かぶとたいぞうです。
安部政権はむりやりインフレに誘導しようとしています。理由は簡単です。インフレが起きると、国の借金が消えるからです。
インフレになれば国の借金が消える
たとえば、毎年3%ずつ物価が上がっていけば、複利計算で24年後には物価が2倍になります。物価が2倍になっても借金の額面金額が同じなら、借金の実質価値は半分になります。つまり労せず借金を半分返したのと同じことになるのです。
現在国の借金は1000兆円を超えています。その半分、500兆円をまともに返すのは至難の業なのですが、インフレを起こせば難なく借金がふっ飛ぶのです。
インフレになれば国民の生活が困窮します。安部政権は公務員の給与を上げ、経団連に頼んで大企業で働く社員の給与も上げようとしています。物価が上がっても給与も同時に上がれば問題ないからです。しかし、中小企業の社員は給与が上がらないのではないでしょうか。
インフレになるともっとも困窮するのは年金受給者です。インフレになっても年金受給額は増えないでしょう。むしろ何だかんだと理由をつけて削られるかもしれません。今後は医療費も高騰するでしょう。インフレになって一番困窮するのは年金で生活する高齢者だと思います。
10月に予定通り上げる消費税は何のため?
今年の10月、安部政権は予定通り消費税を10%に上げると言っています。そして、「消費税を上げた分、ポイントなどで全て国民に還元する」と言っています。
消費税増税分を国民に還元するなら、最初から消費税を上げなければいいのではないか。多くの人がそう感じています。消費税を上げたら、絶対に不景気になると多くの専門家も言っています。
大反対を押し切ってまで無理やり消費税を上げるのはなぜか。理由は簡単。消費税を上げるとそのぶん物価が上がるからです。しゃにむにインフレにしたいのです。
安部政権の一貫した政策=インフレ誘導
これまで阿部政権のやっていることは、良くも悪くも終始一貫していました。全てインフレに持ち込んで国の借金をふっとばす作戦です。
- 円安に誘導して輸入品の値段を高くする
- 消費税を上げて物価を上げる
- 公務員の給与を上げる
- 大企業の給与を上げる
- 財政再建には手を付けない(インフレで減るから)
ところがここにきて1つだけ矛盾する政策が生まれました、外国人労働者の受け入れです。
外国人労働者の受け入れはデフレを誘発する
少子高齢化問題に手をつけてこなかったツケで、日本はとうとう労働力不足に陥ってしまいました。特に、飲食店や物販店、医療、介護、運輸など現場関係の分野では人がまったく足りません。
かくなるうえは外国人に頼るしかなくなり、政府は重い腰を上げて外国人労働者受け入れ法案を通しました。しかし、賃金の安い外国人が日本に入ってくれば、日本人の賃金も下がります。賃金が下がれば物価も下がる方向へ進むので、今までのインフレ作戦はすべてぶち壊しになります。だから、外国人を安く使ってはならない、少なくとも日本人と同じ給与で雇いなさいと言っているのです。
グローバル経済は賃金を下げる方向に動いている
でも、経済はそうはいきません。そもそもグローバル化とは安い賃金を求めて国境を越える事なのです。企業経営者は安い労働力を求めて外国人を使うのです。そうしなければ国際競争に勝てないのです。決して日本人と同じ給与で外国人を使おうとはしません。
「同一労働同一賃金」で日本人の賃金は下がる
「同一労働、同一賃金」が徹底されれば、外国人労働者の賃金が日本人並みに統一されるのではなく、日本人の賃金が外国人労働者並みに下がって統一されると思います。賃金の下支えの根拠は最低賃金法しかありません。つまり、単純労働者の賃金は日本人も外国人も一律、最低賃金法で定める最低賃金になると思います。
公務員の給与と大企業正社員の給与だけむりやり上げても、大多数の中小企業労働者や非正規、派遣労働者、パート、アルバイトの賃金が下がれば国全体の購買力、民間需要は衰えます。
賃金が下がれば不景気になり、やがてデフレに突入する
物価が上がって購買力が下がればどうなるか。ものがまったく売れない時代に入ります。そしてそのうちに庶民の味方のディスカウントスーパーが現れ、その影響で普通のスーパーマーケットも値下げし、物価は徐々に下がります。デフレ再突入です。
グローバル化は先進国でデフレを起こします。高いものは売れなくなります。先日発表された英国の自動車販売台数の激減がそれを物語っています。
本業で筆者と親交があるニトリの似鳥昭雄会長も、「米国でデフレが進行している」と言っています。高いものが売れていないのだそうです。
日本はまじめに財政再建と少子化対策を
水の流れは逆らえないもの。自然の摂理に反する政策をいつまでもむりやり推し進めるとどこかで逆流します。
借金をテクニックで消そうとせず、財政再建と少子化対策をまじめにやらないと日本は大変なことになります。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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