かぶとたいぞうです。
パタヤは今朝も穏やかです。時折涼しい風が吹いて気持ちいいです。
今朝はご飯と味噌汁を炊いて、札幌から持ってきた大葉の醤油漬けを頂きました。美味しかったです。
大葉の醤油漬けは子供の頃を思い出させる
私は大葉の醤油漬けの、あの独特の香りを嗅ぐ度に、子供の頃を思い出します。
子供の頃は、あの独特の味や香りが嫌いでした。線香臭いというか、昔臭いというか、とにかく嫌でした。
今は懐かしい味
でも今は好きなのです。懐かしい味なのです。
私は3人兄弟のまん中です。上には3つ年上の姉がいて、下には6歳年下の弟がいます。
私は子供の頃、よく母につれられて、札幌市東区の大覚寺に行きました。
どうして大覚寺によく行ったのか
いまから思えば、どうして私だけ連れて母は大覚寺によく行ったのか。母が亡くなった今となっては聞くすべもありません。
きっと姉は小学校に入学して、弟はまだ生まれてなく、父が仕事に出た後に私を連れて行ったような気がします。私が3歳か4歳の頃でしょう。
大覚寺に行く度に泣いた
実は私は大覚寺に行く度に泣いていました。大覚寺の門には左右2体の巨大な鬼がいたからです。
怒ったような顔をした真っ赤な鬼は、今にも襲いかかってきそうで、子供の私にはそれはそれは恐ろしいものでした。いつも泣きながら母の後ろに隠れて鬼の前を通りました。
母はおじさんと話をしていた
母はいつも行くたびに、お寺の和尚さんなのか、頭の禿げたおじさんと話をしていました。私は退屈なので部屋を抜け出し、お寺の境内で遊びました。
裏のほうへ回るとお墓があり、お墓にはお花やお菓子などがお供えしてありました。
ある天気の良い暑い日
ある天気の良い暑い日、いつものように母と大覚寺へ行き、退屈なので境内で遊んでいて、またお墓のほうへ行きました。すると炎天下で腐ったお供え物やカビたお菓子などがあり、変な匂いが充満して嫌な気分になりました。
そして、真っ昼間だというのに、なんか急に恐ろしくなってきたので母がおじさんと話している部屋へ戻り、母に家に帰りたいと言いました。
一人では帰れない
母は大事な話をしているからと言って、私だけ一人家に帰るよう言いましたが、門のところにいる2体の鬼が怖くて私一人では帰れません。
結局、廊下や境内を行ったりきたりして退屈をしのぎ、母とおじさんの話が終わるのを待ちました。
大覚寺には何回も行った
そんな感じで、大覚寺には何回も行きました。そしていつも鬼の前で泣き、そのあと退屈を我慢しました。そして帰りにおじさんからよくお土産で頂いたのが、大葉の醤油漬けだったのです。
母は「ちそ」とか「ちその醤油漬け」と呼んでいました。
当時は紫蘇を大葉と呼ぶ習慣はまだなく、紫蘇も「ちそ」と呼ぶ人が多かったように思います。
子供の頃の私には
子供の頃の私には、「ちそ」は線香臭く、ちょっとカビが生えたような、恐ろしいような、大人しか分からないような、そんな味でした。
小学生か中学生の時、社会科の教科書に「金剛力士像=仁王」を学び、大覚寺にあったものの正体を知りましたが、それまで私は鬼だとばっかり思っていました。
その後引っ越ししたのもあって大覚寺にも行かなくなって、「ちそ」を食べることもなくなりました。
大人になってから食べた「大葉の醤油漬け」
だいぶ大人になってから「大葉の醤油漬け」を食べる機会があって「これだ」と思いました。「懐かしい」と思いました。
大覚寺の真っ赤な仁王像が頭によみがえり、禿げたおじさんの人の良さそうな笑い顔を思い出しました。
今では私も作っている大葉の醤油漬け
以来、私は大葉の醤油漬けを時折食べるようになり、今では札幌の我が家の庭に大量の大葉を植え、毎年大量に醤油漬けを作るようになりました。
きっと大覚寺にも当時同様の青紫蘇の畑があったのでしょう。そして醤油漬けを大量に作り、母が行く度に帰りにお土産として持たせたのでしょう。
それを私は美味しくないと思いながらも食べて、いつしか慣れたのかもしれません。
今では懐かしい味
大葉の醤油漬けは懐かしい味です。
ここパタヤにいても、一瞬にして3才児の思い出がよみがえる味と香りなのです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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