かぶとたいぞうです。
「ついこのあいだ二十歳になったばかりだったのにねぇ。もうその2倍の歳になったんだねぇ。ほんと、ついこのあいだだよ。ついこのあいだ」
40歳の誕生日を迎えた母のことば
母が40歳の誕生日を迎えた日、私に言ったことばです。
「じゃぁ今日はお母さんの誕生日を祝おうか」
当時小学生だった私は、ごちそうを食べたい一心で無邪気に母に言ったのです。
40歳の誕生日なんて祝う必要ない
「40歳の誕生日なんか祝う必要ない。なんにも嬉しくないから。40って言えば中年でしょ、中年。ついこのあいだ二十歳になったばかりだと思っていたのに。ほんと、ついこのあいだだよ」
そう言って母はしきりに腹の肉を気にしていました。
この私が40女だなんて信じられるかい?
「私も40になったのかぁ。40女だよ。40女。信じられるかい?この私が40女だよ」
母はずいぶん感慨深げに独り言を言っていました。
信じられるかい?と聞かれても
「信じられるかい?」と言われたって、子供の私から見れば母はどう見たってどこにでもいる小太りのおばさんです。何も不思議なことはありません。でも母には信じられないことのようなのです。
20年があっという間だったと言われても当時私は10歳程度。まだ10年しか生きてないのです。20年前は私にとっては太古の昔です。
けっきょくそに日は普通のご飯で、期待していたご馳走にはありつけませんでした。
あの日から50年、母は90歳になった
あれから50年。母は今月90歳になりました。
私はタイから帰国しましたがコロナ隔離で東京に半月足止めを食らったので母の誕生日には間に合いませんでした。
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90歳の母はしわくちゃババア
先日ようやく母に会うことができましたが、90歳の母はしわくちゃババアになっていました。
二十歳の母が40歳になった時は、すごく歳のことを気にしていましたが、90歳になった母は歳のことなど忘れているようでした。
女性にとっての若い時期には特別な意味があるのだろう
女性にとって二十歳から40歳までの齢というのはとても重要な意味を持つようです。
それを過ぎたらあまり歳のことは気にならなくなるのでしょう。
女性の年齢感は男性の年齢感とはずいぶん違うようです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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