かぶとたいぞうです。
今朝起きてみると、本ブログの読者のかたから次の質問メールが届いていました。お名前はいちおう伏字で隠しました。
このようなご質問をいただくのは大変ありがたいことです。ブログで取り上げるネタになるからです。
結論
このようなことを説明する際、多くの人はまず税制について説明し、続いて一般口座と特定口座の違いを説明するでしょう。私は結論から書きます。
すべて「特定口座、源泉あり」で買うことを強くおすすめします。
私はそうしています。また、一生米国株を持ち続ける場合でも、短期取引でも、あるいは日本株の取引でも、どんな取引でも「特定口座、源泉あり」を強くおすすめします。
理由
「特定口座」にすると、証券会社が「年間取引報告書」というものを作って送ってくれます(ダウンロード、郵送とも)。
「年間取引報告書」は1年間の株の損益(売買、配当)をすべて網羅して計算したものです。これさえあれば、自分で損益を計算する必要がなく、納税が楽になります。
いっぽう、「一般口座」の場合は、証券会社は「年間取引報告書」を作ってくれません。
よって、納税の際に、自分でエクセルなどを用いて「年間取引報告書」のようなものを作らなければなりません。
基データは証券会社のWEBサイトで照会したりダウンロードしたりできますが、表にまとめるのは大変です。
売買の利益計算には買った時と売った時の株価のみならず、その時の為替レートの記録も必要です。日本円に換算する必要があるからです。しかし、何年も前に買った株式だと、証券会社にデータが残ってない場合があるので、自分で購入時の計算書を保存しておく必要があります。たいへんな労力です。
「一生米国株を持ち続ける」人はそもそも株式を売買しないのでどちらでもいいようですが、長い一生の間に
- 現金が必要になってやむなく株を少し売る
- 銘柄の選択が間違っていたことに気づいて処分する
- 選択した銘柄に見切りをつけて処分する
などの事情も発生するかもしれません。そうなると、買った時の古いデータを引っ張り出してきて自分で売買益をきっちりと計算するのは大変です。「特定口座」にしておけば憂いなしです。
次に「源泉あり」「源泉なし」の件ですが、「一生米国株を持ち続ける」場合はそもそも株式を売買しないので、「源泉あり」でも「源泉なし」でもどちらでもいいです。でも、前述の通り万が一売る時もあります。その場合やはり「源泉あり」のほうが楽です。
「源泉あり」にすると、株式売買時に利益が出たら証券会社が源泉徴収をしてくれます。還付金が無いのであればそのまま確定申告する必要はありません。
他の収入との兼ね合いで還付金が期待できる場合でも、「源泉あり」にしておいて先に源泉徴収してもらい、後で確定申告で還付請求することも可能です。私は毎年この方法で「源泉あり」→確定申告で還付金を請求しています。
逆に「源泉なし」にすると売買時の利益を後で自分で確定申告し、納税しなければなりません。
要は先に税金を払うか、後で払うかです。私は税金は先に払って、必要ならあとで確定申告で払い戻してもらう(還付金)ほうが気が楽です。
経過
私は最初、「特定口座」「一般口座」「源泉あり」「源泉なし」の違いをよく理解せずに、マネックス証券に「一般口座」をつくり米国株を始めました。
米国株取引を始めて1年が経ち、確定申告の時期がやって来ました。このとき初めて「一般口座」にしたために自分で売買益をすべて計算しなければならないことを知りました。
買った時の株価、その時の為替レートと手数料、売った時の株価と手数料。エクセルで計算書を作るのにまる1日かかりました。たいへんでした。
マネックス証券に電話をして「一般口座」を「特定口座」に変更できないか尋ねたら、途中からの変更はできないとの回答でした。
どうしても「一般口座」の株式を「特定口座」に変えたいなら、あらたに「特定口座」をつくり、「一般口座」に入っている株式をすべて売り、「特定口座」で買い戻すしかないと言うのです。
手数料分だけ損ですが、しかたなく私はそうすることにしました。
どうせだからついでだと思い、その機会にSBI証券に「特定口座」「源泉あり」を作り、すべての株式をSBI証券で買い戻しました。
今から思えば、「特定口座」「一般口座」「源泉あり」「源泉なし」の違いをよく理解してから株取引を始めれば良かったと思います。
以上、参考になりましたら幸いです。
ごきげんよう。
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「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
記事のカテゴリー/タグ情報
いま、まさに同じことが起きています。
何も気にせず、米国株を漁って買っていたら、一般口座になっていることに気づきました。
慌てて、特定口座 源泉ありを作り直したのですが、どのようにして株を移動しようか
悩んでいます。
一般口座の場合は、年間20万円まで非課税とのことなので、20万以下の利益になるまで
待って、一般口座で今後は取引することを考えております。
もしくは、一旦売って買い戻すにしても、外貨決済にすれば、そのまま為替手数料なし
に買い戻せるかなとも思ってますが、その時は、特定口座の損益が分からなくなって
しまうので、複雑になるのかとも思ってます。
一般口座で20万以下の利益(今は含み損ですが)が今年中になればよいですが、また
年をまたぐのも面倒ですし。。。
といろいろ考えておりますが、アドバイスいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
かぶとたいぞうです。コメントありがとうございます。
一般口座を持っていると基本的には毎年自分で損益(売買と配当)を一覧表にまとめて確定申告しなければなりません。
それに関わる時間とエネるるギーのロスを考えると、多少損をしても早めに特定口座にまとめた方が得だと思います。
私の場合はいろいろ考えた結果、一般口座の株を直ちにすべて売りました。そしてタイミングをみながら少しずつ特定口座で買い戻しました。
以来スッキリで、確定申告のときも証券会社が発行するペーパー1枚ですべて済んでいます。
損をしてでも早めに一般口座分をすべて売ることをおすすめします。今は下がり局面なのでそれ程損はしないと思います。
ご返事ありがとうございます。
昨日、すべて一般口座を売り払ってしまいました。
手数料考えてもちょっとだけプラスになってしまいましたが、
その後、さらに上がった為、買い戻すのが勿体ない気持ちになってます。
もちろん、利益は20万以下ですが、このような場合も確定申告が必要ですか?
大分軽くなって、気持ちもハレバレではありますが、どうやって買いなおすか
計画中です。
よろしくお願いいたします。
今のところは株売買の利益が20万円以下でも、特定口座の方の株も売って合計利益が20万円を超えたら申告しなければならなくなる可能性があります。詳しくは税理士などに聞いてください。