かぶとたいぞうです。
「昨日、親戚のおじさんが来て、一緒にレストランにビフテキを食いに行ったら、こんなに分厚いビフテキだった」
少し年上の悪ガキAが目を輝かせて私に言いました。人差し指と親指の間を2cmくらい開けて私に見せています。
悪ガキB
隣にいたもう一人の悪ガキBが負けずに言いました。
「オレはこのあいだ、こんな分厚いビフテキを食ったぞ」
もう一人の悪ガキBは人差し指と親指の間を3cmくらい開けて私に見せました。
悪ガキAの反論
すると最初の悪ガキAが反論しました。
「ウソだーぃ。そんな分厚いビフテキがあるわけないだろう。なぁ」
最後の「なぁ」は私に向けられたものでした。
1965年頃。高度成長期。空き地の砂場。3人の子供の他愛のない会話です。
私はビフテキを知らなかった
実はそのとき、私は恥ずかしながらビフテキというものを知りませんでした。
2人とも食べ物の話をしているのは明白でした。ただ、厚さを自慢するような食べ物は思い付きませんでした。
「分厚いカレイの煮付けかなぁ」
一瞬そう思いましたが、悪ガキAはレストランに行ったと言っているので違うような気がしました。
レストラン
「レストラン・・・」
私は一度も行ったことがありません。
「ふつうビフテキって、せいぜい厚くてもこんなもんだよな」
悪ガキAが2cmくらい開けた人差し指と親指を私に向けて私の返事を待っています。
その時、私の頭にはどういうわけかオムライスが浮かび上がりました。「レストラン」という言葉で思い付いたのはオムライスくらいしかありませんでした。サザエさんかオバQか、なんかそんなマンガで見たことがあります。
私の答え
私は自分の人差し指と親指の間を2cmくらい開けてしたり顔で言いました。
「うん、だいたいこんなもんかな」
「ほら、そうだろ。おまえが食ったのはビフテキじゃなくてトンカツじゃないのか」
悪ガキAは悪ガキBに対して勝ち誇っています。
+++
ビーフステーキ
私が初めてビーフステーキを食べたのは、それから20年後です。
札幌にもようやくロイヤルホストができて行ってみた時でした。ロイヤルホストのビフテキは厚さが1cmにも満たなくてがっかりしたことを覚えています。
なんとも恥ずかしい、懐かしい思い出です。
めでたし、めでたし。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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