【米国株】読者様から円高、米国株の今後、投資姿勢などに関する質問メールをいただきました

かぶとたいぞうです。

今朝、本ブログの読者様から米国株投資に関する質問メールをいただきました。

考える良い機会だと思いましたので、私の考えをまとめてみました。

そして他の読者の方々にも参考になるかも知れないと思いましたので、本ブログにて公開返信させていただくことにしました。



読者様からの質問メール

以下読者様からの質問メールです。

かぶとたいぞう様

こんにちは。ご無沙汰しております。
以前にも1度メールで質問をさせていただいた●●(読者様の名前)です。

いつもブログの更新を楽しみにしております。

米国株投資を開始して1年ほど経ちましたので、本日は2点ほど質問をさせていただければと思います。



質問①
私は少しまとまった資産がありましたので、1年前から米国株投資を開始し、とくに最近まで急速に進んだ円安に恐怖を感じながら、このままどんどん円安が進むのなら少しでも早いうちに米国株を買ったほうが良いと考え、4〜6月にかけて比較的割安だった食品などのディフェンシブ株を中心に果敢に買い増し、資産の半分ほどをドル資産に変えました。

しかし、先週の日銀会合の頃から、想定以上に円高が進行し、アメリカの景気もけっこう悪化しているようで、アメリカ経済がハードランディングするような気がしてなりません。

今年前半の円安水準で米国株に資産をつぎ込んできたため、今後は円高と米国株安のダブルパンチが来るのではないかと、もう少しゆっくり時間分散して投資しなかったことを少し後悔しております。

そして、将来、早期リタイアなどで米国株で配当金生活をするうえでは、どうしても為替リスク(円高の進行)が気になってしまいます。

このような場合の心の持ちよう、今後の対策などございましたら何かアドバイスいただけたら幸いです。



質問②
米国株長期投資では、たいぞうさまのように配当の出る株や投資信託への投資と、S&P500などのように分配金の出ないタイプのインデックスに投資し、将来少しずつ取り崩して使うタイプ(こちらのほうがキャピタルゲインの伸び率が随分高い)があるかと思います。

投資に正解はないかもしれませんが、まだリタイアまで時間のある30代の人間が投資をする場合、どちらのほうが最適、または両方組み合わせたほうが良いものでしょうか?

お忙しい中恐縮ですが、ご返信いただけたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

●●(読者様の名前)

読者様からの質問メールは以上です。

私の回答

私の回答を以下に書かせていただきます。

まず最初に、将来の為替相場も株価のゆくえも、誰にも分かりません。もし分かっていると言う人がいたら、まちがいなく詐欺師か何も分かっていない人です。それだけは断言できます。

相場の行方が分かっていたら、先物や信用取引、FXなどを使って誰でも一夜にして億万長者になれます。

また、いろいろな人がいろいろな分野の予想をしますが、予想はたいていはずれます。「よそう」は反対から読むと「うそよ」です。

人間は未だに明日の天気すら正確には当てることができません。自然のメカニズムが複雑すぎるからです。

同様に数多くの人が参加する為替相場や米国などの大きな株式市場での株価も、メカニズムが複雑すぎて誰にも予想はできません。



私も反省している

かく言う私も、最近は少し調子にのって「円安はまだまだ続くと思う、200円まで行っても不思議ではない」旨の発言をしましたが、少し後悔しています。

日本は少子高齢化が進みすぎ、人口が減っています。経済も衰退しています。だから中長期的には円の価値は少しずつ下がっていくと今でも思っております。

しかし、最近の急激な円高は私にも予想外で、たいへんな驚きなのです。

でも事実は事実です。受け止めなければなりません。

人生で大事なことは

私は人生全般に関して思うことがあります。一番大事なことは、将来を正しく予測することではなく、どんなことがあってもそれを正しく受け入れて、正しく対応することだと思うのです。

それともうひとつ。起きてしまったことの理由は後付けのこじつけの理由であり、正しい理由とは限らないということです。

今回の急激な円高だって、いろいろな人が理由を語っていますが、それが分かっていたのなら、なぜ先に言わなかったのかと思うのです。こじつけなのです。こじつけなら誰でも言えます。

