かぶとたいぞうです。
今日は書くことがないから、くだらない話でお茶を濁します。
昨夜1人で酒を飲んでいて、ふと思い出した、私が中学生だった頃のお話です。
札幌、琴似、薬屋
当時、札幌の琴似に「琴似本通り交番」という交番がありました。琴似本通りと旧5号線がぶつかったところです。「くすみ書房」の入ったメシアニカビルの向かいです。
その交番の並びで、ちょっと手稲側に行った所に昔の薬屋がありました。薬局、薬店というやつです。今のドラッグストアや調剤薬局とは違い、市販薬しか売ってない小さな家族経営の薬屋です。名前は覚えていません。
ガムを噛みたくなった
当時私の家は、そこからさらに手稲側の「西町」というところでした。当時は「手稲東」という住所でしたが。
その日、私は何かの用事で琴似方面にいたのだと思いますが、ふとガムを噛みたくなり、その薬屋に入ったのです。
薬局、薬店でガムを買えた
当時はまだコンビニがなく、ガムを買うならスーパーマーケットで買うか、酒屋、一般商店で買うかでしたが、薬屋でもガムを売っていることがあったのです。
その小さな薬屋のドアを開けると、チリンチリンと鈴の音がなり、奥から小柄なオバサンが出てきました。
ガムありますか?
私は「ガムありますか」とオバサンに訪ねました。
するとオバサンは神妙な顔になり、小声で私に聞き返してきたのです。
「ゴム?」
私はオバサンが何を言っているのか分からず黙っていると、オバサンは目を細めて低い声で繰り返します。
ゴム?
「ゴム?」
「ゴム?」
オバサンの顔は私を助けるような、育むような顔でした。
「別に恥ずかしいことではないのよ」
そう言っているような顔と声でした。
私はようやくオバサンが何を言っているのか理解しました。
いや、ガムです
「いや、ガムです。チューイングガムです」
するとオバサンは急に恥ずかしそうに大笑いし、私に言いました。
「あら、ごめんなさい。ガムならこっち」
そう言ってオバサンが指し示した方向にはいろいろな種類のガムが置いてありました。私はその中からクールミントのガムを一つ買って店を出ました。
恥ずかしそうに笑うオバサン
店を出る時にオバサンの顔をもう一度見ましたが、やはり恥ずかしそうに笑っていました。
当時は性教育が盛んで、若者に避妊具を奨励していました。おそらくオバサンも若い人が臆することなく避妊具が買えるようにと、精一杯気を使っていたのでしょう。
思い出し笑い
昨夜酒を飲んでいて、ふとその時のオバサンの顔が浮かんできて笑ってしまいました。
目を細めて低い声で
「ゴム?」
「ゴム?」
と繰り返すオバサンの顔です。
ごきげんよう。
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「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
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こんにちは!
読んですぐ、まんぺい薬局の事では?!
と思いました笑 もしそうでしたら今も外観は残っています(^^)