かぶとたいぞうです。
私の知り合いに、流行をいちはやく取り入れた飲食店を作っては、下火になるとすぐに売る人がいます。
流行の店を作ってはすぐに売る人
その人は今までに飲食店を10件以上も開店しました。その中で、今でも残っているのは2件だけです。その2件も今は他の人が経営しています。
以前、その人に「どうして売るのか。自分で長く経営したほうが良いのではないか」と尋ねたことがありました。その人は「まだどうにか流行っているうちに売ったほうが儲かる」と答えました。
その人にとっては、「店そのものを売って儲ける」ことが大事なのです。客を大事にしたり、従業員を大事にしたりはしません。
既存の店を売って現金を作っては、次の時代の流行やトレンドをいち早く見抜き、これから流行りそうな店を人より先に作ります。そしてその店を少し経営し、下火になったらまた他人に高く売るのです。
少しでも流行が衰えてきたら、素人みたいな人を見つけて巧妙に売り抜きます。そのように次々と店を転がして徐々に手持ち現金を増やすのが好きなようです。
もっと店を大事にして若い人を育てて、各店から少しずつ何らかの報酬を得たほうが、長期的にはよほど儲かると思うのです。しかし、その人は短期的にまとまった現金を得るほうに興味があるようでした。
あれから20年。結局その人は、のべ10件以上の流行の店を作りました。そして、いずれも少しだけ経営して流行りが廃れたら売りました。
そんなことを繰り返し、一時的にはけっこうな現金を得て羽振りが良かったようです。しかし、今ではその金もほとんど手元に残っていませんし、もう歳をとり過ぎて新しい店を作る気力も体力も残っていません。
株式投資も同じ
株式投資においても似たような手法で現金を掴みたがる人がいます。
株式を大事に持っているだけで、3ヶ月に1回ずつ配当が入ってくるのに、トレンドを見て売るのです。
本人は「市場をうまく出し抜いて巧妙に売った」つもりですが、長期的に見るとそれほど儲かっていません。
売って「儲かった」と思うと、つい気がゆるみ、お金を使ってしまいます。あぶく銭は身に付かないのです。
前述の知人も同様です。店を売って儲けたお金を良い気分で使ってしまうのです。現金を追う人に共通する癖です。
株でも店でも、うまくタイミングを合わせて売り買いすれば、多少は儲かるかもしれません。しかし、長い目で見ると儲かったり損したりです。儲かった時だけ無駄遣いが増え、結局は手持ちのお金は徐々に減っていきます。ギャンブラーと同じ運命です。
株式はバイ&ホールド、オーナーの気持ち
株式は基本的には「バイ&ホールド」。買ったらずっと保有して配当を獲るのです。
株は物ではありません。経営に参加する権利です。だから値上がりとか値下がりとかを気にしないほうがいいです。
株は投資です。出資です。その会社のオーナーになるのです。その会社を他のオーナー達と一緒に育てて、利益の一部を配当として頂くのです。一緒に育てた果実を頂くのです。
自分が働かなくても、オーナーとして報酬がもらえるのです。株を手放したら元も子もありません。
米国株長期投資の心得は、自分がその会社のオーナーになった気分で、じっくり時間をかけて育てることです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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