かぶとたいぞうです。
もし読者のみなさんが、株に投資して老後の資産運用をしようとしているのなら、株価が2倍にも3倍にもなるかもしれないような株をけっして買ってはなりません。
なぜなら、株価が2倍にも3倍にもなるかもしれない株というのは、逆に株価が半分にも3分の1にもなるかもしれない株だからです。
株価が10倍にもなる株の実態
世の中には株価が10倍に化けるかもしれない株もあります。マリファナ製造大手、オーロラ・カンナビス(ACB)もそんな株の1つでした。
カナダで、そして米国の各州で医療用の大麻と娯楽用の大麻がどんどん解禁になる中、大麻(マリファナ)市場は儲かるとふんだ投資家(厳密には投機家)がカナダの大麻メーカー、オーロラ・カンナビスをどんどん買い込みました。
実際に10ドル以下の株が120ドルに化けた
当初10ドル以下だったオーロラ・カンナビスの株価はまたたく間に20ドル、30ドルと上がっていきました。それを見た多くの投機家が遅れを取るまいと、こぞってオーロラ・カンナビスを買ったので、株価はとうとう120ドルまで上がりました。
まだまだ上がると信じて120ドルくらいで買った人もいたはずです。
その後、オーロラ・カンナビスの株価はどうなったのか。
オーロラ・カンナビス、この5年間の株価チャート
一時4ドルまで下がり、今は少し回復して7ドル前後です。
資産を10倍にした人、資産を10分の1にした人
確かに10ドルで買った人は、1時は株価が120ドルにまで跳ね上がり、その人の資産は12倍になりました。
しかし10ドルで買って120ドルで売った人がいったいどれだけいるでしょうか。
逆に120ドルで買って4ドルで売った人もいるはずです。
そんな人は今ごろ「もう株はやめた」と言っているのではないでしょうか。
マリファナ市場は確かに将来性があるが
マリファナ市場は確かに将来性があります。私も注目している市場の一つです。
しかし、オーロラ・カンナビスの株はあまりにも人気が上がりすぎました。企業の実力以上の株価になってしまったのだと思います。
オーロラ・カンナビスは配当を出していない
オーロラ・カンナビスはこの3年間〜5年間、大きく株価を上げてその後下げましたから、長く持っている人はそれほど損も得もしていないのかもしれません。
しかし、その間オーロラ・カンナビスは一度も配当を出していません。利益が出てないからです。
大きく上がると期待されている会社は、たいてい配当を出しません。
ペプシコやプロクター・アンド・ギャンブルのほうがいい
そんなギャンブルをやるくらいなら、ペプシコやプロクター・アンド・ギャンブルのような配当を出す手堅い会社の株を買うほうがずっといいです。
それらの企業は株価はそれほど大きく上がらないかもしれません。しかし配当を毎年しっかり出します。
老後資金を投じるなら儲かる株より、長期安定した株
「どの株が上がるか」とか、「どの株が儲かるか」と聞いてくる人が時々います。しかし、老後資金を長期で運用するなら、儲かる株より、長期安定した株をおすすめします。
安定した企業は株価は上がらないかもしれないけど、毎年、毎期、配当をしっかり出します。たとえ配当率が低くても増配する会社であれば、そのうち実質配当率は上がっていきます。
長期投資は堅実に
老後資金の運用にはそんな長期安定した、配当をしっかり出す会社の株をおすすめします。
もしギャンブルをやりたいなら、別枠で金額の上限を決めて遊びでやればいいです。
あくまでも余裕資金の範囲でやらなければなりませんが、前述のオーロラ・カンナビスとか、同業のキャノピー・グロース(CGC)なんかは、株価が落ち着いた今頃が買い時かもしれません。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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