かぶとたいぞうです。
日経新聞によると、少額投資非課税制度(NISA)の制度が新しくなって2階建てになるそうです。
2階建ての新NISAの概要
「安定資産による長期的な運用を重視する」目的で、1階部分にあたる20万円枠にてリスクの低い投資信託などに投資した者だけが、従来のNISA同様の2階部分である上場株式などにも投資できる制度のようです。
NISA制度変更の目的と背景
なぜこのような複雑な仕組みにしたのかと言うと、本来は資産形成と長期運用を促進するためにNISAを導入したにも関わらず、株の短期売買に利用する人が多いからだそうです。
NISAを利用すると株式投資の配当のみならず,株式の売買益にかかる税金も無税になるのです。
本当に長期運用、長期投資を促進したいなら
本当に長期投資を促進したいなら、NISAを利用しても配当だけを無税にして、売買益には従来通り税金をかければいいのです。そうすると株の短期売買に利用する人はいなくなります。簡単なことです。
それなのにどうして投資信託などへの投資を条件にして短期売買の利益も無税にしようとするのか。
実際に新制度ができても、20万円だけ適当なファンドに投資して、あとは短期売買に使う人が現れて、現行制度と何ら変わらない結果となるでしょう。
新NISAは本当の長期投資家を排除するかも
それどころか私のように複数の個別銘柄に分散して長期投資している者は、わざわざ制度を利用するために投資信託を買いたくないから新NISAなんて使わなくなるかもしれません。このように本当の長期投資家を排除する事にもなりかねない制度変更なのです。
政府には株式の長期投資に関して理解のある人がいないのか、あるいは証券会社への配慮なのか。
後者のような気がします。
新NISAは証券会社に儲けさせるための制度か
そもそも証券会社は客に短期の売買を繰り返し行わせ売買手数料で儲けるか、投資信託の手数料で儲けるかしか儲ける方法が無いのです。
私のように個別銘柄を買ったら死ぬまで保持するバイ&ホールド型の真の長期投資家は証券会社としてはまったく儲からない客なのです。
新NISA導入でいちばん喜ぶのは証券会社
新NISAの目的は長期投資を促進すると言いながら、証券会社が儲かる投資信託の購入を条件にして、その後は短期投資の売買益も無税にする仕組です。いちばん喜ぶのは長期投資家ではなくて証券会社です。
老後2千万円不足を補うために本気で資産運用を促進したいなら
老後2千万円不足を補うために資産形成として本当に国民の株式長期運用を促進したいなら、そんな複雑で駆け引きめいた時限立法はやめて、単純に配当にかかる税金を恒久的に下げればいいのです。
現行20%の配当税を15%にするだけで株式の長期投資、長期運用は増えるでしょう。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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