タイで医療用大麻(マリファナ)合法化・解禁、次は娯楽用か

かぶとたいぞうです。

タイ暫定議会は12月25日、医療や研究目的での大麻使用を認める法案を賛成多数で可決しました。



シンガポールやマレーシアでは大麻の所持は死刑も

日本を含め、アジアには大麻の取り締まりが厳しい国が多いです。

特にシンガポールやマレーシアなどでは、大麻を売買すれば今でも死刑となる可能性があります。

日本でも大麻を所持すれば大々的にテレビニュースになります。つい先日も帯広の民泊オーナーが大麻所持で捕まったニュースが大々的に報道されました。日本では大麻所持は死刑にまではならずとも、マスコミによって社会的に再起不能なまでに叩きのめされます。

そんな中、同じアジアの一員であるタイが医療用限定と言えども大麻の合法化に踏み切ったことを驚く人もいます。

タイの大麻合法化・解禁は予想していた

しかし、筆者は以前からタイの大麻解禁を予測していました。医療ツーリズムを含めた外国人の取り込み、観光の国際争奪戦では、カジノとマリファナは重要な材料の1つなのです。このことは過去記事に書いています。

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医療用大麻の次は娯楽用大麻か

医療目的の大麻が認められると、次は娯楽用に解禁される可能性が高まります。

一足飛びには行きません。また、関係者は必ず「医療用大麻の合法化は娯楽用大麻の合法化には繋がらない」「娯楽用の大麻は今後も厳しく取り締まる」と口々に言います。そう言わないと反対派が騒ぐからです。しかし、徐々に娯楽用大麻解禁に近づく可能性があるのです。

大麻にはもともと医療用の大麻も娯楽用の大麻もありません。同じ大麻です。同じ大麻を痛み止めとか、精神安定とか、睡眠促進に使えば「医療用大麻」と呼ぶのです。

特に日本ではそうですが、今まで大麻は人間を廃人にするもの、危険なものとされていました。それが、今度は薬として使われるのです。変だと思いませんか?そんなに悪いものなら病人に処方するわけがありません。

大麻が医療用に解禁されると大麻のイメージが良くなる

大麻が医療用に合法化されると、「大麻は本当はそれほど悪いものではなかったのではないか」「体にいいものなのか」と思い直す人が増えます。

覚せい剤は確実に体をむしばみ、人生をめちゃくちゃにします。大麻と覚せい剤はまったく別のものです。それなのに、大麻を覚せい剤と同じようなものと考えている人が多いのです。特に日本ではそのようなイメージが刷り込まれています

覚せい剤を薬として処方する国はどこにもありません。体に悪いからです。しかし、大麻を薬として処方する国はたくさんあります。



先進国では次々と医療大麻は合法化されている

米国、カナダ、イギリス、オーストラリア、・・・先進国のほとんどの国が医療用に大麻を解禁しています。当然、効能があり、副作用が少ないからに決まっています。

大麻がひとたび医療用として合法化されると、大麻に対する国民のイメージが良くなり、心理的抵抗が下がります。これが娯楽用大麻の合法化に繋がる第一歩になります。

医療用に処方された大麻が一般人に流用される

医療用大麻が実際に専門の医師により処方されるようになると、医療用大麻が一般人にも出回る可能性があります。

医療用大麻の処方は、どの国でも厳しく制限されています。たとえば英国では、次の条件で大麻が処方されます。

  • 病院に勤務する専門医の判断であること(精神科、がんなど)
  • 他の治療法を十分試して効果が無かったこと
  • 大麻の処方が有効であることが証明できること

安易に流用できないよう、厳しい条件になっています。

しかし、米国のような医療用大麻先進国では、もう少し柔軟に処方してくれます。診断書に一言「大麻治療が効果があると思われる」と書いてもらえば、誰でもディスペンサリーで大麻を買えます。

多くの人が医療用大麻を処方してもらうようになると、違法ですが、他人に流れる可能性は十分にあります。

たとえば、日本でも睡眠薬は医師の処方箋なしには買えません。しかし、友人が処方してもらった睡眠薬をもらったり買ったりする人は実際にいます。それと同じです。



大麻が普及すると、なし崩しで全面解禁に

そして多くの人に大麻が普及するようになると、処方箋は完全に形骸化します。

大麻が大衆に普及してもそれほど大きな問題にならず、むしろ国民に喜ばれ支持を得るようになると、カナダのように大麻を全面的に解禁する国がでてきます。カナダでは医療用、娯楽用に関わらず政府指定の店で誰でも買えます。

また、米国のように各州がこぞって次々に娯楽用大麻を合法化する動きも出てきます。娯楽用大麻は州内の許可のある大麻店でだれでも処方箋なしに買うことができます。

いまや先進国のほとんどが、医療用大麻の解禁を実施または検討中です。また、娯楽用大麻を解禁する動きも増えています。

日本は医療用大麻後進国、遅れている

いっぽう、日本はまだまだ大麻に関しては後進国です。

日本の末期がんの患者が、わざわざ10時間も飛行機に乗って米国まで行き、医療用大麻を処方してもらったり、娯楽用大麻を買っています。彼らは付き添いの人とホテルに何日も泊まり治療を試します。これが医療ツーリズムという1つの産業になっています。

今後は医療用大麻を解禁したタイにも、大麻治療の医療ツーリズムの波が押し寄せると思います。タイは物価が安いし気候もいいので精神的な回復にも良さそうです。



医療ツーリズム的にも医療大麻の検討は日本でも必要

日本は周回遅れどころか、まだスタートラインにもついていません。観光立国を目指すわりには遅れています。早期の検討が必要だと思います。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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