原油価格がマイナスとは、どういう意味なのか、買えば金がもらえるのか

かぶとたいぞうです。

原油価格が下がりに下がって、とうとうマイナスになってしまいました。



原油価格がマイナスと言うことは

原油価格がマイナスということは、原油を買えばお金をもらえると言うことです。一体どうしてそんなことになってしまったのでしょうか。

世界のエネルギー消費現場が止まったから

答えは武漢コロナの影響で世界の工場が止まったからです。建築・建設・土木現場も止まりました。原油を原料とする重油やコールタールが売れません。

人々が自粛しているのでガソリンの需要も減っていると思います。人口の多い北半球が暖かくなったので灯油も売れません。



先物取引市場だけの問題ではない

原油価格がマイナスになったのは先物取引市場であり、実体経済と関係ないようなことを言う人がいます。しかし、先物取引は期限が来れば現物取引となります。

先物で買い注文を入れれば、期限までに売らない限り期日に現物を引き取らなければなりません。原油が上がると予想して先物買いに手を出した人は今ごろ慌てているでしょう。今は誰も原油を買わないから期限が来たら本当に引き取らなければならなくなります。

原油を保管する場所が無い

何百トン何千トンもの原油を引き取るということはどういうことなのか。原油を備蓄するタンクとか洋上のタンカーを借りて原油を保管するということです。

ところが世の中には原油が余っていてタンクもタンカーも満タンです。フル稼働です。もうストックする場所はないのです。それで原油の保管料が跳ね上がっているのです。



高い保管料を支払うくらいなら現金を付けて売ったほうがいい

現物を引き取って高い保管料を払うくらいならマイナスでもいいので売ったほうがマシです。つまり買ってくれる人に保管料相当額を支払ってでも現物を引き取ってもらいたいのです。

かくして原油のマイナス価格が生まれたのです。

石油関係は長期取引が基本なので取引を中断できない

実際、石油精製会社もガソリンスタンドも長期契約で次々と原油やガソリン、灯油を仕入れていますが、需要がないのでさばききれません。

保管スペースがなく、タンクのレンタル代に莫大な費用がかかっているはずです。今後も次々と原油が入ってきます。でも売れません。もうストック場所がなくなったガソリンスタンドや灯油会社はどうするのか。



余った石油はタダで配るしか方法はない

最初は電力会社や公共施設、病院、農協漁協、大手食品会社、自衛隊などに無料提供するのだと思います。でもその程度ではさばききれません。余った分は民間にタダで配るのではないでしょうか。捨てると公害を生み出し社会問題になります。処理するにはもっとお金がかかります。

ガソリンを50リットル以上入れてくれたら無料とか、70リットル以上で1000円進呈とか。そんなガソリンスタンドが出てきてもおかしくありません。備蓄用タンクの建設費やレンタル料より安く済みます。

灯油もそのうち無料に

北海道など寒冷地の一軒家には灯油のホームタンクが各家にあります。暖房とボイラー用です。札幌の我が家にも灯油が500リットル入るタンクがあります。

灯油価格が高い時は、よく灯油泥棒が流行ったものです。灯油が1リットル100円なら1タンクで5万円になります。

このまま原油価格のマイナスが大きくなれば、そのうち灯油も一定以上の量ならタダで、もしくはさらに量が多ければ現金プレゼントを付けて配られるかもしれません。夢のような話です。



業者はがめついので時間がかかる

業者はがめついので、しばらくは灯油価格もガソリン価格も高止まりでしょう。しかしどこかがやり出すと一斉に無料配布するはずです。それまで辛抱強く待ちましょう。

原油を精製して灯油にしてタダで配ったほうがタンクやタンカーなどの保管料よりずっと安いのです。業者もそのことをよく知っているのです。ガソリンも灯油も今はそれほど必要でないので慌てることはありません。

石油はあと30年で枯渇する?

私が小学生の頃、「世界中の石油はあと30年で確実に枯渇する」と言われていました。テレビでもさんざん言っていたし、学校の先生も言っていたので、私はそうなのだと信じていました。

あれから50年経ちましたが石油はまったく枯渇しておりません。枯渇しないどころか益々石油依存の社会となり、石油は増産につぐ増産、石油のない社会など考えられなくなりました。



コロナで需要が減るといきなり余りだした石油

今回のコロナ騒動で世界のエネルギー需要が激減すると石油が余って余って仕方ありません。

石油業界はこんな日が来るとは思わなかったので、絶対に「油断」(文字通り石油を切らすこと)してはならないと、長期買い付け契約をしています。需要が減ったので仕入れを減らすなんてことはできないのです。売れなくても仕入れなければならないのです。だから余計に余ります。

コロナ禍が続く限り原油価格は下る

コロナ禍が続く限り原油も石油もしばらくはマイナス価格が続くでしょう。

もともと石油は豊富にあって駆け引きだけで値段が上がったり下がったりしていただけなのです。だから需要が無くなると価格は下がるしかありません。

原油の減産が定着して、現在の備蓄量が減るまではマイナス価格が続くと思います。

当面はお金をもらってガソリンを入れたり灯油を補充することができるかもしれません。

石油業界は今まで儲けすぎたので、この機会に庶民に還元すればいいのです。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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