だから、今後似たような条件が揃ったとしても、同じ結果になるとは限らないと思います。



具体論

さて、一般論はそのくらいにして、具体論に入ります。

配当を目的にした米国株の長期投資をする上で、なるべく安く買うことはそこそこ重要です。安く買えばそれだけ多くの株が買え、配当も多くなるからです。

その時に2つの要素が重要になります。

ひとつはドルが安い時に円をドルに換えておくこと。もうひとつは目的の米国株が安い時に買うことです。

今回質問メールを送ってくれた人(以下質問者様)は、今のドル相場から見ると、ドルが比較的高い時に性急にドルを買って米国の食品などのディフェンシブ株を買ったことを後悔しているようです。

しかし

しかし、ドルは下がりましたが、米国の食品などのディフェンシブ株は逆に上がっているはずです。私のポートフォリオはすべてディフェンシブ株ですが、この1ヶ月でけっこう上がりましたし、暴落だと言われているこの3、4日も毎日1%くらいずつ値上がりしています。

ドルも安く、株価も安い時に買えれば一番良いのですが、そんなことは滅多にありません。

ドルは高くなってしまいましたが、株は安い時に買えたはずですから、それで良いのではないでしょうか。



もうひとつ

それともうひとつ。

タイミングを考えすぎて買うのを躊躇したら、なかなか買えず、その間配当ももらえません。

だから、迷うなら買ったほうが良いと思います。

結果としてそれが裏目に出て、今回のようにもう少し待てばドルが安く買えたとか、買った後に株が値下がりすることもあるでしょう。

でもそれは結果論です。それに長い目で見れば、例えば5年とか10年というスパンで見れば、多少の損はすべて回収可能なのです。配当が入ってくるからです。

それで、私は「なるべく安く買うことはそこそこ重要」と述べたのです。

もっと大事なことは

なるべく早く買って長く持ち続けることのほうがずっと重要です。買ったら最後、滅多なことでは売らずに忍耐してずっと持ち続けることのほうが大事なのですなのです。

株式長期投資には忍耐が必要です。多くの人はそれができなくて長期投資を断念するのです。迷いが一番良くないのです。

私はペプシコが100ドル未満の時に躊躇して買わず、100ドルを越えてからさらに躊躇して、結局120ドルくらいでしびれを切らして買いました。

その後、ペプシコの株価は110ドルまで下がりました。その時はたいへん後悔しました。私はやっぱり株には向いてないのかなと思ったりもしました。

しかしそのあと私はどうしたか。気を取り直して110ドルでペプシコ株を果敢に買ったのです。

今はペプシコの株価は170ドルです。120ドルで買ったことなどまったく気にしていません。長い目で見ればそんなものです。その後6年間で貰ったペプシコの配当は1株に付き25ドルくらいです。損はなにもしていないのです。

仮にペプシコの株価が今後下がったとしても、ペプシコ株は死ぬまで売る気がないのでまったく損だとは思いません。そのうちに累積配当だけで元はとれるはずです。



為替相場も似たようなもの

為替の上がり下がりだって同じようなものです。今は160円から140円台までドルが下がりました。でも、もっと前は100円の時もあったのです。逆に200円の時もあったのです。どの時と比べるかで、高い安いは変わるのです。

今は円高ですが、私が買った1ドル100円の時に比べると、ずいぶんな円安なのです。

私だったら

今の質問者様の状況が私だったら、今はドルが比較的安いので、どんどんドルを買います。そして目的の米国株が少しでも安くなったら果敢に買い足します。

若いのですから株を長い間持っていれば、きっと全てうまくいくと思います。

私だったらです。判断は人それぞれです。保証もできませんし、責任もとれません。



気になること

ひとつ気になるのは、質問者様は本気で配当目的の米国株長期投資を考えているかということです。

質問のいくつかを見ると、株価の値上がりを狙った売買益にも興味がありそうに見受けられます。

もしそうなら私は何も回答できません。なぜなら私は株の値上がりはまったく狙ってないからです。その投資法に懲りて、配当狙いの長期投資一筋に切り替えたのです。キャピタルゲインを少しでも狙っているなら、その道の専門家に質問してください。私は専門外です。

