かぶとたいぞうです。
先日のキャンプで、札幌から中山峠を経て洞爺湖に向かう道中での出来事です。
私はバイクで定山渓の手前の片側2車線の見通しの良い直線道路の左車線の左側を、時速約60kmで走行しておりました。
風の強い日だった
その日は風が強く、時折突風で1mも右側に流されるので、なるべく道路の左寄りを用心して走っていました。
片側2車線の広い道路ですから、私のバイクを追い越す車は右車線を通るはずです。だから後ろは全く警戒せず前だけを見て慎重に運転していました。
私のすぐ右に突然車が
すると突然私の右側スレスレに1台の車が音もなく接近し、ギリギリに私のバイクを追い越していったのです。私の右腕とその車のボディとの距離は10センチくらいだったと思います。
驚いた私はとっさに左の路肩に逃げてやり過ごしましたが、その車が私の前方を走るのを見て腹が立ってきました。
私はその車を追いかけた
私はクラクションをしばらく鳴らしながらその車を追跡しました。
3ナンバーのやや高級な白い車でした。ナンバーの下4桁を憶えました。
その車は速度を上げて逃げました。私は必死に追いましたが、風が強く、高速運転は危険なのでそれ以上追うことができませんでした。
信号で追いつくかもしれない
でも、もう少し行くと、定山渓の入り口に信号があります。そこで追いつくことができるかもしれません。捕まえて何か一言言ってやりたい。私はできるだけ速度を上げて追いかけました。
私が定山渓の信号に着いたとき、信号がちょうど青に変わってその車は走り出しました。
中山峠
その後は峠道です。もう追いつくことはないでしょう。
でも、もしかしたら、その車は中山峠のドライブインで休憩するかもしれません。
私は心の中でその人に言ってやりたいことをまとめました。
危険運転のドライバーに言ってやりたいこと
- どうしてそんな危険な運転をするのか、2輪を怖がらせて楽しいのか
- 自動車は2輪を保護しなければならないことを知っているか
- あなたのようなドライバーがいるから2輪の運転手は怖くなる、そして煽られないようにとスピードを出す
相手がどんな人であろうと、あくまでも丁重な言葉遣いで、理詰めで責めてやろうと思いました。そして相手が私を威嚇したり暴力を奮ったら警察に連絡しようと思いました。
中山峠の駐車場に
中山峠に到着してすぐに、駐車場に停まっている車のナンバープレートを次々に見ました。そして、とうとう私が記憶したナンバーの白い車を見つけました。
私はその車の前にバイクを停めて、車の持ち主が現れるのをじっと待ちました。
そこそこの高級車です。暴力団風の男かもしれません。それでも言いたいことを言ってやろうと決意しました。
そこに現れたのは
しばらくすると70歳ぐらいの痩せた老人が缶コーヒーを片手にその車に寄ってきました。
その老人は私と私のバイクを見ると、明らかに動揺したような顔で立ち止まりました。
「この車はあなたのですか?」
私が聞くと老人はうろたえたような表情で答えました。
「はいそうです」
私のバイクを煽った老人
私のバイクをスレスレに煽った犯人はなんとヨレヨレの老人だったのです。
「あなたはどうしてわたしのバイクをスレスレに追い越したのですか?危ないでしょう」
私がそう言うと、老人はこう答えました。
「すみません。でも、わざとではないです」
人格が変わる老獪なジジイなのか
私は老人の目の奥を覗き込みました。
この老人は、車に乗ると自分を優位に感じ、2輪を怖がらせて喜んでいるジジイなのだろうか。そのくせ咎められたらその場を逃れようと老獪に振る舞っているのか。
池袋暴走運転事件の老人を思い浮かべました。
それとも、ただの劣った老人なのか
あるいは、ただ単に動体視力が衰え、2輪との安全距離が分からなくなっているジジイなのか。
私は確かめるためにもう一つ質問をしました。
「追い越すならなぜ右車線を使わなかったのか」
老人の答えはこうでした。
老人の答え
「バイクを追い越そうと思って右車線に出ようとしたら、右車線にもあなたのバイクと並走している車があった。あなたのバイクが道路の左寄りを走っていたから、間を抜けられると思った」
私はその行為がいかに危険か、私がどれだけ恐ろしい思いをしたか、など、時間をかけてコンコンと話して聞かせました。
謝るばかりの老人
老人はただただ謝るばかりでした。これ以上言っても仕方がないと思って切り上げました。
「今度から気をつけてください」
老人は深く頭を下げ、その場に立ち尽くしていたので、もういいから行ってくれと言って行かせました。
老人の正体
その老人は本当はどんな男なのか。
車に乗ると人格が変わる老獪なジジイなのか。あるいはただの劣った老人なのか。
結局最後まで分かりませんでした。
老人に伝わったか
しかし危険な運転をしたら追いかけてきて説教する人もいることは分かったと思います。
私は最後まで冷静な態度と丁寧な言葉遣いで、しかも言いたいことをしっかり言えたのでスッキリしましたが、老人に伝わったかどうかは分かりません。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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こんにちは。
最近の記事は、自慢話や他人への不平不満・怒りで読んいて目を背けたくなる時があります。
パタヤにいた頃は、友人達との長閑でほのぼのした交流や情景でしたのに至極残念です。
私もまだ達観した境地には至らないですが…。
オオツカヒロシ様
かぶとたいぞうです。
貴重なご意見ありがとうございます。
考えるヒントを頂きました。少し考えてみます。