「人を見たら泥棒と思え」日本も油断のならない国になってきた

かぶとたいぞうです。

「人を見たら泥棒と思え」ということわざがあります。嫌なことわざです。

人を見たら泥棒と思え:kabutotai.net

そんなに人を疑っていたらきりがありません。毎回疑うのは疲れます。もっと人を信じてもいいのではないかと今までは思っておりました。

ところが最近はうかつに人を信じてはならないと思うことが多くなりました。

昨日もそんなことを考えさせられる出来事がありました。



昼間家に居たら、玄関のチャイムが

昼間家にいたら玄関のチャイムがなりました。玄関のドアのところまで行って尋ねましたした。

「どなたですか?」

ドアの向こうから男性の声で返事がありました。

「近くで回線工事を行なっておりまして、そのご報告とご挨拶に伺いました」

私は北海道電力かNTTが工事で迷惑をかける旨の挨拶に来たのだなと思いドアを開けました。

ドアの向こうには若い男が立っていました。男は胸にぶら下げた名刺のようなカードを手に持って私に見せながら言いました。

ソニーの者と名乗る男

「ソニーの者です。NTTと協力してこの付近の光回線ケーブルを交換しました。このエリアの光回線は遅かったり繋がりにくかったりというクレームが多かったので改善したのです」

男は手に持った名刺のようなカードをチラチラ見せながらまくしたてるように話しました。

名刺のようなカードは名前だけが大きくて、他の文字が極端に小さいので、会社名も所属部署も読めません。ソニーの者というけど、名刺のようなカードのどこにも「SONY」のロゴマークがありません。少し怪しいと思ったけれど、彼の話をもう少し聞いてみました。



怪しい男の飛び込み営業手法

「それで、この地域のインターネット回線は劇的に早くなり、接続も良くなったのですが、こちらのお宅は現在インターネットは利用されていますか?」

ほら来た、と思いました。インターネット回線の営業だなと思ったのです。

ソニーが回線を売りに来たとは思えません。きっとソニーの特約店か、あるいはソニーとは全く無関係で名前だけ似せた地方の会社でしょう。たぶんNTTコミュニケーションの代理店で回線契約を1本いくらで請け負っている会社だと思います。

私は答えました。

「インターネットは利用しておりますが、今はケーブル回線を使っておりません。移動が多いのでモバイル通信ばかりです」

「ソニーの者」と名乗る若い男性は私に聞きました。

「モバイルと言うとモバイルルーターか何かですか?」

私はあまり答えたくなかったのですが成り行き上答えました。

「ルーターではなく、スマホのsimです」

怪しい営業マンの提案

自称ソニーはなおも聞いてきます。

「スマホだけですか?パソコンはお持ちじゃないのですか?」

半分面倒になった私は少しなげやりに答えました。

「パソコンでインターネットにつなぐ時はスマホでテザリングします」

若いソニーは引き下がりません。

「このたびソニーが提供する光回線は通信速度が早く、とてもご好評を得ております。この機会にご検討頂けませんか」

ドアを開けなきゃよかったと後悔しながら私は決め手となる断り文句を言いました。

「実は私は1年のうち半分くらいはこの家におりません。だから1ヶ月いくらの固定費は私には向かないのです」

ソニーはもっと詳しく聞きたいようです。応酬話法の突破口を探しているのかも知れません。

「1年の半分もお留守にしているんですか?」



あ、しまった!

その時私は「しまった」と思いました。

見ず知らずの男に私が留守がちなことをペラペラと話してしまったのです。

もう少しで「はい、冬の間の半年はタイに行っています」なんて自慢げに言ってしまうところでした。危ない危ない。

彼がもし強盗や詐欺師、あるいはその手先で下見調査に来たのなら、この家は冬季間は留守だということが相手に伝わってしまいます。

悪徳営業ならまだいいほう

電力会社やNTTの名を語った回線の営業ならまだいいほうです。怖いのは営業のフリをして下見調査に来る犯罪組織の情報収集員なのです。

フルコミッションのフリーの営業マンが営業活動で得た情報を犯罪組織に売る可能性もあります。だから飛び込み営業にあまり家のことを教えないほうがいいのです。

最近はNHKも国勢調査も疑ってかかるべきです。



最近の強盗は訪問して下調べをする

つい先日も資産家の家に強盗が押し入った事件がありました。犯人は事前に下見調査をして家のことを詳しく聞いていたフシがあります。

下調べの調査員は営業マンのフリをしたり、NHKのフリをしたり、国勢調査員や町内会、自治会、時には消防署や警察のフリもします。

素直で正直な人は相手を信じてつい何でも話してしまいます。調査員の巧みな話法にひかかって、おおよその財産、金庫の有無、セキュリティー体制、家族のこと、日中誰がいるか、他の同居人のこと、帰宅時間、などすべてを教えてしまいます。そして襲われるのです。

強盗だけではありません。ネット詐欺も増えています。

最近はちょっとした会員登録などの本人確認にも運転免許証のコピーを求められます。

本人確認のための運転免許証のコピーは危ない

でもその免許証のコピーで簡単に本人に成りすまして金融機関の口座が作れちゃうのです。最近多発しているネット詐欺の前提はそこです。

だから今春の10万円のコロナ給付金のときも、本人確認のための運転免許証のコピーをアルバイトだらけの役所に送るのに危険を感じておりました。



自分の口座番号も安易に教えてはならない

それと自分の口座を教えることにも抵抗があります。

口座番号を教えても4桁の暗証番号を教えなければ大丈夫だと思っていましたが、今は危ないと思っています。

4桁の暗証番号が自分の電話番号の下4桁だったり、自分の誕生日だったり、1234や0000などの分かりやすい番号だったら一発で突破されちゃうのです。

コロナ給付金のデータは犯罪組織には宝の山だった

コロナ給付金の時は多くの人が運転免許証のコピーと自分の口座番号と電話番号とをセットで提出しています。犯罪組織にとっては喉から手が出るほど欲しいデータです。データのコピーを持って行けば何百万円で買ってくれます。役所の個人情報管理が厳重だったことを祈ります。

つい先日も札幌市の国勢調査員が、コピー厳禁の調査票をどういう訳かコピーして、しかもコピーした紙を店のコピー機に置き忘れて発覚し厳重注意を受けました。

私は国勢調査には協力しましたが、データの漏洩を心配してインターネット回答にしました。世帯全員の勤務先や年収まで含んだデータなのですから恐ろしくて国勢調査員には渡せません。



人をいちいち疑うのは疲れるけど

人をいちいち疑うのは疲れます。同じ日本人同士、もっと信用してもいいと思います。

でも旧知の仲ならまだしも、知り合って間もない人に自分のことを何でも教えるのは危険です。

また、ちょっとした特典やサービスのためにやたらといろいろな店や組織の会員になるのも危険です。個人情報がすべて抜かれるかも知れません。

その店や組織が悪くなくとも、その店や組織で働くたった一人の人が名簿を売りに行くかもしれないからです。

コロナ禍で凶悪犯罪も増え、詐欺手法も高度化しています。

嫌な言葉ですが「人を見たら泥棒と思え」です。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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