かぶとたいぞうです。
昨夜の米国株式市場は久しぶりに大きく下げました。下げ幅は1月上旬以来の大きさでした。
ダウ平均は-1.77%、S&P500は-1.90%、NASDAQは-2.50%も下げました。
ここのところ米国株は連日上がっていましたので、これくらいの下がりは下がったうちには入りません。しかし、市場では何かが起こりつつあるようです。
恐怖指数(VIX)が急上昇
というのは、恐怖指数と呼ばれているVIX指数が、ここのところ急激に上がっているからです。恐怖指数は経済に不安・恐怖を感じる人が増えれば上がります。下はここ5日間の恐怖指数の変化です。
恐怖指数が急激に上がるというのは、何かに怯えているということです。いったい何に怯えているのでしょう。
米国の長短金利が逆転(逆イールド)
米国が利上げをストップしたことで、2~3日前からドルが下がっています。それにともなって、米国の長短金利が逆転しました。長短金利の逆転は景気後退(リセッション)入りの兆候と言われています。
米国の長期金利の指標となる10年物の米国債利回りが一時2.42%まで下がりました。
今後、金利がもっと下がると思えば、金利の高い時に発行された期間の長い既発債に人気が集まります。長期債の値が上がると金利は下がります。いっぽう短期債は2.46%程度で変わりません。
一般的に長期債のほうが短期債よりも金利が高いのに、逆に低くなっているのです。この逆転現象(逆イールド)が起きると景気が後退すると言われているのです。
長短金利逆転はリーマンショック直前以来
長短金利の逆転は2007年8月以来11年半ぶりです。2007年8月と言えば、嫌でも2008年のリーマンショックを思い出します。前回、長短金利の逆転が起こった後にリーマンショックが起きたのです。市場関係者なら誰でも不安になるでしょう。
加えて、最近発表された米国製造業の指標があまり良くありませんでした。悪い情報が重なると不安になるものです。
欧州の経済指標も悪化しています。日本の経済指標も悪化し景気判定も後退しました。世界同時不況を心配する声が出始めています。それらの要因により恐怖指数が急上昇したのです。
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しかし、米国株が下がったと言ってもまだまだ高値水準です。下はこの3ヶ月間のダウ平均です。
ダウ平均は昨年12月あたりを底に、この3ヶ月間一本調子で上がってきました。昨夜の下がりは下がりのうちには入りません。
今まで順調に上がってきた米国株がちょと下がっただけなのです。
気分で米国株暴落もあり得る
でも相場は気分の影響を受けます。長短金利逆転という不吉な現象が起こり、同時にいくつかの経済指標も悪化し、恐怖指数が上がり、多くの関係者が先行き不安を感じている今、株価が一気に暴落することもあります。
米国株を大量買い増しするつもりの私としては米国株の値下がりもドル安も大歓迎です。
願わくば、米国株もドルも、もっともっと下がって欲しいです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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