札幌の49歳の食い逃げ女の報道記事を読んで、最初は笑って後で泣いた

かぶとたいぞうです。

4日前のHBC北海道放送のネットニュースに「食い逃げ女」の記事が載ってました。

記事のタイトルはこうです。

親子丼、ラーメン、ギョウザなどを平らげ、走って逃げる…およそ2時間後に逮捕されたのは、近所の49歳の女、所持金10円



笑ってしまった

タイトルを見た瞬間に笑ってしまいました。だって、どう見ても笑いを誘うタイトルじゃないですか。所持金10円ですよ。

私はニヤニヤしながら記事を面白おかしく読み進めました。

以下、HBC北海道放送の記事をそっくり引用させていただきます。

HBC北海道放送の記事

(ここから引用)

25日午後、札幌市南区の食堂で、親子丼、ラーメンなどを無銭飲食したとして、49歳の女が逮捕されました。

詐欺の疑いで逮捕されたのは、札幌市南区定山渓温泉西に住む49歳の自称・イラストレーターの女です。

この女は25日午後0時半ごろから40分ほどの間に、自宅近くの食堂で、料金を支払う意思も能力もないことがわかっていたにも関わらず、親子丼、ラーメンと半チャーハンのセット、それにギョウザ2人前(料金計2650円)を食べた疑いが持たれています。

警察によりますと、女は1人で店を訪れ、食後、そのまま店外に出て、走って逃げていました。

その後、70代の男性店主が車で行方を追っていたところ、付近の歩道で女を発見、警察に通報し、事件発生から2時間ほどで逮捕に至りました。

49歳の自称・イラストレーターの女は、警察が駆け付けた際、歩道上に横になっていて、容疑を認めているということですが、所持金は10円でした。

(ここまで引用)

どうです?笑っちゃいますでしょう。



よくそんなに食べたな

先ず、49歳の女性が、1人で親子丼、ラーメンと半チャーハンのセット、それにギョウザ2人前(料金計2650円)をよく食べられたなと笑っちゃいました。

その後走って逃げて、歩道で横になっていたところを警察に捕まったとは、まるでマンガです。食べ過ぎて動けなくなっちゃったのでしょうか。

食べ過ぎて動けなくなっちゃったのか

49歳の食い逃げ女:kabutotai.net

大いに笑いました。

大いに笑った後、もう一度読み返しました。

もう一度最初から読み直して泣けてきました。いろいろなことを想像したり思い出したのです。



想像して泣けてきた

定山渓温泉西には、温泉宿に務める仲居さんの宿舎やアパートがたくさんあります。保育園もあります。

いろいろな事情があって子供を抱えて住み込みで働く人もいます。ススキノや全国の歓楽街でホステスさんをやっていた人が、歳をとって仲居さんになる例も多いようです。

でも現役の仲居さんなら「まかない」があります。じゅうぶん食べれるはずです。

49歳の女はどうしてそんなにお腹が減っていたのか

49歳の女はどうしてそんなにお腹が減っていたのでしょう。仕事をやめたのでしょうか。

イラストレーターだと言っているそうですが、ただのイラストレーターなら定山渓に住む必要がありません。仲居をやめて、どこかのホテルや旅館の広告などの仕事をしていたのでしょうか。



ほんとうにお腹が空いていた

そして食べたのが、親子丼、ラーメンと半チャーハンのセット、それにギョウザ2人前。いかにも庶民的です。ほんとうにお腹が空いていたのでしょう。思いっきり食べたかったのでしょう。

どうせ無銭飲食をするなら、定山渓温泉には寿司屋だってあるだろうし、ビールだって飲めたはずです。でも食べたのは親子丼とラーメンとチャーハンと餃子でした。

ちょっとかわいそうな気もします。

店主も必死

しかし70歳代の店主は2時間もかけて女のゆくえを追いました。店主も必死だったのでしょう。

最初は走って追いかけたのかもしれません。しかし体力が続かないので店に戻り、車を出したのかもしれません。街中探したのでしょう。温泉街を何往復もしたのでしょう。これも切実で泣けてきます。



