かぶとたいぞうです。
このあいだ知人と話していると、「米国株の配当をどうやって受け取って、どうやってタイバーツに替えるのか」という素朴な質問をいただきました。
私はブログのタイトル通り、「米国株をやりながらタイで暮らす」を実践していますから、私にとっては、なんら不思議ではないことです。
でも、やったことのない人にはさっぱり分からないことなのかもしれません。
米国株のドル配当をタイバーツに替えるまで
そこで今日は受け取った米国株の配当をどのようにタイバーツまで替えるのか、ひとつひとつ説明します。
私が米国株取引に使っているのはSBI証券です。日本の証券会社で、日本に居住している人しか使えません。
日本の居住者とは
私はタイには頻繁に来るし、長期滞在することもありますが、基本的に日本に居住し、日本に住所があり、住民票もあり、北海道と札幌市に住民税を収めています。
ちなみに国税庁による居住者の定義は次のとおりです。
国税庁による居住者の定義
- 我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。
- 「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。
私は日本の居住者
私は札幌の住所に本人名義で住宅を所有し、「個人の生活の本拠」としています。隣近所との交流も深く、夏には畑で野菜を作って生活しているので、「客観的」に見ても、居住が「事実」だと周りの人が証言してくれます。
だから私は日本の居住者なのです。
タイは旅行先
タイは旅行先です。今住んでいるアパートは厳密には住所ではなく居所です。
旅行の最中に日本の証券会社で取引をしてもなんら問題はありません。それを禁止したら、株をやる者は一切海外旅行には行けなくなります。
SBI証券の外貨出金
さて、本題に戻ります。
SBI証券で保有する米国株の配当は、SBI証券の外国株口座にドルで振り込まれます。
私は振り込まれたドルで米国株を買い足して再投資しますが、生活費が足りなくなると、一部をSBIネット銀行に外貨出金します。手数料は無料で、すぐにSBIネット銀行の米ドル普通預金口座に移動されます。
言うまでもないことですが、事前にSBIネット銀行の口座を作っておかなければなりません。
SBIネット銀行でドルから円に
SBIネット銀行の米ドル普通預金口座に移っても、まだドルのままですから、為替リスクは生じません。ドルがどんどん下がったら、円に替えるのを待ったり、SBI証券に戻す(手数料無料)ことも可能です。
たいていはドルが高くなったタイミングでSBIネット銀行の米ドル普通預金口座から同じSBIネット銀行の円普通預金口座に振り替えます。実際にはドルを売って円に替え、円普通預金口座に入金されるのですが、あまりにも簡単で瞬間的に終わるので、その時のレートで振り替えたくらいにしか思いません。
円からタイバーツに
SBIネット銀行の円普通預金口座に入っちゃえば、日本にいる時ならカードでおろして使えますが、タイにいる時は、日本円の現金はおろせません。
SBIネット銀行のカードはVISA付きの国際デビットカードなので、クレジットカード同様にタイでも決済に使ったり現金を引き出せますが、手数料がかなり高いです。他のクレジットカードを使ってSBIネット銀行から引き落とすことも可能ですが、私はタイではクレジットカードを使いません。やっぱり現金が使いやすいです。
Wise
そこで、Wise(旧トランスファー・ワイズ)の出番です。
円/タイバーツのレートを見て、タイバーツの安い時に円をタイバーツに替えてタイの銀行(私の場合はカシコンバンク)に振り込むのです。
Wiseも事前にアカウントを取得しておかなければなりません。
それとタイの銀行の口座も予め作っておいて、Wiseに登録しておきます。
あっという間にカシコンバンクへ
Wiseに送金依頼すると振り込み口座(日本の銀行の日本の口座)が表示されるので、SBIネット銀行からネットバンキングで振り込みます。これはタイにいてもできます。SBIネット銀行のランクによりますが、ある程度のランクならば振り込み手数料は無料です。
早い時なら、Wiseに依頼してSBIネット銀行から円を振り込んだ10分後にはカシコンバンクの口座にタイバーツが振り込まれます。
難しいのはタイミングだけ
操作はどれも簡単です。スマホで全てできます。難しいのはタイミングだけです。
先日、1ドルが136円まで上がったタイミングでドルを円に替え、少し待って1タイバーツが3.85円まで下がったタイミングでWiseで円をタイバーツに替えてカシコンバンクに送金しました。うまく行った例です。一連の操作で2,000バーツくらい儲かりました。
でも逆に損をすることもあります。
いつかそのうちに米ドルから直接タイバーツに交換できたり、仮想通貨や国際クレジットがもっと普及して、もっと簡単に世界中でお金が使えるようになると思いますが、それまでは我慢です。
コツ
コツは少し預金や現金に余裕を持つことです。生活費が無くなるギリギリまで放置せずに、1ヶ月くらいは生活できるよう余裕を持って現金を持っていれば有利なレートになるまで安心して待てます。
タイに長期滞在する予定の方の参考になれば幸いです。
法令遵守
ちなみに、基本的にタイ在住が1年の半分を超え、タイに住民票を移したなら、日本の証券会社の口座は全て解約してタイの証券会社に株を移し、タイに税金を払わなければなりません。
該当する可能性のある人は外国税に詳しい税理士やタイの日本大使館などに相談して適法に対処してください。
それと、法律や条例などはしょっちゅう変わるので、常に確認してください。
タイの銀行口座
あと、このブログを読み返していて気づいたのですが、現在一番ハードルが高いのはタイの銀行口座を作ることかもしれません。
カシコンバンクの口座なんて、昔は簡単に作れたのですが、今は至難の業らしいです。
タイの銀行口座を持ってない人は
どうしてもタイの銀行口座を所有できない人は、日本にいる時にSBIネット銀行から日本円で現金をおろしてタイに持ってきて、街中の両替所でタイバーツに替えるのが現実的かもしれません。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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