かぶとたいぞうです。
昨夜遅く米国ではパウエルFRB議長の講演がありました。
パウエル議長は講演で次のように発言しました。
パウエル議長の講演要旨
●利上げペースの減速は理にかなう
●早ければ12月のFOMC会合(12月13~14日)で利上げ幅を縮小するかもしれない
●米経済のソフトランディング(実体経済への悪影響が最小限に抑えられる形)の可能性は十分にある
●しかしながら、インフレは依然として高すぎて、歴史は時期尚早の金融緩和に対し強く警告している
●政策金利は9月に想定していたより「いくらか高い」水準まで上昇する公算が大きい
パウエル議長の論調は今までと変わらず
パウエル議長の論調は今までとまったく変わっていません。12月のFOMCで利上げ幅が0.75%から0.5%に下がるという予想は以前からありました。
パウエル議長は利上げ幅の縮小を示唆するのと同時に、金融緩和を急ぎ過ぎると失敗するともあらためて強調しました。これは以前からも繰り返し警告していたことです。
米国金利の最終到着点(ターミナルレート)
また、今回も米国金利の最終到着点(ターミナルレート)は想定より上がる可能性に言及し、金利先高を示唆しています。
このようにパウエル議長の発言は今まで同様、順当かつ慎重なものでした。にも関わらず昨夜の米国株式市場はパウエル発言を熱狂的に好感。米国株は一気に上がりました。
昨夜の米国株の終値
昨夜の終値は前日比でNYダウが+2.18%、S&P500は+3.09%、ナスダックは+4.41%、かぶとたいぞうポートフォリオは+1.86%でした。
NYダウの終値は3万4589ドル77セントと4月21日以来の高値がつきました。
10年米国債金利が3.703%
ハイテク株、グロース株が特に上がったのは、パウエル議長の発言を受けて10年米国債金利が3.703%まで下がったからだと思います。
パウエル議長の講演内容が今まで同様に順当かつ慎重なものだったにも関わらず、なぜ昨夜の米国株は一気に上がったのか。
昨夜の米国株が一気に上がった理由
最近は、パウエル発言に先立って、FRB高官がタカ派発言を連発していました。それらタカ派発言は、パウエル議長が講演で金融引き締め姿勢を強調するための前フリだろうと市場は勘ぐっていたようです。
ところが昨夜のパウエル発言がずいぶん丸みを帯びていたので一気に歓喜したのでしょう。
あるいはパウエル講演の前半だけ聞いて、後半の厳しい部分は聞かなかったのかもしれません。
喜び過ぎ
昨夜の市場は少し喜び過ぎのように思います。
これから出てくる雇用統計など、各経済統計や指標などの内容によっては、米国株は反動で大きく下がる可能性もあるので要注意です。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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