かぶとたいぞうです。
タイの政権が大きく揺れています。タイは政権が代わるごとに政策も法律も大きく変わる国なので注意が必要です。
観光政策も入国管理のルールもすべて変わります
大麻政策も変わる
娯楽用大麻の扱いも政権に大きく左右されます。
今日はタイの政権争いと娯楽用大麻の扱いについて簡単にまとめました。枝葉をすべて切り落として主要な幹だけ残した説明なので分かりやすい分、語弊もあるかも知れません。
ざっくり言うとこんな流れです。
タイの政治と大麻の扱い
タイ王国で大麻の合法化を進めてきたのは、タイ誇り党(プームチャイタイ党)です。現党首はアヌティン。革新政党で非エリート、大衆路線の政党です。
現政権はタクシン元首相の次女ペートンタン首相が率いる貢献党です。もともと娯楽用大麻には反対しています。
タイ誇り党と貢献党とは、現首相の父であるタクシンの時代から仲が悪かったです。2008年の政権転覆時の因縁があります。
連立政権の樹立
しかし、2023年に貢献党は連立政権を発足させ、2024年8月にはペートンタンが首相になりました。タイ誇り党も連立に加わっています。政治の駆け引きです。
ペートンタンが首相になってからタイでは、たびたび大麻販売禁止の噂が立ちましたが、タイ誇り党が阻止していました。
タイの上下両院を合わせた全750議席のうち、下院では72議席に過ぎなかった誇り党系が現在上下両院合計では220~230議席と最大政党となっています。続いて前進党系が168議席。現政権である貢献党系は150議席と第3党にとどまります。次期総選挙でも誇り党がトップになる可能性があります。
タイ誇り党が連立から離脱
ペートンタン首相の貢献党はタイ誇り党と連立していたからこそ政権を維持していました。
しかし、今年、2025年6月18日にペートンタンが国境問題を抱えるカンボジアのフン・セン前首相と電話会談した内容がリークされ、その内容に反発してタイ誇り党が連立政権から離脱しました。
電話の内容には、フン・セン前首相を「叔父さんと」と呼んだり、タイ軍の司令官を軽視するような発言が含まれていたそうです。
娯楽用大麻をいきなり禁止
タイ誇り党が離脱して弱体化した貢献党は、2025年6月24日、だしぬけに娯楽用大麻をいきなり禁止する政策を発表し、タイ保健省は同日夜、娯楽目的の大麻販売を禁止し、小売店での購入の際には医師の処方箋の提示を義務付ける命令を発布しました。
しかし、その一方で、2025年6月28日にはペートンタン首相の辞任を求めるデモが行なわれ、バンコクでは1万7000人が参加したようです。
辞任を求める主な理由は、カンボジアとの国境問題でペートンタン首相が弱腰なのと、軍部を批判したことですが、大麻の販売禁止に反対する業界関係者もいるだろうと思います。
これがタイの大麻をめぐる政治事情の骨組みです。
今後
今後どうなるか。それは私にも分かりません。
流れから言うと現政権は衰退するはずです。しかし先のことは誰にも分からないのです。現首相もその父タクシンも結構な資産家でエリートです。金力も権力も人脈も実力もあります。
ただ、タイでは軍部が大きな力を持っています。今回の電話内容のリークで軍部はペートンタン首相を苦々しく思ったと思います。
また、タイでは元老院も国王も力を持っています。
だから複雑なのです。
様子を見るしかないのです。
ただ、タイ誇り党が力を増せば、タイの大麻は安泰でしょうね。
「娯楽用」とは言うけれど
米国なんて今はほとんどの州で「娯楽用」大麻が解禁されているのです。医療用と違って医師の処方箋が必要ないので、その分入手コストが安くなり、患者も喜んでいるのです。
大麻反対派は「娯楽用」と呼んでいますが、実態は処方箋が不要な市販薬としての解禁なのです。中には娯楽のために大麻を吸っている人もいますが、深刻な病気を抱えている患者にとっては、処方箋なしで買える大麻は救いなのです。安いからです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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