かぶとたいぞうです。
米国の昨年12月の住宅着工件数が今日発表されました。
予想156.0万件に対して結果は166.9万件。予想を上回っただけではなく、件数も史上最高値でした。
米国の住宅建設は好調
コロナの影響で昨年4月に一番下がったときの件数89.1万件から2倍近くまで回復しています。米国の住宅建設は好調です。
住宅着工件数は実体経済を映す鏡
住宅着工件数は実体経済を映す鏡とも言われています。建築業界のみならず、土木、内装、インテリア、家具、家電、水道、電気、ガス、備品、日用消耗品、広告、自動車、金融など幅広い産業に影響します。
だから昔から住宅着工件数が伸びれば実体経済も伸びて景気が良くなると言われているのです。
住宅着工件数の過去数十年の推移を示すグラフは次の通りです。
V字回復した住宅着工件数
一番落ち込んだのはコロナの影響が深刻になった、昨年の4月です。
その後はV字回復して、今日発表された昨年の12月の件数は、とうとうコロナ前のピークであった昨年1月の件数を抜きました。
住宅着工件数の長期グラフと米国株価の長期グラフ
こうやって住宅着工件数の長期グラフを眺めると、米国株価格の長期グラフと重なります。
コロナ後の米国株の好調は、単に通貨の過剰流動性だけが原因ではなかったようです。ちゃんと実体経済が伴っていたのです。
米国では多くの人がコロナの犠牲になったが
米国では確かに多くの人がコロナの犠牲になりました。大勢の死者も出ました。コロナで職を失った人もたくさんいます。
でもこれだけ新築の家が建っているのです。コロナ禍でも家を建てられる人がいるということなのです。コロナにはそれほど影響を受けない人たちもたくさんいるということなのです。
コロナの影響を受けていない人たちもいる
確かに日本でも米国でもスーパーマーケットや家電などの売上は伸びています。アマゾンをはじめとするネット通販、ネットフリックスなどのネットコンテンツは売上も利益も最高潮です。
それらの会社と取引をしている会社や社員も景気がいいはずです。
観光、旅行、レジャー、飲食などは大変だが
観光、旅行、レジャー、飲食などとその関連の業種の人は今も苦しんでいます。しかし、それとはまったく関係ない人たちも大勢いるのです。公務員なんて無傷です。
みんながみんな不景気ではないのです。新築の家を建てるぐらい景気のいい人が世の中にはたくさんいるということなのです。
今の株高は実体経済の伴わないバブル?
「今の株高は完全にバブルだ。しかも実体経済をまったく伴わない、虚構のバブルだ。世の中が不景気なのに、株だけが上がっている」と声だかに叫ぶ人がいますが、そうとは限らないようです。
世の中は残酷なもので、コロナを境に苦しい人と豊かな人との格差がまた広がったのです。
コロナが格差を広げた
職を失い、食うにも困り、将来に不安を抱える者が増えたいっぽう、コロナの影響をまったく受けず、あるいはむしろ富み、新築の家を建てるぐらい心に余裕を持つ者も大量に現れているということなのです。
世の中はほんとうに残酷です。コロナが格差を広げているのです。
「持つ者」と「持たざる者」
持つ者と、持たざる者の差が後戻りできないぐらいに決定的についてしまい、今は持つ者だけを相手にして経済が回っているようです。
だから持たざる者にとっては株高も住宅着工件数も景気も、実態のないもの、実感の沸かないもの、どこか絵空事のようなものとしか映らないのだと思います。
私は世捨て人だから良くも悪くもない
私はビジネスの第一線から離れて久しいので、私には景気も不景気もありません。だから良いとも感じませんが、逆にコロナで困ったということもないのでのんびりと何不自由なく暮らしております。
ただ米国株長期投資家としては、今後も「持つ者」中心の経済の中で、米国株は実体経済を伴って順調に伸びてゆくのだろうなぁ、とは想像しております。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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