かぶとたいぞうです。
米国のバイデン大統領は、富裕層からより多くの税金を取って社会に還元するために「キャピタルゲイン(資産売却益)増税」案を可決させようと計画しています。
キャピタルゲイン増税で得た税金は、育児や教育支援などを柱とする新たな経済対策「米国家族計画」の財源とするようです。
キャピタルゲイン税率を20%から39.6%に倍増
増税案では、年間所得が100万ドルを超える富裕層のキャピタルゲイン税率を現行の20%から39.6%に引き上げるとしています。
ちなみに日本は株の売却益も配当も税率は20%です。
この増税案が通るかどうかはまだ分かりませんが、仮に通れば、米国には一定以上の所得に課せられる純投資所得税(NIIT)3.8%の上乗があるので、その場合、株売却益の合計税率は43.4%になります。
また、州や地域によっては独自のキャピタルゲイン税を別途徴収するので、ニューヨーク市やカリフォルニア州などでは合計税率が50%を超える場合が出てきそうです。
キャピタルゲイン増税は売却益が対象
ここで重要なのは、キャピタルゲイン、つまり株を売った時の値上がり分に対する増税であり、配当にかかる増税は含まれないということです。
たとえは100ドルで買った株が2倍の200ドルで売った場合、差額の100ドルに対して39.6ドル税金を取られるのです。
売って利益がある場合以外は対象にならない
保有税ではないので持っているだけで売らなければ税金はかかりません。また売ったとしても、買った時より安く売ったなら「ゲイン」がないので税金はかかりません。
配当は「キャピタルゲイン」ではなく「インカムゲイン」なので、税率は現状のままです。
キャピタルゲイン増税は配当狙いの長期投資家にはなんの影響もない
つまり私のような配当狙いの長期投資家にはなんの影響もないということなのです。
逆に株の値上がりを狙って売買を繰り返すタイプの投資家にはキツイ増税になります。
裕福層には長期投資家が多いので、あまり影響がないようにも思いますが、安い時に買って長年保有した株を手放すときには税金をうんと取られることになります。
キャピタルゲイン増税が可決されればグロース株は下がる
もしこの増税案が可決しそうになったら、富裕層は現在保有している株のうち値上がりした株を全て一回手放す行動に出るかもしれません。
例えば4倍になったテスラの株をそのまま持っていたら、売るときに40%以上取られるので手元に残るお金は半分くらいになってしまいます。
しかし一回売って20%の税金を払ってから買い戻せば、法案成立後に売っても売却益が少ないので税金は少しで済むはずです。
そうなると頭のいい金持ちがこぞって上がった株を売るので、いわゆるグロース株は全部値下がりするでしょう。
キャピタルゲイン増税が可決されればバリュー株、高配当株は上がる
そして、この機会にバリュー株への長期投資、配当狙いの長期投資に乗り換える人がたくさん出てきてバリュー株、高配当株が一気に上がるでしょう。
私は最初から配当狙いのバリュー株長期投資ですからなんの影響見ないし、むしろ私にとって有利な展開になります。
どうなるかまだ分からないが
キャピタルゲイン増税案がはたして可決されるのかどうか、また税率は原案通り39.6%のままなのか。まだどうなるかさっぱり分かりませんが、一つのケースとして頭の中に入れておく必要があると思います。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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