かぶとたいぞうです。
米中貿易戦争がますます激しくなってきました。報復合戦が続くなか、今後いったいどうなるのか、行方が気になるところです。
米中貿易戦争は米国が断然有利
結論から言うと、この戦争は米国に有利です。このまま突き進むと、ほぼ間違いなく米国が勝利するでしょう。
中国の米国からの製品輸入額は1500億ドルです。いっぽう、米国の中国からの製品輸入額は5000億ドル以上もあります。米国のほうがより多く中国からものを買っているのです。
中国人が米国製品を買う理由は、米国製品にブランド力があるからです。いっぽう、米国人が中国製品を買う理由は、中国製品が安いからです。中国製品は安いから売れているのであって関税をかけて高くすれば売れなくなります。
中国で米国製品を買うのは中国の富裕層です。少しぐらい高くなっても欲しければ買える層です。いっぽう、米国で中国製品を買うのは中流以下の層です。少しでも高くなると買いません。
報復合戦の第1弾、第2弾は双方同規模の応酬でしたが、第3弾になって差が出てきました。つまり、中国が600億ドル相当の米国製品に関税をかけたのに対し、米国は3倍以上の2000億ドル相当の中国製品に関税をかけました。
ここにきて攻撃力に差が出てきたと思いきや、もともとの対外輸入額が3倍以上ちがうのだから当然です。
第4弾の応酬があれば、米国は残り全ての製品に関税をかけるでしょう。その額は2670億ドル。いっぽう、中国はもともと米国からの輸入額が少ないので、残りは400億ドルしかありません。攻撃力は6倍以上になります。
中国 | 米国 | |
対外輸入額 | 1500億ドル | 5000億ドル |
買う理由 | ブランド力 | 安いから |
買う人 | 富裕層 | 中流以下 |
第3弾 | 600億ドル | 2000億ドル |
第4弾? | 400億ドル | 2670億ドル |
一覧表示を見ると明らかですね。このまま貿易戦争を進めれば断然米国が有利です。
どこまで行くのか貿易戦争、結末と影響
中国が降参しない限り米国はどこまでも攻撃します。トランプはそういう人です。
第4弾でも中国が対抗すれば、米国は関税率をもっと引き上げるでしょう。どこまでもです。そのうちに100%になってもおかしくないです。100%と言えば2倍です。米国で売られている中国製品が全て2倍になったら米国人は誰も中国製品を買いません。
中国もメンツをかけて応酬するかもしれません、同じく米国からの輸入製品に全て100%の関税をかけるでしょう。
そうなるとトランプ大統領は周辺国も巻き込みます。同盟国に呼びかけて中国製品に高率関税をかけさせるでしょう。日本にも迫ってくると思います。韓国、イスラエル、イギリス、フランス、オーストラリアあたりが米国と足並みをそろえると思います。これらの国は全て中国製品に100%くらいの関税をかけるかもしれません。
いっぽう中国もロシアを中心に同盟を結び対抗するかもしれません。
こうなるともう新たな冷戦体制です。経済にも外交にも国防にも影響が出てきます。
米国がここまで中国をたたく経緯と理由をわかりやすく解説
米国は今まで中国を擁護して市場を育ててきました。中国には14億人という大きな市場があるからです。資本も入れ、技術供与もしてきました。
しかし、中国は独自に「一帯一路構想」で米国外しを企て、AIIB(アジアインフラ投資銀行)でドル基軸通貨体制に挑戦しようとしました。
中国は今まで、いいだけ米国から資本と知識と技術をもらって、その果実は独り占めしようとしているのです。米国にすれば裏切られた思いです。もう許せません。
だから米国は徹底的に中国をたたく構えです。妥協はないと思います。米国はそういう国です。トランプはその急先鋒です。
今のところそれほど大きな影響は出ていませんが、米中貿易戦争は世界経済の新たな火種になりかねません。注視しましょう。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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