かぶとたいぞうです。
いささか大袈裟なタイトルですが、死ぬほど恐ろしい体験でした。
3年くらい前、タイのパタヤのとなり町、ジョムティエンで凶暴な野犬に追いかけられたのです。顔に傷のある本当に恐ろしい犬でした。
タイは今でも「生類哀れみの令」
タイには日本の江戸時代にあった「生類哀れみの令」のようなものがありまして、犬や猫、その他の動物を大事にします。だから街中に野良犬や野良猫がいます。
ところが生まれつき気性の荒い犬とか悪さをする犬は叩かれ街から追い出されます。タイではたとえ悪い犬でも仏教上の教えで殺しはしません。みんなに叩かれて追い出されるのです。そして郊外のひとけのない場所にそういうわるい犬だけが集まるのです。
犬はむかし狼だった
ところで犬はむかし狼だったそうです。それがどういうわけか人間になつく狼が現れました。そういう狼だけを掛け合わせて人間と暮らせる狼だけを残したそうです。
それでも時折人間にかかってくる凶暴な狼の子供が生まれました。そういう狼は容赦なく追放して、人間と親しめる狼だけを長い年月をかけて育てたのです。
そして人間と親しめる狼のことをいつしか犬と呼ぶようになったのだそうです。
そういう意味では、タイは今でも人間と暮らせる犬を育てているのかもしれません。
ジョムティエンを探索して遭遇した凶暴な野犬
さて、凶暴な野犬に追いかけられた話しに戻ります。
私は歩くのが好きで、暑いなか何時間でも歩きます。グーグルマップを見て面白そうなところを見つけたら歩いてみたくなります。
ジョムティエンビーチ沿いのビーチロードから一本中に入るともう一本ビーチロードに並行した道があります。いわばセカンドロードです。
その日はそのジョムティエンのセカンドロードとスクンビット大通りの間にある曲がりくねった細道を歩いてテップラシット(テパシット)通りまで行けないものかと探索していたのです。
嫌な予感のするひとけのない道
探索を開始してまもなく、嫌な予感が起こりました。そのままぐんぐん中に入っていくと道端に不法投棄されたゴミの山があって、こんなところに入ってきてしまったことを後悔しました。
でももうすでにセカンドロードからだいぶ入っており、今さら戻りたくはありません。
「こんなところで野犬に遭遇したら最悪だな」と思っていたところに、まさしく黒い野犬が現れました。
唸りながら追いかけてくる黒い野犬
私は無視してずいずいと道を進みましたが、黒い野犬は唸りながら私の後をついてきます。
いつ襲われるかとヒヤヒヤしながら、しかし冷静なふりをしてしばらく歩いていると、ふいに右の茂みの中からもう一匹の野犬が現れました。顔に傷のある野犬で、いかにも恐ろしい顔です。
前方には顔に傷がある凶暴な野犬
後ろからは黒い野犬が唸りながら迫ります。前方には顔に傷がある凶暴そうな野犬が待ち構えています。
気温33℃。照りつける太陽の中でびっしょりと冷や汗をかいて私はどうすることもできずにいました。
一瞬ですが「死ぬかもしれない」と思いました。
突如現れた軽トラック
その時、私の後方から車の音が聞こえてきました。この道を歩き始めて2時間。初めて通る車でした。
振り向くと軽トラックでした。黒い犬は軽トラックにほえています。
軽自動車が私を追い越そうとした瞬間、私は猛ダッシュで軽トラックと並行して走り出しました。
軽トラックを運転していたタイ人は、どうしたのか、という顔で私を見ながら私と並行してゆっくりと走りました。
軽自動車と並行して野犬の道を走る
しばらく軽トラックと並行して走っていると道は前方で2つに分かれていました。いっしゅん左側に民家らしきものが見えました。その奥にも建物があるような感じです。右側の道は相変わらずの荒れ地でした。
私は左の道に入りました。軽トラックは右の道を行きましたが、別れ際にニコニコ笑っているのが見えました。
左の道に入っても私は走り続けました。そして民家の近くまで来て初めて後ろを振り返ると、顔に傷のある野犬も黒い野犬もいませんでした。
助かった
やっと安心すると、どっと汗が吹き出しその場にしゃがみ込みました。
民家にかけこもうと思っていましたがもうその必要はありません。気を取り直してゆっくりと歩いていくと、しだいに建物が多くなり、小店や食堂が見えてきて、そのまま進むとセカンドロードに戻りました。
どうにか無事に戻ってこれましたが、この時ほど恐ろしかったことはありません。それ以来、タイではあまり知らない郊外の道を歩かないことにしました。
今でもたまに思い出すパタヤでの怖い思い出です。
ごきげんよう。
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「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
記事のカテゴリー/タグ情報
たいぞうさんへ
タイの野良犬と言えば、私も三度怖い体験をしました!
最初はパタヤのワットプラヤイへ行く途中のチャルームプラキアット公園の中です。
人気がない公園の奥に入ると、三方から野良犬が背中を丸めうなり声をあげてじりじりと近寄って来ました。私はゆっくりと警戒しながら後ずさりをして、やっと歩道に出て助かりました。
二度目はアーントーン県のワットムアンへ行った時に、貸自転車で小さな町の住宅地に迷い込み野良犬(番犬かも)に追いかけられました。
三度目はバンコクのワットパクナムに建設中の大仏様を見に行った帰りに、住宅地の路地裏奥に入り込んだ時に野良犬3匹に追い回されました。
余り人気がない場所、住宅地の奥などには絶対に入ってはいけないとの教訓が得られました(笑)。
ところで、先月28日に無事にタイ入国を果たし、現在は隔離ホテルで1週間が過ぎたところです。入国時の審査は何事もなく、昨日行ったPCR検査結果も陰性でした。今のホテルはアソーク近くにありますが、3度の食事が美味しくて快適に過ごせています。