かぶとたいぞうです。
私はもうリタイアしていますから、夕方の4時頃から「ひとりユンタク」と称して酒を飲み始めます。
夕方6時くらいにはいい気分に出来上がって、庭に出て花を見たり、居間で映画を見たりするのですが、7時半か8時くらいになると眠くなってきます。
夕方から寝たら夜中に目が覚めてしまう
ここで寝てしまったら夜中の3時くらいに目が覚めてしまうと思い、がんばって起きていますが、居眠りしてしまうこともしばしばです。
我慢できずに夕方の7時半か8時くらいに寝室に行き、寝てしまったこともありました。やっぱり夜中の3時くらいに目が覚めます。
夜中の3時に起きても
3時に起きてもまだ暗いし、寂しいし、やることがないので困ります。ネットニュースなどを見て時間をつぶし、夜が明けるのを待つのがつらいです。
やっぱり夜中に目が覚めるのは嫌なので、なるべくがんばって、夜の10時前には寝ないようにしています。
春暁
ある時、ふと中学校で習った孟浩然の「春暁」という漢詩を思い出しました。
春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少
しゅんみんあかつきをおぼえず
しょしょていちょうをきく
やらいふううのこえ
はなおつることしんぬたしょうぞ
知んぬ多少ぞ
確認のためにネットで調べたら、今は最後の句を「花落つること知る多少」と教えているようです。
私が中学生の頃は「花落つること知んぬ多少ぞ」と読まされました。間違いないです。当時は試験に出るので暗記しました。
春暁は合点がいかなかった
ところで、中学生の頃はこの漢詩の意味がいまひとつ分かりませんでした。いや、意味は分かるのですが、合点がいかなかったというほうが正しいかもしれません。
「春の眠りは心地よく、つい夜明けにも気づかず寝入ってしまった」と言うのです。
それで、「鳥の声で目が覚めた」と言うのです。
夜明けにも気づかず
「そういえば、夜中は風雨が強かった。花がけっこう落ちただろう」と続きます。
孟浩然はいつも夜明け前に起きているのか
春に限らず、夜が明けてから目が覚めるのが当然だと思っていた当時の私は不思議に思いました。孟浩然はいつも夜明け前に起きているのかと疑問に思いました。中学校の国語の先生に質問しましたが、はぐらかされて答えてくれませんでした。
「昔の人は夜明け前に起きるのが当たり前だったのかなぁ」
暁の時刻
大人になってから、暁(あかつき)とは夜明けではなく、夜が明ける前のまだ暗い時刻、東の空が赤くなってくる時間をさすことが分かりました。
国や地域によって違いますが、春なら午前3時くらいの時刻だそうです。
昔の人は暁の時刻には起きていた
そして孟浩然が生きていた唐の時代には、「暁」の時刻には宮廷に仕える役人は仕事のために出勤していたと言うのです。
今で言うと、遅くとも夜中の2時には起きて、3時には宮廷に出勤です。
早寝早起き
昔は今のように照明が豊富ではなく、日が沈むと寝たのだと思います。
そうすると夜中に起きるのは当たり前です。いくら暗くとも、これから夜が明けて明るくなることが分かっているから昔の人は安心して起きたのでしょう。
バイクで北海道を一周した時
そういえば、去年バイクで北海道を一周した時、なるべく明るいうちに距離を稼ごうと思って早朝からテントをたたんで次の目的地に出発しました。
すると夕方は食事をした後、薄暗くなってきたらすぐに寝てしまいました。そして朝はまだ暗い時間に起きて、テントをたたんでいるうちに明るくなり、鳥たちが起きて鳴き出しました。毎日それの繰り返しでした。
本来の人間の姿
あらためて考えると、夕方の7時半とか8時に眠くなり、夜中の3時に目が覚めるのは、悪いことでも変なことでもなく、むしろ当たり前のことなのかもしれません。
それが自然であり、本来の人間の姿なのかもしれません。
日の出とともに起きるのではなく、日の出前には起きていて準備をし、日の出とともに活動する。そうすれば自然と7時や8時には眠くなるものです。
現代のほうがおかしいのかも
照明が普及し、生活が深夜化した現代のほうがおかしいのかもしれません。
孟浩然の「春暁」を思い出して、そんなことを考えました。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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