かぶとたいぞうです。
米国のリセッションは近いのか
米国のリセッションが近いとか、米中貿易摩擦の泥沼化で米国株が下がるとか、いろいろなことが言われています。でもなかなか下がりません。
もしかしたら、このまま暴落などせず、ずっと上がり続けるかもしれない、という気持ちが心をかすめます。
私は2年前から米国株式の暴落を待っていました。株価が思いっきり下がったら一気に買おうと狙っていました。今も狙っています。
しかし、最近はふと「暴落なんて無いかもしれない」「米国株はこのままずっと上がり続ける可能性もある」と思うことがあるのです。
米国株がこのまま上がり続ける可能性
株価は相場だから多少の上がり下がりはあるでしょう。しかし、平均すると、このままずっと上がり続ける可能性があります。なぜ、そんなことを思うのか。根拠となるお話をします。
私が狙っているような米国の安定した多国籍企業は、どんどん自社株買いをしています。市場に出回っている株数がどんどん減っています。それら優良企業はキャッシュフローが豊富で安定しているので、増資をする可能性はまったくありません。投資家が売り買いできる株式数は減る一方なのです。
その上、私を含めて安定優良株の株主は長期投資、バイ&ホールドの方針の人が多いから、買うだけで売りません。よって売りに出る株数がさらに減っていくのです。
自社株買いで発行済み株式数を減らしている優良企業
米国の一部の優良企業の売買可能株数は確実に減ってきているのではないでしょうか。
私が今保有し、今後も買い足しを狙っている株式、すなわち、
- ペプシコ(PEP)
- ゼネラル・ミルズ(GIS)
- フィリップモリス(PM)
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
- アッヴィ(AVVB)
- ロッキード・マーチン(LMT)
- ラスベガス・サンズ(LVS)
などは、どんどん株数を減らしています。これはその会社のオーナーになれる人の数が減ってきていることを意味します。プレイヤーが減っていると言ってもいいかもしれません。
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一部の投資家が世界の富を独占する過程
優良多国籍企業の売買可能な株数が減ると言うことは、一部の優良企業の株式を少数のオーナーが独占していく過程であり、言いかえれば、一部の投資家が世界の富を独占する過程とも言えるのです。
現在は全世界的に「持てる者と持たざる者」の格差が広がっています。そのうちに優良企業の株価が高くなりすぎて、一般の人が買えなくなる日が来るかもしれません。
今後ますますAIやロボットが社会に進出します。労働によってお金を得ることが難しくなっていく中、優良企業の株を持つ一握りの資本家がますます富を牛耳る世の中になっていくかもしれません。
米国に上場している優秀な多国籍企業が世界の市場を独占しています。そして充分な資金力を利用して世界の各地でAIとロボットを積極的に導入しています。それにより現場で働く人の仕事が減ってきています。
巨大企業は人件費コストを削って利益を増やしたぶん株主に還元します。言わば、労働者の賃金を削って株主に回しているのです。
巨大になりすぎた優良多国籍企業
地域の中小ベンチャー企業はどんなにあがいても資本力の充実した優良多国籍企業には勝てません。各国の老舗中堅企業も吸収されて消えていきます。富はますます巨大な多国籍企業に集まり、その株主だけが富の還元を受けるのです。
その構造をいち早く知った者たちは、優良多国籍企業への投資に殺到します。現在の資本主義の構造を知ったものから順番に優良多国籍企業への投資を進めます。そしてその結果、優良多国籍企業の株価は上がるいっぽうになる。という図式です。
今までとは時代が変わったのです。資本主義は行き着くところまで来てしまったのです。巨大な多国籍企業への富の一極集中が、もう逆転不可能なレベルにまで達してしまったのです。
ただし、ハイテク産業はまだ分からない
AI、ロボット、インターネット技術などが優良多国籍企業への富の集中とそれらの株主への富の集中を加速度的に進めるのは間違いありません。
しかし、それらを担うハイテク企業そのものは、まだまだ競争が激しい業界なので誰が勝者になるのか予想がつきません。
