました。



強剪定で梅の幹が枯れた

結果として根本から枝分かれしていた太い3本の幹のうち、2本は枯れてしまいました。残る1本も翌年は上にまっすぐ伸びる徒長枝ばかりで花も実も付きませんでした。

その後私は色々調べ、試行錯誤を繰り返した結果、最近ようやく梅の樹の剪定のコツを心得ることができました。

そして今年はみごと満開の花を実現しました。樹形も徐々に理想に近づいています。

梅の樹の剪定のコツをまとめてみた

今日は自分の忘備録として、また、私と同じように梅の樹の剪定で試行錯誤を繰り返しているご同輩のために、私の失敗経験と調べて分かった大事なポイントをまとめました。

何事もそうですが、まず最初に原理原則を理解することが重要です。

1つ目の原理原則。



光合成の原則

植物は太陽光により葉が光合成をしてセルロースを作り枝葉、幹、茎、根を作り成長します。

2つ目の原理原則。

花芽分化の原則

植物は一定の条件が揃うと、葉芽が変化して花芽になります。もともと枝葉になるべき芽が、一定の環境下で花芽に変化(花芽分化)して花が咲くのです。枝先や高い位置は太陽の光を受けやすいので葉に適しています。だから花芽は枝先や徒長枝にはできません。

3つ目の原理原則。



徒長枝の原則

枝葉を切りすぎると光合成が足りなくなります。すると樹は生命を維持するために花芽を作らず、枝葉を増やします。光合成を増やしてセルロースを作るためです。樹は枝を上に伸ばして太陽の光を少しでも多く受けようと必死になるので徒長枝ができるのです。

4つ目の原理原則。

花芽分化の時期と確定の原則

梅の花芽分化は夏から秋に起こり、晩秋には確定します。一度確定した花芽はもう葉芽に戻ることはなく、翌春に必ず花を咲かせます。花が咲いて受粉すれば梅の実が成ります。

5つ目の原理原則。



隔年花満開の原則

花芽分化確定後の晩秋に、葉芽と思われる枝(徒長枝、その他の枝の半分から先の部分)をバツバツ切れば、翌春には花芽に養分が集中して花だらけになります。しかし、葉芽を切りすぎると翌春の花後は葉芽が足りないので樹が焦って徒長枝など葉芽ばかりを作り、夏以降の花芽分化も少なくなる恐れがあります。つまりうんと花が咲く年とあまり花が咲かない年と交互に起こるのです。

6つ目の原理原則。

中庸の原則

晩秋の葉芽(と思われる枝)の剪定は切りすぎることなく、葉芽も程よく残せば、翌年の花芽分化も程よく進みます。

7つ目の原理原則。



花芽予定変更の原則

夏に徒長枝を切りすぎると、花芽分化する予定だった芽が確定する前に予定変更して葉芽のまま残り、翌春に花を付けません。

8つ目の原理原則。

先端の芽成長の原則

枝を途中から切ると、切り口のすぐ下の芽が一番伸びます。だから樹形を扇形に広げたければ、外側に付いた芽のすぐ上で枝を切ればいいです。

原理原則は以上です。

これらの原理原則を応用すれは、梅の樹の剪定の基本はこうなります。



梅の樹の剪定の基本

まず、樹形を整えるには、上に伸びる枝を根本から切り、外側に付いたの芽の真上で枝を切れば、低く広がる扇形になっていきます。

剪定は晩秋から冬のみ

次に、花芽調整に関しては、基本的に剪定は晩秋から冬にしか行ないません。徒長枝と枝先を基本的に切りますが、あまり切り過ぎないよう気をつけます。どの程度切ればいいかは経験を積むしかないでしょう。



梅の樹の強剪定

最後に、梅の樹の太い幹をノコギリで切るような強剪定は度胸が要ります。やるなら何本かある幹のうち、必ず1本は手つかずで残しておきましょう。切り口の下に充分な葉がないと幹ごと枯れる可能性があります。

幹の切り口にはホームセンターなどに売っている市販の防腐剤をしっかり塗りましょう。

以上です。

ごきげんよう。


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