だから、質問2には答えられません。

老婆心ながら

それと老婆心ながら、質問者様の気持ちが後ろ向きなのが気になります。

言葉尻をとらえるようで恐縮ですが、

「アメリカ経済がハードランディングするような気がしてなりません」

「今後は円高と米国株安のダブルパンチが来るのではないか」

「将来、早期リタイアなどで米国株で配当金生活をするうえでは、どうしても為替リスク(円高の進行)が気になってしまいます」

これらはすべてマイナスの予想です。前述のように予想は当たりません。マイナスの予想も当たりません。



心の持ちよう

心の持ちように関して助言を求められたので言いますが、心配しすぎだと思います。もっと前向きに考えたほうがいいです。

株式投資には当然リスクがあります。いろいろなことが心配でリスクを背負えないなら、株式投資をやめて貯金か、せいぜい国債あたりに投資したほうがいいです。あるいは持ち金の一部のみを株式投資に使うとか。

私は28歳で独立開業し、30年間経営者でしたから、リスクには慣れています。

会社経営のリスクに比べたら、上場株への投資など、なんのリスクにも感じません。会社経営なら元手以上の債務を負い、命もかかります。でも上場株投資なら最悪元手が無くなるだけです。それ以上の債務は負わないし、命まではかかりません。まったく楽なもんです。

なにもしないで配当が貰えるのですから。気の毒にすら思います。

そのへんの心の持ちようも人それぞれですからなんとも言えません。なんとも言えませんが、質問者様はちょっと心配しすぎだと思います。

私なら、どうせ想像するなら、悲観的な想像よりもバラ色の想像をします。

悲観論者とはあまり付き合わないほうがいい

人は他人の影響を受けるので、悲観論者とはあまり付き合わないほうがいいかもしれません。

私の配当も日本円に換算すると急激な円高でずいぶん減りましたが、全然気にしていません。

なぜなら、今すぐドルを円に替えて生活費に当てるわけではないからです。今は貰った配当をすべて米国株に再投資しています。貰ったドルでドル資産を買っているのです。だから、円安も円高も関係ないのです。

それが関係してくるのは2年後です。私が配当を円経由でタイバーツに替えてタイで生活費として使う時です。今は貯金を崩してタイの生活費に充てていますが、2年後からは配当に手を付けようと思っています。

そんな時のことまで心配していられません。たとえ対ドルで円が高くなっても、対タイバーツで安くなるかもしれませんし。

配当が多くなれば、どの通貨に換算しても多くなる

ただ、ドルでの配当が多くなればなるほど、円に換算してもタイバーツに換算しても多くなるのは確かなのです。1ドルより100ドル、100ドルより1000ドルのほうが、どの貨幣に両替しても多いに決まってます。だから今はせっせと再投資して株数を増やしているのです。

円高により私の円換算総資産評価額もかなり減ったかもしれません。でも計算すらしていません。売るつもりの無い資産なので評価額を見る必要もないのです。

だから私はなんの心配もしていません。心配するとしたら持ち株各企業の業績だけです。

米国経済は思っている以上に力強い

米国経済は思っている以上に力強いですよ。人口も日本ほど減っていません。まだまだ発展の余地があります。

それに米国に本社を持つ多国籍企業の経営者たちは優秀です。ガバナンスもしっかりしています。たとえ米国経済がハードランディングしても、私が持っているような会社は潰れません。業績が一時的に下がったとしても、すぐに回復します。

私はそう信じています。

そう信じているから米国企業に出資しているのです。私は出資者であり企業のオーナーなのです。

そこを信じられないなら、また、そんな気持ちになれないなら、米国株長期投資はやめたほうがいいです。

ましてやキャピタルゲイン狙いはもっとリスクが高いので、質問者様には向かないと思います。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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