かぶとたいぞうです。
昨夜のパウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演は、至極順当な内容でした。
今まで言ってきたことと同じ内容で、全くブレていません。
趣旨を簡単に言えばこうです。
パウエル議長講演要旨
「米国は未だインフレ率が高く、まだ対策を緩めるわけにはいかない。前にも言ったように、たとえ景気を犠牲にしてでも物価上昇を抑える。ただし、7月の物価上昇率は前月並みだったし、今後の経済指標によっては利上げや金融引き締めの程度を緩めるかもしれない」
正しい認識だし、当然の判断だと思います。
大きく下がった米国株
にも関わらず、昨夜は株価が大きく下がりました。
終値の前日比は、NYダウで-3.03%、S&P500は-3.37%、ナスダックは-4.10%、かぶとたいぞうポートフォリオは-2.04%でした。
いったいどういうことでしょう。
報道が言う理由
報道はこう言っています。
「パウエル議長が利上げと金融引き締めの継続を強調したので、早期利下げへの楽観論が後退して株価が下がった」
早期利下げ論なんてあったのか?
早期利下げ論なんて聞いたことがありません。噂にも出たことがありません。
「前回、前々回と0.75%ずつ利上げしたが、次回9月は、もしかしたら0.50%程度の利上げにとどまるかもしれない。その後は0.1%程度の利上げになるかもしれない」
と言うような、利上げ幅が緩くなるかもしれないという予想は確かにありました。
早期利下げの楽観論によって今まで株価が回復していたのなら大変ショック
しかし利上げがストップするとか、ましてや利上げから利下げに転ずるなんてことは誰も言っていないし、そんなことを信じていた人がいるとはとうてい思えません。
もし、報道の言うように、早期利下げの楽観論によって今まで株価が回復していたのなら大変ショックです。
私はそうではないと思います。
何らかのパニックが起きたのでは
昨夜はパウエル議長の発言で、利上げ継続→長期金利上昇→ドル/円急上昇と言う流れになったのに、一転ドルが対円で急落しました。そしてその後また徐々にドルが上がりました。まるでジェットコースターのような上がり下がりです。
市場関係者も投機家も混乱しているのでしょう。
至極順当なパウエル発言でこんなに株価が落ちたのは、単にパニック売りにつられて下がったか、他に何か理由があるように思います。
だから来週はきっと株価が戻るような気がするのです。
パウエル議長講演の一部を引用列挙
最後にパウエル議長の講演の一部を引用列挙します。いかに常識的で順当な内容だったか分かると思います。
●記録的なインフレを抑え込むための金融引き締めをやり遂げるまでやり続けなければならない
●インフレを抑え込むには家計や企業に何らかの痛みをもたらすことになるが、それは避けられないコストだ
+
●ただ、物価の安定を取り戻すことに失敗すればもっと大きな痛みを伴うことになる
●次回(9月20日から22日)の会合では、新たに入ってくるデータや経済見通しに基づいて総合的に判断するが、大幅な利上げを継続する可能性もある
●物価の安定を回復させるには金融引き締め策を一定期間維持することが必要となる可能性が高い
+
●歴史は時期尚早な金融緩和を強く戒めている(金融引き締めをを早く終わらせて失敗した例がある)
●7月のインフレ率の低下は喜ばしいことだ。しかし、わずか1か月の改善では、インフレ低下を確信することはできない
●現在の高いインフレ率が長引けば長引くほど、国民や企業の間で将来もインフレが高止まりするという見方が定着し、さらに物価が上がってしまう悪循環に陥る
●インフレを抑制することで、経済が減速し、結果として失業率が上昇するといった危険性は、時間とともに増大してしまう
以上
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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