かぶとたいぞうです。
投資先判断のために経営分析、財務評価をすることは大切です。評価項目の1つにキャッシュフローがあります。
ある有名な米国株投資情報サイトの記事を読んでいたら、キャッシュフローに関して次のような趣旨のことが書かれていました。
有名な米国株投資情報サイトの記事要旨
- 会社の評価をする時に、その会社のキャッシュフローを見ることが一番重要だ
- 特に高配当を継続して得ようとするならば、キャッシュフローが潤沢かどうかをチェックしなければならない
- キャッシュフローは配当の源泉であり、キャッシュフローが潤沢であれば配当を十分出せるからだ
- キャッシュフローが潤沢で、しかもキャッシュフローが毎年増加している会社が望ましい
まぁ、言っていることはそれほど間違ってはいないのですが、本当に分かって書いているのかなと少し疑問が残ります。
キャッシュフローは3本立て
読者の皆さんは分かっていると思いますが、キャッシュフローとはその会社の現金有高のことです。つまり現金が手元にいくらあるかと言うことです。
営業キャッシュフロー
利益を出せば会社の現金が増えます。これはまことに結構なことです。利益によって増えるキャッシュフローを「営業キャッシュフロー」と呼びます。
財務キャッシュフロー
しかし、銀行からお金を借りたり、社債を発行したり、支払いを遅らせたりしても現金は増えます。これを「財務キャッシュフロー」といいます。
いくらキャッシュフローが多くても有利子負債が多い会社はむしろ要注意です。ウォーレン・バフェット氏も長期有利子負債が利益に対して大きすぎる会社は「コモディティ型企業」と呼んで投資対象から外しています。私も企業分析をする時は必ず長期有利子負債をチェックします。
投資キャッシュフロー
また、会社の経営に必要な投資をした場合も現金がぐっと減ります。必要な投資であり、将来の利益につながる重要な投資であるにも関わらず、それをするとキャッシュフローはマイナスになるのです。投資によって減るキャッシュフローを「投資キャッシュフロー」と呼びます。
キャッシュフローは「営業キャッシュフロー」と「財務キャッシュフロー」と「投資キャッシュフロー」の合算
キャッシュフローとは「営業キャッシュフロー」と「財務キャッシュフロー」と「投資キャッシュフロー」の合算でなのです。
利益が出ないで「営業キャッシュフロー」がマイナスなのに、銀行から借り入ればかりして「財務キャッシュフロー」を大きくプラスにして、しかも必要な投資をしないで「投資キャッシュフロー」がトントンでも、その会社の「キャッシュフローは潤沢」なのです。
更にその上、毎年社債を発行してお金を集めれば、「キャッシュフローが毎年増加」するのです。
そんな会社が有望なわけがありません。
キャッシュフローを見るなら、キャッシュフローの中身を見よ
だからその会社のキャッシュフローを見るなら、キャッシュフローの中身を見なければなりません。
特に営業キャッシュフローがしっかり稼げているか、財務キャッシュフローは適正な範囲か、投資キャッシュフローは必要な投資にあてられているか、などです。
利益が出ているかだけ見れば十分
しかし、簡単に言えば、利益が出ているかだけ見れば十分なのです。
上場している会社ならばしっかりした経営者がいて、監査もしており株主のチェックも入っています。だから利益さえしっかり出ていれば、財務キャッシュフローも投資キャッシュフローもだいたい健全なのです。
利益がしっかり出ていれば全て良いはず
毎年しっかりと、たっぷりと利益が出ていて、しかも利益が毎年増えている会社ならば、キャッシュフローは潤沢なはずで、財務キャッシュフローも投資キャッシュフローも適正なはずです。
そうであれば配当も期待できるのです。
キャッシュフローの意味を分かって言っているのか
最近はやたらとキャッシュフロー、キャッシュフローと言う人が多いですが、まさか「営業キャッシュフロー」だけがキャッシュフローだと思っているのではないでしょうね。
もしキャッシュフローを重視するならキャッシュフローの中身をよく見なければなりませんが、素人には難しいです。
利益のほうが大事
そんな難しい分析をするなら、利益と利益の増加、あと念を入れるなら長期有利子負債が多すぎないかだけ見れば事足ります。
はっきり言ってキャッシュフローより毎四半期と毎年の利益を見るべきです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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