かぶとたいぞうです。
日本は人口が減っているので、土地の値段は下がっていくものだと思っていました。
ここ2~3年、主要な都市の商業地だけは少し上がっていましたが、オリンピック景気の影響で一時的なものだろうと思っていました。
それが、昨日国土交通省より発表された資料によると、地方も、住宅地も含めて、日本の地価はうんと上がっているというのです。いったいどういうことなのか。
少子高齢化で人口が減っているのに地価が上がっている
「日本は少子高齢化の問題を放置してきたつけで、徐々に人口が減り、地方は過疎化し、土地の値段は下がるいっぽう。今後も上がらない」。これが今まで多くの人に言われてきた定説です。私の信じる何人かの人たちも同じ事を言っていました。
だから私は自分の保有する2つの不動産も売る方向で考えていたのです。
ところが、どういうわけか、土地が上がっているというのです。上がっているならあわてて売らなくてもいいかもしれません。もっと上がる可能性もあるのでしょうか。
今、どうして土地が上がっているのか。特に私の住む札幌は前年比10%くらい上がりました。どうしてそんなに上がっているのか。少し調べて自分なりに考察してみました。
全ての根源は「異次元緩和」による超低金利
おそらく日本の土地が上がっている根源の理由は超低金利にあると思います。黒田日銀総裁による「異次元緩和」が6年も続いています。その間ずーっと低金利が続いています。
この超低金利がもたらした副産物は2つあります。
- 円安になって外国人観光客が増えた
- 超低金利で借りたお金が不動産投資に向かった
1.円安になると外国人観光客が増える
日本の金利が安くなると、円を持っていても金利が付かないので誰も持とうとしません。売られるので当然円安になります。
円安になると、我々日本人にしてみると輸入品が値上がりして生活が苦しくなります。また我々日本人が海外へ行くと、飛行機代も現地の滞在費も日本円に換算すると高くつきます。
逆に外国人にしてみると、日本への飛行機代も日本での滞在費も(外国貨幣に換算すると)安くつきます。いま日本を訪れる外国人観光客が増えているのは、なにも日本がすばらしいからだけではありません。円安だからなのです。
外国人観光客が増えるとホテル需要が生まれます。一等地が奪い合いになると、一等地以外の土地も上がります。このように連鎖して観光地の街中の地価が上がるのだと思います。
しかし、住宅地まで上がっている理由にはなりません。
2.超低金利で借りたお金が不動産投資に向かった
日本は今、超低金利です。もともと日銀は超低金利により市中に出回るお金を増やして計画的にインフレ率を上げようとしていたのです。しかし誰もお金を借りませんでした。
銀行は国債を買うだけで新規融資をあまりしません。超低金利で利ざやが少なく、貸しても儲からないからです。
そこで、日銀は銀行に積極的な融資を促しました。銀行は不動産デベロッパーにお金をどんどん低金利で貸しました。マイホームを買う個人にも、かつてない低金利で住宅ローンを組ませました。
これらの施策により、いま日本では不動産のミニバブルが起きているようです。
前述の外国人観光客向けのホテルデベロッパーはもとより、マンション開発や戸建て住宅開発にも積極的に融資したので、商業地のみならず住宅地の土地も上がりました。
いっぽう、低金利の住宅ローンも積極的に貸し出したので、マンションや一軒家を買う人も増え、供給過剰にはなっていないようです。
*ただし、私の周りに、最近家やマンションを買ったという人はいません。本当にダブついていないのか検証が必要です。もしタブついているのなら、今後地価は下がる可能性もあります。
これが地方都市や宅地の地価も上がった原因のようです。
「不動産ミニバブル」は日銀の悲願であるインフレ率上昇に貢献したようです。
外国人(特に中国人)による不動産投資も多い?
私はそれ以外に、外国人、特に中国人が関与する不動産投資も多いのではないかと類推しています。
いま中国ではものすごい不動産バブルが起きています。北京や上海の一等地のマンションは1億円では買えないくらい高いらしいです。
北京や上海に住む富裕層の中国人にしてみれば、日本の土地やマンションはものすごくお買い得に見えるらしいのです。
統計的な資料は見当たりませんが、きっと恐らく外国人、特に中国人による不動産投資も最近の日本の地価上昇に影響を与えているのではないか、と思います。
これからの日本の地価はどうなるか
日本は少子高齢化で人口が減っています。マイホーム需要も一巡し、子供が少ないので、若い人でマイホーム願望の強い人でも親の家を引き継げば、こと足ります。
つまりマイホームの新たな需要がないのは事実です。
しかし、外国人観光客はこれからも増えるかもしれません。
外国人観光客が増えれば、ホテルも増えます。民泊も増えます。それらが増えれば、土地需要が増え地価が上がります。
これからは外国人観光客のみならず移民も増える
それと、あまり議論されていませんが、増えるのは観光客ばかりではありません。これからは外国からの移民も増えます。
実は今現在も「外国人技能実習生」「留学生」というかたちで実際に日本で働いている外国人が相当な人数いるのです。今後はおおっぴらに「移民」として外国人労働者が大量に入ってきます。政府はすでにその方向に舵を切りました。
そうすると、日本人の人口が減っても、外国人の住宅需要が増えます。古い家が取り壊されて外国人向けのドミトリーが建っていきます。
建築需要も増えるし、土地の需要も増えます。
そう考えると、これからは住宅地の地価ももっと上がるかもしれません。
今まで下がりすぎた地価が値を戻している
「日本は人口が減少するので地価が下がる」という定説を誰もが信じました。そのために必要以上に地価が下がったのではないでしょうか。特に地方の住宅地は極端に下がりすぎたのだと思います。
それが、超低金利で円安になり、外国人観光客がどっと入ってきた、移民も入ってきた、おりからの低金利で不動産投資が活発になった、この3拍子プラス中国人による日本の不動産投資が重なって、条件のよい土地の値段が急激に上がったのだと思います。
このような明るい兆しが見え始めたことにより、今まで極端に下がりすぎていた地方の住宅地なども値を戻したのではないでしょうか。
国土交通省の資料を見ると、特に札幌が上がっています。ニセコのスキー場をもつ北海道の倶知安町が日本一の値上がり率です。あそこは中国系の大規模なホテル開発も計画されています。
やはり外国人観光客を持つところが特に上がっているようです。
いずれにしても、地価相場予測とか株価予測とか、予測、予想のたぐいは必ず外れます。定説は必ずくつがえされます。
私の保有する不動産も、あわてずにしっかり市場を見ながら売り時を考えます。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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