かぶとたいぞうです。
かつて1株20ドルだったある会社の株が、100ドルまで上がったとします。
さて、この後この株の値動きはどうなると思いますか?
- 更に上がっていく
- 上がりすぎたので下がる
将来の株価の動きは分からない
答えは私にも分かりません。上がり続けることもあるでしょうし、下がりに転じることもあるでしょう。
良い会社なら株価が上がります。それは真実です。しかし、いくら良い会社でも株価が上がりすぎればその後は下がって調整します。
株が上がるか下がるかは誰にも分からない
20ドルの株が80ドルまで値が上がるのは順当だとしても、その後100ドルまで上がるのは上がり過ぎだった、と考える人が多ければ反動で80ドルくらいまで下がるでしょう。勢い70ドルまで下がるかもしれません。株価というのは必要以上に大きく振れることが多いです。
いや、100ドルではまだ足りない、もっともっと上がって然るべきだと思う人が多ければ上がるでしょう。
株の過去の値動きと今後の値動きには何らの関係性も法則もない
つまり過去の値動きとは全く関係なく、需要と供給、あるいはその時の人気で今後の株価は決まるのです。だから過去の値動きがどうであれ、株価が今後どうなるかは誰にも分かりません。
では、2日連続で下がった株が3日目には上がると言う理論は正しいでしょうか。
2日連続で下がった株は3日目に上がるか
ある株が、100ドルから95ドルまで下がり、翌日も90ドルまで下がったとします。2日連続下がったのだから3日目は上がる確率が高いでしょうか。
そんなことはありません。過去の値動きと将来の値動きには何らの関係性も法則性も無いのです。
過去の統計に法則性を見出そうとしても無駄
たとえ過去の何万の事例を統計的に計算してそのような傾向を見つけたとしても、それは過去のことです。将来にはなんの影響も与えません。
かつて多くの人がモンテカルロの博打場で膨大な出目を記録して、何らかの法則性を見つけようとしましたが徒労に終わりました。
膨大な出目記録によって計算した(後にモンテカルロ法と呼ぶ)確率も、数学で解いた確率もほぼ同じだったのです。また、出目には特別な周期とか偏りは見い出せませんでした。
過去の天気と明日の天気にも関係性はない
過去10年間の天気のデータを集計した結果、日曜日に晴れたのは45%だったからといって、次の日曜日は天気が良くないと考えるのは間違いです。
たまたま過去のデータがそうだっただけで、将来の天気とはなんの関わりも無いのです。
「こじつけの統計学」
それなのに昔からこのような「こじつけの統計学」を用いた似非理論は後を絶たないのです。
競馬の出目表、宝くじの過去の当たり売り場などもそうです。
ルーレットで1の目が出る周期が38回に一回だとしても、38回間隔で1の目が出るわけではありません。1の目が2回連続出ることもあれば、100回まわしても1の目が来ない時もあるのです。
「テクニカル分析」
株の世界にも「テクニカル分析」みたいなものがありますが、バフェット氏の師匠でもあるベンジャミン・グレアム氏が一刀両断しています。
「株価のグラフを分析して今後を予測するあらゆる手法は全て当たらない。ただし、その手法を取り入れている人が多ければ、価格にその影響が及ぶことはある」
アナリストの予想は当たらない
また、グレアム氏はこうも言っています。
「多くの人はタイミングで株を買ったり売ったりする。アナリストはタイミングを予測する。これらは当たらないし失敗する」
それなのに株価を予想したり予想手法を売る人たち
株の神様と言われている人たちが口を揃えて「株価は予想できない」「有効な将来分析手法はない」と言っているのです。
にも関わらず、株価を予想したり、予想手法を売ろうとしている人たちがいます。どんな人たちなのか説明するまでもないですよね。
株価が予想できるなら、誰だって一夜にして億万長者になれるはず
そもそも株価の値動きが予想できるなら、誰だって一夜にして億万長者になれるはずです。そんな人がわざわざ予想を教えたり、予想のしかたを人に教えて金儲けしようなんて思いますか?
予想屋は競馬の「コーチ屋」と一緒です。当たればタカり、外れたら逃げるのです。
私がグロース株投資からバリュー株長期投資に転向した理由
昨日私は「【読者からの質問】私がグロース株投資からバリュー株長期投資に転向した理由」というタイトルの記事を投稿しました。
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私は予想に頼らないバリュー株長期投資で行く
その中で「私の予想が当たらない」と説明しましたが、本当は誰も予想などできないのです。老婆心ながら付け加えた次第です。
私はこれからも株価予想に頼らず、上がっても下がっても気にしないバリュー株長期投資で行きます。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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