かぶとたいぞうです。
山本周五郎さんの「寝ぼけ署長」と「花匂う」連続で読みました。どちらも面白かったです。
山本周五郎さんは「赤ひげ診療譚」を以前読んで気に入っていました。
寝ぼけ署長
まず「寝ぼけ署長」ですが、一風変わった探偵小説のような内容です。「赤ひげ」に通じる人情ものでもあります。主な登場人物は同じですが、事件ごとの短編集でもあります。語り手が話を進める講談風の進行です。案外読みやすくあっという間に読みきりました。
読み終える前にも書評を書きましたが、読み終えてますますおすすめです。娯楽ものとしても面白いです。
花匂う
次に「花匂う」ですが、これは山本周五郎氏の比較的若い頃の短編集です。江戸時代の話が多いですが、なかなか面白いです。昔読んだ川端康成の「掌(てのひら)の小説」を思い出しました。
武士の話、男女の話、探偵ものなど盛りだくさんです。
私は山本周五郎さんの小説が大好きですが、時おり表現が嫌にまどろっこしかったり、技巧に懲りすぎて陳腐に感じたり、あるいは登場人物や地名などの固有名詞が多すぎて話が分からなくなったりすることがあります。「赤ひげ」にも多少そんな感がありました。
若い頃ほど技巧に凝りすぎる
各小説を古い順番に並べると、昔の作品ほどそういうしつこい感じが多いです。
おそらく若い頃は技巧に懲りすぎて、歳を取るにつれ表現が自然に簡潔になっていったのだと思います。
私も昔の文章を読むと若い頃ほど技巧に凝った表現で少し恥ずかしくなります。
内容はすばらしい
ただ、山本周五郎さんの小説はいずれも内容は素晴らしく、主題、発想、着眼点、話の展開、どれを取っても素晴らしいです。私なんかは評価する立場にありません。
「花匂う」の2番目の話「秋風不帰」は特に傑作で、話の展開が面白すぎます。何か大きなインスピレーションを頂いた思いでした。
皆さんもぜひお読みください。2冊ともおすすめします。
ごきげんよう。
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「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
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