かぶとたいぞうです。
GOTOトラベルを利用して、那覇のホテルで暮らすようになって1ヶ月近くになりました。
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那覇では基本的に朝食はホテルの自室で自炊します。旅行用の小さな電気コンロと鍋があるので、ちょっとしたものなら作れます。
ペペロンチーノ
昨日はスパゲティが余っていたので「ペペロンチーノ」を作りました。トマトソースが切れており、たまたまオリーブオイルがけっこうあったので思いついたのですが、我ながら上手に作れました。
ペペロンチーノといえば思い出します。今から15年くらい前。私は娘と2人でイタリアのミラノ周辺を旅していました。
ミラノ北部のコモ湖で食べたペペロンチーノ
ミラノ北部のコモ湖に浮かぶ水の古都「ヴェラッジオ」にも行ってきました。ラスベガスの同名ホテルのイメージに使われた、コモ湖に面した小さな村です。
そのヴェラッジオで一番格調の高い老舗のイタリアンレストランのテラス席で娘と昼食をとりました。
せっかくイタリアに来たのですから、当然スパゲティです。
ヴェラッジオでミラノソースとペペロンチーノ
娘は「ミラノソース」を私は「ペペロンチーノ」を頼みました。
ミラノソースのほうはメニューに載っていたので簡単でしたが、「ペペロンチーノ」のほうはメニューにはありませんでした。
当時、日本ではペペロンチーノが大流行で、みんなこぞって食べていました。
日本で流行ったペペロンチーノ
誰が流行らせたのか分かりませんが、
「本当のスパゲティ好きは必ずペペロンチーノを食べる」とか、
「本場イタリアンレストランでも、ペペロンチーノをオーダーすると一目置かれる」とか、
「イタリアではメニューに載せていないレストランもあるが、通の人向けの裏メニューとして必ずある」とか、
そんな事を言っている料理評論家や「著名人」がいました。
だからその店のメニューに載っていなくても必ずあると思ったのです。
イタリアの本格レストランでペペロンチーノをオーダー
ウェイターは英語を話せましたので、私は英語で「ペペロンチーノは作れますか?」と聞いてみました。
ウェイターは愛想のいい笑顔で答えました。
「はい。ただいまシェフに聞いてまいります」
ウェイターはすぐに小走りで戻ってきました。そして私に聞くのです。
「恐れ入りますが、そのペペロンチーノとはどういう料理なのか教えていただけませんか?」
ペペロンチーノの作り方を教える
私は作り方を丁寧に説明しました。そしてウェイターに聞きました。
「ペペロンチーノとはイタリア語で唐辛子の事でしょ?」
ウェイターは笑顔で答えました。
「もちろんです」
私はウェイターに確認しました。
「私が説明したスパゲティはペペロンチーノではないですか?」
ウェイターはまた笑顔で答えました。
「おっしゃる通りです」
なにか違う
でもその時私は彼の微妙な表情から「ペペロンチーノというスパゲティはイタリアには無いのだと気づきました」
しばらくして私のペペロンチーノは娘のミラノソースと一緒に出てきました。美味しかったです。
特別なものを頼んだので、もちろんチップは相場の2倍くらい置いてきました。
ホテルのフロントにペペロンチーノについいて聞く
ホテルに戻ったあと、気になったのでフロントの愛想のいい女性に、「ペペロンチーノ」のことを聞いてみました。
彼女が教えてくれたことをまとめると次のとおりです。
- ペペロンチーノは単に唐辛子という意味であり、そういう名前のスパゲティはイタリアにはない
- その食べ方は確かにある。でもそれは家で作る粗末な料理で、レストランで食べる人はいない
- 貧乏人が食べるイメージがあり「絶望のスパゲティ」とも呼ばれるので、あまり人前では食べない
- レストランでは従業員のまかないにはよく出る
- そのスパゲティに名前はない、でも原料をならべて「アーリオ、オイリオ、ペペロンチーノ」と言う人はいる
- その対応をしたウェイターはかなり上級の接客スキルを持った人だ
ペペロンチーノは日本のケチャップライス
どうも日本で言う「ケチャップライス」レベルの食べ物らしい事が分かったのです。
でもどうして日本ではそんなに流行ったのだろうか。
思い当たるフシがあります。
日本では昔から洋食のことを「ヤクザな料理」とか「ヤクザな商売」と言ってけなす人たちがいます。主に和食の料理人たちに多いです。
日本の洋食は適当が多い
日本は敗戦国なので何でも欧米礼賛のきらいがあります。料理の世界にもそれがあり、洋食を適当なアレンジで適当なネーミング、適当な味付けで出しても売れるのです。
スパゲティのことを「パスタ」なんて呼び方をしているのも日本くらいです。
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以前は私も知らずに騙されていましたが、今では私のほうが世界各国の料理や風習に詳しくなりました。もう騙されません。
でも昨日の「ペペロンチーノ」は美味しかった
でも、昨日食べた「ペペロンチーノ」は美味しかったです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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