かぶとたいぞうです。
私が初めて「酒断ち」(サカダチ)という言葉を聞いたのは、「巨人の星」というスポーツ根性マンガのワンシーンでした。
巨人の星で星一徹が酒断ちをするシーン
「巨人の星」の主人公、星飛雄馬(ほし ひゅうま)の父親、星一徹(ほし いってつ)は大の酒好きです。その一徹が願(がん)をかけて、飛雄馬が巨人軍に入団するまで大好きな酒を断つというシーンがあったのです。
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「酒断ち」は日本の伝統
誰かのために願(がん)をかけて、自分の一番大好きなものを断つという習慣は、信心深い日本人に古くから根付いています。
「息子が受験に成功するまで」とか、「恋人の病気が治るまで」とか、たいていは自分のことではなく、誰かのためにします。
お酒やお茶など大好きなものを我慢して願(がん)をかける
断つものも、酒とか、お茶(茶断ち、ちゃだち)など嗜好品が多いようです。
欧米人の合理性ではとても理解できない行動です。自分が大好きなお酒を断ったからと言って、それが息子の受験となんの関係があるのかと欧米人なら思うでしょう。
日本人の思考の欧米化で、酒断ちは最近聞かなくなった
最近は日本人の思考も欧米化してきているので、「酒断ち」や「茶断ち」という言葉もめっきり聞かなくなりました。
そんな「酒断ち」の話を先日、タイのパタヤで聞いたのです。
パタヤで久しぶりに聞いた「酒断ち」
パタヤで私がよく行く食堂には、近所に住む地元のタイ人がよく来ます。
常連客のひとりに酒好きな電気工事職人がいて、よく一緒にビールを飲みます。ところが、彼はある日からぱったり酒を飲まなくなりました。
体の調子でも悪いのか、仕事が無いので金がないのか、心配になっていろいろ聞くと、どうも「酒断ち」をしているようなのです。
酒断ちの目的は人に言ってはならない
彼は言いました。
「あることがうまくいくまで酒を飲まないと決めた」
あることとは何かと聞くと、彼はこう答えました。
「それを言うと酒を断つ効果が無くなるので言えない」
日本の酒断ちとタイの酒断ちはまったく同じ
きっと彼も自分の事ではなく、誰かのために願をかけているのでしょう。
言うと、その誰かにプレッシャーをかけるだけで、真の神通力にはならないので言ってはならないのです。
まったく日本の「酒断ち」と同じです。
タイには日本の古き良き伝統文化がたくさん残っている
ローカルな地域に住む一般的なタイ人の行動を見ていると、古い日本人の行動と共通するものをけっこう発見します。
どちらがオリジナルかは分かりません。でもきっと仏教に由来するものだろうということは容易に想像できます。
タイには仏教に由来した古き良き習慣がいっぱい残っている
日本の仏教は、行事など形式的なものだけが残り形骸化しています。いっぽうタイの仏教は、生活の中に溶け込んでいます。
だからタイにいると何となく古き良き日本の伝統的な習慣や文化を感じることが多いのです。そして懐かしさを感じるのです。
タイの「酒断ち」もそういった懐かしさを感じる古き良き習慣のひとつだと思います。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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