かぶとたいぞうです。
私は30歳でマイホームを手に入れました。札幌市郊外に庭付きの一軒家を新築したのです。広いバルコニーが自慢でした。当時はバブルの真っ最中。かなり無理しましたが、誇らしい気持ちでした。
土地神話、不動産神話は崩れた
しかし、今から思うと無理してマイホームを手に入れることは無かったと思います。
当時は土地神話というものがありました。日本の国土は狭いので、土地は上がるいっぽうで下がることは決して無いと言われていました。
私は28歳で独立して会社を作りましたから、特に早い時期にマイホームを持ちたかったのです。土地はいざという時の資金調達の担保になるからです。当時は持ち家ぐらいなければ銀行は金を貸してくれませんでした。
あれから30年。土地神話はとっくに崩れ、現在マイホームの土地は買った時の4分の1。建物はこの30年で老朽化して、今後住むには少しずつ修繕が必要になってきています。現在の建物の資産価値はゼロです。
借家やアパートに住んだほうが安かった
約3200万円で建てた夢のマイホーム。住宅ローンを組み、25年間かけて返済した金額は延べ5千万円。
それが、現在もし売ったとしたら、せいぜい800万円にしかなりません。25年かけて支払った金額と現在価値の差は4200万円。そのぶん価値が目減りしたのです。
もし同じような立地条件、同じような大きさ、同じような間取りの借家か賃貸マンションを借りたなら、1ヶ月の家賃は7万円くらいだったと思います。
25年住んだら、
7万円×12ヶ月×25年=2100万円で済みました。
土地神話に踊らされて2倍も払わされたのです。2100万円も損をしたのです。
そんなお金があったら、若いうちから米国株に手を出すべきでした。
【関連性の高い記事】
昔は誰もがマイホームを夢みた
私が小さかった頃は高度成長期でした。所得が増えたエリートサラリーマンたちがこぞってマイホームを立てました。郊外に次々と新興住宅地が開発され、友達の家族が移っていきました。私の家はずっと借家住まいだったので彼らをうらやましく思いました。
だから自分が社会人になった時、マイホームを持つことは小さい頃からの夢であり、もっとも大きな願望の一つだったのです。
マイホームの夢は作られたイメージ
でも今から思うと、私は住宅メーカーや世の中に駆り立てられていたのかもしれません。持ち家=豊かで幸せな家庭、という作られたイメージを心に植えつけられていただけなのかもしれません。
実際には私が家を立てた住宅街では、半数以上の家庭が崩壊しています。住宅ローンを払えなくなって破綻した家、家庭崩壊して離婚した家、夜逃げした家、そして一家離散の家。無事にローンを払い終えた家は、私のところを含めてわずか数軒です。
いまでも年寄りの中には「男は自分の家を持って一人前だ」とか「マイホームを持つことは信用につながる」みたいな間違った固定概念を持っている人がいます。あるいは自分がマイホームを持っていることを自慢したいだけなのかもしれません。その影響を受けて、無理してマイホームを持とうとしている若者がいます。しかし、私は無理しないほうがいいと思います。
住宅メーカーは家を売りたいのでいろいろなことを言うかもしれませんが、マイホームなんてそれほどの価値はありません。今やステータスにもならないと思います。
借家のほうがいざとなったら引越しも簡単だし、何かあったら大家さんか管理会社にクレームを付ければいいのですから気楽なものです。
タイなどに移り住もうと思っても借家なら簡単に整理できます。
家を建てるくらいなら貯金、米国株長期投資
家を建てるくらいなら、貯金をすることをおすすめします。そして貯金がある程度たまったら米国株長期投資をおすすめします。
不動産は価値が必ず目減りしますが、株は価値が目減りするとは限りません。むしろ上がる可能性もあります。上がるか下がるかは半々だとしても、配当が確実に入ります。
これからはマイホームを持っているより、米国株を持っているほうがスマートで高いステータスにつながるのではないでしょうか。
ごきげんよう。
【関連性の高い記事】
この記事があなたのお役に立った場合、下の「いいね!」をクリックして頂けると、たいへんはげみになります。
【あわせて読みたい】
同じカテゴリーの最新記事5件
-
【トランプ関税】なんだ、やっぱり駆け引きだったのか。トランプ大統領に翻弄された5日間 -
【米国株、ドル】ますます分からなくなってきた。米国株、ドルと世界経済のゆくえ -
【株価乱高下】株価暴落、フェイクニュース、回復、乱高下、混沌。今の市場をどう見るか -
【米国株暴落】思った通り週明けの日経平均もさらに大きく下げた。今夜の米国株はどこまで下がるか -
【トランプ関税】私はトランプ関税による株価急落、ドル安をどう見ているか
「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
記事のカテゴリー/タグ情報