コロナさえなかったら

49歳の女もコロナ前ならどうにか自分で稼いだお金で食べることができたかもしれません。

店主もコロナ前ならお昼の時間だし、忙しくて追わなかったかもしれません。

お互いコロナで生活が一変したのです。

もう笑えません。

思い出して泣けてきた

2年半前。タイにいた時にコロナが流行りだし多くの人が職を失いました。

ホテルも飲食店も閉鎖しました。ホステスさんも従業員も、広告の仕事をしていた人も、みんな仕事を失いました。みんな困りました。



地湧の菩薩

するとパタヤの至るところに、地面から湧き出るように「炊き出し」ができました。無料のお弁当が配られました。

やっていたのは政府や自治体ではありません。民間のホテルとか近隣の店とか、会社の経営者とかアパートの大家さんとか、ボランティアの人たちでした。

私はその姿に感動して、僅かながら寄付をさせていただきました。

【関連性の高い記事】

政府も支援した

政府も遅ればせながら、職を失った人全員の銀行口座に3ヶ月分の最低生活費を振り込みました。スマホで申請すれば、遅滞なく数千バーツのお金が振り込まれました。

アパートの大家さんは家賃を下げてくれたり、家賃を待ってくれました。

日本はちがいます。



日本は冷たい

民間も政府も貧乏な人に冷たいです。「自業自得」だと言い、「自己責任」だと突き放します。

アパートの大家さんは家賃を滞納したら追い出します。

給付金は詐欺の温床になっています。

政府が責任逃れのために「自己責任」と言うのは分かりますが、一般人まで政府の尻馬に乗って「自己責任」と言うのです。

コロナは自己責任ではありません。

+++

食べきれない

私の家には今、キューリとトマトがふんだんにあります。庭で採れすぎて困っています。とても食べきれません。

今もミニトマトを食べながらブログを書いていますが、さすがに毎日毎日ミニトマトばかり食べて飽きてきました。

49歳の女がそんなにお腹が空いていたのなら、このミニトマトとキューリをあげたかったです。

私の手料理で良ければ、ラーメンでも餃子でも食べさせてあげたかったです。外食はできませんが、手料理ぐらいならできます。



他にも困っている人はいるはず

その49歳の女でなくてもいいです。世の中には食べることができずに困っている人が他にもいるはずです。私の近所にもいるかもしれません。

でも、もし私の近所に困った人がいても、きっと助けを求めないでしょう。他人に助けを乞うことはしないでしょう。人に迷惑をかけたくないと思うでしょう。恥ずかしいと思うでしょう。

こちらから声をかけても

そしてこちらから声をかけても逃げるでしょう。下手をすればストーカーだと言われるでしょう。心を閉ざしているからです。心を閉ざす原因もあったはずです。何回も何回もあったはずです。人を信じられなくなっているのです。アプローチしてくる人は全て怪しい人なのです。

かくして困った人、貧しい人は孤立して、コンビニ強盗をするか、自殺をするしかなくなるのです。

日本はそんな国になってしまったのです。

どうすれば

私はありがたいことに困っていません。お金も、贅沢さえしなければなんとかなります。神様仏様に感謝しています。

人のことをかまっている余裕はありませんが、こんなニュースを読むと、どうにかならないかなぁ、と思います。

自分では何もできませんが、映画「子供食堂」みたいなことをやっている人がいたら、できる範囲で協力したいです。ご連絡ください。

札幌市内なら野菜を持って行きます。

ごきげんよう。


【関連性の高い記事】



【かぶとたいぞう有料ノート】

この記事があなたのお役に立った場合、下の「いいね!」をクリックして頂けると、たいへんはげみになります。

【あわせて読みたい】


同じカテゴリーの最新記事5件


「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。


記事のカテゴリー/タグ情報

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*