かぶとたいぞうです。
米国ナスダック市場のインデックスに連動して2倍のレバレッジをかけたファンド、通称「レバナス」が流行っているようです。
レバーとナスを炒めた料理のようで美味しそうですが、やめたほうがいいと思います。
私もむかし手を出して失敗した
いったい誰がそんな危ないファンドに投資するのかと思います。しかし振り返ると、私も以前はよく知らずに、そんなファンドに手を出したことがありました。
今から14〜15年前。
当時の私はまだ長期投資も米国株も知りませんでした。
長期投資を知らなかった頃の私
ただやみくもに日本の気に入った企業の株を次々と買っては短期で売り、勝ったり負けたり、どちらかと言えば損をするほうが多かったと思います。
株を単なるギャンブルとしか思っていなかったのです。
当時、個別企業の見立てに自信の無かった私は、日経平均に連動して2倍のレバレッジをかけたインデックスファンドを見つけ、投資することにしました。
日経平均に2倍にレバレッジをかけたファンドに100万円
当時は日経平均が上がっていたので、儲かる可能性が高いと踏みました。それに個別企業の業績などをいちいち調べたり分析する手間も要らず、さらにレバレッジがかかっているので、少額の投資でもソッコウで儲かると思いました。
私は2倍のレバレッジのかかった日経インデックスファンドに100万円を投資しました。
日経平均がみるみる下っていった
ところが私がファンドに投資したあと、日経平均はみるみる下がっていきました。
2倍のレバレッジがかかっていますから、日経平均が1割下れば投資額は2割減り、日経平均が2割下がれは、投資額は4割も減るのです。
レバレッジをかけたファンドは、儲かる時はソッコウで儲かりますが、損をする時もソッコウで損をするのです。
ソッコウで50万円の損
結局私は日経平均が2割5分下がり、投資額の評価残高が半分の50万円まで減った時に狼狽してすべて売りました。50万円の損失です。
「もう2度と株には手を出さない」
そう心に決めました。私がまだ40歳台半ばの頃の話です。
ベンジャミン・グレアム氏の「賢明なる投資家」に出会って投資人生が変わった
その後何年もして、私はウォーレン・バフェット氏の師匠であるベンジャミン・グレアム氏の名著「賢明なる投資家」に出会いました。
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そのおかげで私は米国株の真の長期投資家になれたのです。
現在の私の投資は「レバナス」とは真逆
現在私が行っている米国株長期投資と、「レバナス」は、同じ米国株投資でもまったく真逆の投資方法です。
私が行なっている長期投資の狙いは配当です。株価も上がれば気分はいいですが、売るつもりがないので株価が上がっても下がっても損も得もありません。
だから、しばらく株価が低迷しても、配当さえ出ていれば動じることはありません。ずっと持ち続けることができるのです。
「レバナス」に投じて株価が下がったら
いっぽうレバレッジをかけたインデックスファンドには(たいてい)配当は付きません。株価が上がるか下がるかだけが勝敗となります。
米国株は長い目で見ればこれからも上がっていくと私は信じています。しかし、株価は生き物です。上がったり下がったりします。そして、しばらくの間ずっと下がることだってあるのです。
もしナスダックが2割5分下がって、投資残高が半分になった時、落ち着いて投資を続けられる人はいったいどれくらいいるでしょう。おおかたの人はうろたえて狼狽売りするのではないでしょうか。かつての私のように。
株価下落時に株を持ち続けるには、そうとうな胆力が要る
株価が下がっていく時に、株を持ち続けるにはそうとうな胆力が要ります。
我々長期投資家は、企業への信頼、強い信念、そしてそれらを裏打ちする配当の存在があればこそ、株価低迷時にも株を手放さず持ち続けることができるのです。
「レバナス」に手を出す人に、そんな胆力があるか
ソッコウで儲けようと思って「レバナス」に手を出した人が、掛け金が半分になっても持ち続けることができるとはとうてい思えません。
運良くナスダックが上がり続ければうまく行きますが、上がるか下がるかは運次第なのです。失敗する可能性も高いのです。
「レバナス」に手を出すなら、それらをよく理解した上で
だから私は「レバナス」をおすすめできないのです。
誰が何に投資しても、各自の自由です。でも「レバナス」に手を出すのなら、その点を十分に理解した上でやったほうがいいと思います。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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