かぶとたいぞうです。
投資詐欺は昔からありますが、最近また流行っているようです。
古典的な詐欺手法に「ポンジスキーム」というものがあります。
この詐欺を編み出した「ポンジ」という詐欺師の名前から詐欺手法の名前がつけられました。
ポンジスキーム詐欺の典型例
「ポンジスキーム」による典型的な投資詐欺の例をお話します。
1口10万円で出資を募ります。出資と言っても株を発行するわけでも、証券会社経由で買うわけでもありません。その時点で十分怪しいのですが、儲け話に乗る人はいるようです。
出資したお金に毎月5%の配当がつくと言って勧誘するのです。
ポンジスキーム詐欺の投資事業
集めたお金は太陽光発電とか金融、不動産など何やらよく分からない複雑な運用に回すらしいのです。あるいは海外投資、特殊な水商売なと普通の人には手が出しにくく利益率の高い商売が投資先の場合もあります。
毎月5%の配当なら1年に60%もの配当、しかも毎月払い
毎月5%の配当であれば、単純計算で1年に60%もの配当になります。
しかも1年間待つことなく、1ヶ月目から毎月配当が受け取れると言うのです。
2年もすれば元が取れて、それ以降は儲かり放題だと言うのです。
試しに出資したら本当に配当が振り込まれてくる
試しにおっかなびっくり10万円を預ければ、翌月には本当に5%の配当である5000円が振り込まれてきました。
気を良くして追加で100万円を預けて見ると、その翌月には110万円の5%である55,000円がちゃんと振り込まれてきました。
友人を紹介するとさらに1%
さらに友人を紹介してくれたら紹介料としてその友人の投資額の1%を紹介者であるあなたにキックバックするというのです。
そこで友人にこの投資話を紹介して、彼にも100万円出資させました。
すると翌月には自分の配当55,000円の他に友人の出資分100万円の1%にあたる1万円も上乗せされて、65,000円が振り込まれてきたのです。
どんどん出資額を増やし、友人にも紹介した
ボロい儲けなので友人をどんどん紹介して、自分自身も1000万円まで出資した時点で、主催者と連絡がとれなくなりました。
電話も繋がらず、紹介されたオフィスももぬけの殻。出資をすすめた友人からは配当が振り決まれてこないと文句を言われ、結局自分も逃げるしかないのです。
大金を失っただけでなく、友人からの信頼も失い、自分も夜逃げしなければならなくなったのです。
以上が典型的な「ポンジスキーム」の顛末です。
ポンジスキームの仕組みは単純
仕組み(スキーム)自体はいたって単純です。
集めたお金を事業に投ずるのではなく、そのお金で「配当」を支払うのです。そうすると「配当」の原資はどんどん減っていきます。でも次々と新しい出資者を募るので「配当」を支払っても手元のお金は増えていきます。
「配当」をきっちり払い続けて信用してもらったら紹介、紹介で一気に出資者が増えます。そして十分にお金がたまったらとんずらするのです。
ポンジスキームの特徴
ポンジスキームで使う架空の投資先事業は、複雑で分かりづらいという点が特徴です。
ふつう利口な人は、複雑な話や分かりづらい話には乗らないものです。自分が理解できない事業には投資しません。
しかし詐欺師に騙されるような人は自分で理解しようとはしません。考えるのが苦手で、手っ取り早く儲かる話が好きなのです。
わざと複雑な投資話にする
それでわざと複雑な投資話をして、相手が騙されやすい人かどうかを試すのです。それで乗ってくる人はカモ認定なのです。
また、本人が事業内容をよく理解していないので、友人にすすめる時も詳しく説明することができません。だからボロが出る心配がないのです。
「よく分からないけど本当に儲かるんだ。ちゃんと配当金が毎月入ってきてるんだ」と言ったほうが説得力があるのです。
紹介された人も利口な人なら乗らないが
もちろん紹介されても利口な人ならそんな投資話は信じません。でも「手っ取り早く儲けたい」「楽して儲けたい」と思う人は、よく分からない事業に金を出すのです。
かくして騙されやすい人が次々に引っかかり、どんどんお金が集まるのです。
現在のポンジスキームはもう少し進化している
現在のポンジスキームはもう少し進化していて、勧誘のしかたも投資先事業もアレンジされています。
出資者に自作のアプリで架空のFX投資をさせて儲かっているように思わせて、実際の出資金は別にプールしておき、ある程度たまったらドロンというポンジスキームなんかもありそうです。
ポンジスキームの基本は変わらない
しかしいくら進化してもポンジスキームの基本はまったく変わっていません。
やたら配当率(金利、利益など)が高く、最初はきちんと配当(金利、利益)が出て、マルチ商法のような紹介制で、どんどんお金を増やし、ある程度お金がたまったら元締めがドロンです。
「儲かる投資話」を信じてしまう人があとを絶たない
最近はこのような詐欺がまた増えているのです。どうしてこのような「儲かる投資話」を信じてしまう人があとを絶たないのか不思議でなりません。
判りやすい詐欺なので、このブログを読んでいるような賢い読者の皆さんなら、絶対にひっかかることはないですよね。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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