かぶとたいぞうです。
株価も為替相場も予測はできません。だから私も予想や予測に基づいた投資判断はしないようにしています。
しかし、円が今後も下がってゆくことは、もう予測の範囲を超えた既成事実になっているのではないでしょうか。
ただ、その進度、速度は分からないのです。
昨年の秋から円安の傾向はあった
私は昨年の10月くらいから円安を警戒し始め、今年の1月くらいには円が急激に下がっていくことを確信したので、米国株投資用の資金はすべてドルに換えておきました。1ドル平均112円で買いました。
現在は1ドル125円なので、換えておいて正解でした。
もっと急激に円安になると思っていた
しかし、私の見込みでは、今ごろはもうとっくに130ドルを越えているはずでした。それがまだ125円なのですから、実際の円安の進み具合は一進一退。一気には行かないのです。
それで「1ドル130円くらいまでは次第に下がるだろう」と言っているのです。時期は分かりません。
円はいま、世界中の通貨に対して下がっている
円は今、対ドルで下がっているだけではありません。世界中のすべての通貨に対して下がっているのです。
言ってみれば円は世界中から売り浴びせられて下がっているのです。袋叩きです。
どうして円だけが下がっているのか
なぜか。
理由は明白です。世界中がインフレで金利を上げているのに日本だけは金利を上げず、しかも上げないと明言しているからです。
日本は長期金利が上がりそうになると、日銀が指し値オペまでして長期金利の上昇を阻止するのです。執念としか言えません。
日銀は円安歓迎
「円安は国益にかなう」「円安は日本経済にとってプラスである」「だから金利は絶対に上げない」「国内の物価上昇率はまだ目標の2%に届いていない」
黒田総裁は円安になって物価が上がることに、まさに執念を燃やしています。
円安になれば物価が上がる。物価が上がって金利を抑えれば政府は儲かる
物価が上がって金利を低く押さえれば借金をしている人ほど得をするからです。日本で一番借金をしているのは政府だからです。逆に一番損をするのは、物価が上がっても預金に金利がつかない庶民です。
このように金利が世界中で一番低い日本円は売り浴びせられて当然です。下がっていく理由は単純です。
しかし、円が構造的に下がっていく原因が他にもあります。
エネルギー資源の高騰
いま世界中で一番上がっているのは石油やガスなどのエネルギー資源です。原油価格はロシアのウクライナ侵略以前から上がっていたのに、ウクライナ戦争によって更に上がりました。
それらのエネルギー資源を一番持っていないのが日本なのです。日本はエネルギー資源が世界一不足している国なのです。国内に資源がないので輸入しなければなりません。日本は資源高によって経済発展に悪影響を受けやすい国であり、円は経済の先行きが不安な国の通貨なのです。
少子高齢化
また、日本は世界で一番急激に少子高齢化が進んでいる国でもあります。
若者が少なく、ジジイとババアばかりの国なのです。社会にも産業にも活気がなく、革新的な変化が期待できない国です。
円はそんな力強い発展が期待できない国の通貨でもあるのです。
円は見捨てられた通貨
そんなこんなで、円は少しずつ世界から見捨てられていっているような気がします。
昔は「リスク回避の円」と言われ、戦争や経済の混乱時には円が上がっていました。
今はどうでしょう。ウクライナで戦争は起きているし、新型コロナはまだ収束していません。サプライチェーンの混乱もあったりで、まさに経済の混乱時です。そんな時に円が下がっているのです。
みんな円を売ってドルを買っている
金利の付かないお金を持っているより、金利が付くお金を持っているほうが得なのは誰でも分かります。
経済発展があまり望めない国の通貨より、力強く経済が発展する国の通貨のほうが上がることは誰でも分かります。
だからみんな円を売ってドルを買うのです。日本でも米ドル預金をしている人はたくさんいます。
私も多少は円を持っているが
私はいま日本で暮らしていて、ものを買うには円が必要だから多少は円を持っています。何かあった時のためにと思って少し多めに持っています。
でも、もし買い物をドルで支払うことができるなら、そして公共料金などもドル口座からの引き落としが可能なら、持ち金をすべてドルにしておいてもいいと思っています。
これから先は分からないが
ただ、世の中は複雑です。国際為替は貿易の決済にも影響を受けるし、機関投資家の判断にも影響を受けます。他にもいろいろな要素があって単純にはいかないのです。
為替が正確に予想できるなら、誰だってFXで巨万の富を築けます。
円が上がっていくことだってあり得る
だからここで私が言っていることも、まったく間違っているかもしれません。今後どんどん円が上がっていき、とうとう1ドル100円に達するなんてことがあってもおかしくはないのです。
なにか新しい画期的な技術や商品を開発する人が現れて、世界に受け入れられる一大産業となり、日本経済が一気に回復することだってないとは限りません。むしろそうあってほしいと願います。
でも、なにか番狂わせがない限り、円は下がっていくでしょう。これは予測でも予想でもなく、自然なことだと思います。
ごきげんよう。
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「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
記事のカテゴリー/タグ情報
かぶとたいぞう様
いつも拝読しています。コロナ規制が解かれ始めた海外へ今年こそは行きたいのに、円安では躊躇ってしまいます。東日本大震災のときに急激な円高になりましたが、再び似たような災害が起きて今度は円安に振れたとしたら、もう本当に「日本売り」の円安トレンドは不可逆になりそうですね。
カズヒロ様
まったく同感です。
私はまだタイの銀行に多少の預金があるからいいですが、日本円を持ってタイに行くとしたら、タイの物価自体も上がっているのに、そのうえ円安で、きっと楽しめないと思います。
それでなくても日本人の海外旅行者が減ってきているのに、円安で更に減るような気がします。