グーグルもアマゾンも、フェイスブックもアップルも超巨大企業です。まさに優良多国籍企業です。しかしまだまだどうなるか分かりません。いきなり倒産するかもしれません。競争相手が新星のごとく現れる可能性があるのです。成長産業だからです。
だから私はハイテク株に投資しようとは思わないのです。
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狙い目は地味な安定産業のガリバー
私がここで言っている優良企業とは、すでに競争が終わり、勝負が付いて、巨大企業が全世界の市場をほぼ独占しているような安定業種の企業のことです。
成長はしていないが、世の中に無くてはならない業種であり、世の中から絶対になくならない産業です。100年後も残っている産業です。
AIやロボットやインターネットは100年後には無くなっているかもしれません。残っていたとしても今とは大きく変わっているかもしれません。それは現在、蒸気機関で動く工作機械や汽車が残っていないのを見ても分かります。
技術は大きく変わりますが、食品や日用品などの地味な分野は100年経ってもそれほど変わらないのです。
たとえば、私が持っているペプシコのフリトレーというスナックは、米国でも中南米でも、アジアでもヨーロッパでもアフリカでも、世界中のどこにでも売っています。地元のスナック菓子より値段が安く、そこそこ売れています。100年後も残っている可能性が高いです。
フィリップモリスのタバコや電子タバコもそうです。タバコの世界に新規参入するベンチャー企業はもうありません。タバコ産業自体は衰退産業ですが、喫煙者は全世界に安定的に存在します。競争があまりないので利益が出ます。100年後もたばこを吸う人はいるでしょう。タバコはドラッグなのでやめられないのです。
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それら安定産業あるいは衰退産業、飽和産業で勝者になり、すでに安定した利益を出し続けている企業は今後もずっと安定した利益を出し続けて株主に還元してくれそうな気がします。眼の付け所のいい資本家は、こぞってそのような企業の株を買って長期保有するのです。
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そしてそれらの企業はどんどん自社株買いをしてオーナーの数を減らしています。少数の株主で富を独占するためです。
労働が無くなりベーシックインカムだけになる世界
AIやロボットやコンピュータ、インターネットシステムに仕事をとられて、大多数の人が職を失う未来を想像してください。
政府は「ベーシックインカム」の制度を導入して、一定の公共役務などを果たすことを条件に、1ヶ月10万円とかの生活費を国民全員に支給するかもしれません。いわば国民全員が生活保護を受けるような時代です。
その時、優良多国籍企業の株式を保有するものだけが配当による富の分配にあずかり一定レベル以上の生活ができるのです。増配、増配で配当はどんどん増えていくでしょう。
それ以外の人、つまり今まで労働のみで報酬を得ていた人は全て職を失います。そして貯金を削りながらベーシックインカムで生活をします。将来が不安で最低限の生活しかできないでしょう。
優良多国籍企業の株価が青空天井になる日
いささかSF的な話ですが、そうならないとは限りません。そのような未来を予期して、米国の株式市場に上場しているような超優良な多国籍企業に投資する人はこれからもどんどん増えるかもしれません。
いっぽう、その優良企業らは自社株買いをさらに進め、発行済み株式数をさらに減らしていき、少数支配の会社になっていくのです。
その結果、優良多国籍企業の株式が青空天井で上がってゆく世界が到来してもおかしくないのです。
そのような空想が時々ふと脳裏をかすめるのです。
そうなる前に、比較的安いタイミングをみて買っておかなければあとで後悔するような気がするのです。
いっぽう、買ったら買ったで、その直後に大暴落が来て、早まって買ったことを後悔することになるような気もします(笑)。
株はほんとうに難しいですね。
当たり前です。簡単なら誰でもすぐに億万長者になれますから。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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