【投資家としての心構え】私が現役時代にやっていた経営コンサルの仕事と今の投資家の仕事は、実は似ている

かぶとたいぞうです。

私は今、これと言った「仕事」はしていません。

しかし、言いようによっては、投資家であったり、ブロガーであったりもします。



日本人の職業観

夏目漱石の「坊っちゃん」に出てくる「おやじ」は「何もせぬ男」となっていますが、おそらく小説家か何かだと私は思います。

倉本聰の「北の国から」でも、ジュン君が「トド打ち」にお父さん(ゴロウさん)の職業を聞かれた時「何もしていません」と答えますが、当時ゴロウさんは炭を焼いたり家を建てたりしていました。

日本では、どこかに勤務していないと「仕事」をしているとは言わない風潮があります。

だから私は「無職」

だからサラリーマンでない人やその家族は自嘲も込めて「何もしていない」とこたえるのです。

私もなにかの申請用紙などに記入しなければならない時に、職業欄には「無職」と記入します。

選択肢には公務員、会社員、会社役員、団体役員、アルバイト・パート、自営業、その他()くらいしかなく、カッコ内に具体的に何かを書くとしたら無職と書くしかなさそうな気がするからです。



投資家と言ってもいいのだが

でも誰かに職業を聞かれて、格好をつけようと思えば「投資の仕事をしています」と答えることもできるし、「文章を書いています」と答えることもできます。

ものは言いようなのです。

でも、日本では投資家もブロガーも、うさん臭く思われるかもしれません。だから人には「年金で生活をしています」とか、「引退しました」と言ったほうが無難な気もします。

まぁ、そんな話はともかくとして、今日は職業としての「米国株長期投資家」の話をしてみたいと思います。

投資家の仕事と経営コンサルタントの仕事は似ている

実は投資家の仕事は私が現役時代に30年間やっていた経営コンサルタントの仕事と似ています。

経営コンサルタントは、会社に助言してお金をもらいます。投資家は会社に株式投資して配当をもらいます。だいぶ違いますが、プロセスは似ています。



経営コンサルタントの仕事手順

私は現役時代、経営顧問や営業顧問の依頼があれば、次のプロセスを経て仕事に着手しました。

まず最初にその会社の社長から会社が扱う商品やサービスの内容、それらの強み弱みなどをじっくり聞き、できれば現物や現場を見せてもらいます。そして社長が何をしたいのか、会社をどうしたいのかをしっかり聞きます。

調査と分析

その後、競合他社を調査したり、観察したり、商品やサービスを試し買いして分析します。

次に社長から経営状況を聞き、財務諸表(決算報告書など)や経営計画書などを見せてもらい分析します。





現場主義

次々に浮かんでくる仮説を確かめるために、店舗や工場や卸先、取引先、競合店などを何回も訪問したり、主要責任者、担当者のインタビューをくりかえして、現状を正確に把握します。

そして問題点や改善点をまとめて改善計画を社長や役員に提案し、顧問料を決め、顧問契約を結びます。

時間をかけて丁寧に

ここまでに1ヶ月くらいかかります。

ひとたび顧問契約を結んだら一生付き合う覚悟でその会社と付き合います。実際、私の顧問契約は平均しても20年ぐらいは続きました。

そしてその後も役員会や重要な会議に出たり、定期的に現場を見て回って改善指導し、会社が発展するよう願います。



米国株長期投資家の仕事手順

私は株式投資を行なう際、次のプロセスを経て投資先を決めます。

まず、売上高世界ランキング上位の中から、自分の興味のある業種で、自分が生きている間、いや、それ以降も持続可能な商品やサービスを扱う優良企業をピックアップします。

調査と分析

その会社のホームページなどで、社長のメッセージや業務内容、経営方針を知り、会社が扱う商品やサービスの内容、それらの特徴などをじっくり調べます。日本でも売っているものならスーパーマーケットなどに行き、現物を買って、食べてみたり使ってみたりします。

その後、競合他社を調査したり、観察したり、商品やサービスを試し買いして分析します。

次にその会社のホームページのIR情報や調査機関、報道機関などが公開している各種情報から、経営状況を知り、財務諸表(決算報告書など)や経営計画書などを入手して分析します。





現場主義

現状を正確に把握するために、納得の行くまで情報を集めて分析したり、その会社の商品やサービスを使います。

今でも海外に行くたびにその国や地方のスーパーマーケットやドラッグストアで投資先の商品を探し、その国の競合を分析したり、棚数から売れ行きを推測したりして分析しています。

そしてその会社の株を買うことを決断します。

時間をかけて丁寧に

ここまでに1ヶ月くらいかかります。

ひとたび株を買ったら一生手放さないと決め、資金の許す限り株を買い足し、配当をなるべく再投資して株を増やします。

そしてその後も四半期決算を分析したり、新商品や新サービスが出たら調査分析して会社が発展するよう願います。

+++



経営コンサルタントの仕事も投資家の仕事も基本は同じ

私にしてみれば、経営コンサルタントの仕事も投資家の仕事も基本は同じなのです。違うのは、経営コンサルタントの仕事は相手や紹介者から依頼があって、相手が私を選ぶのに対して、株式投資は自分から相手を選ぶことくらいです。あと、まぁ、投資家には元手が必要です。

経営コンサルタントの仕事も投資家の仕事も私には向いており、好きだし、天職なのです。私は経営コンサルタントという仕事にも誇りを持っていましたし、今の投資家という仕事にも誇りを持っています。

ただ、歳をとると体力が衰えるので投資家の仕事のほうが楽なのです。

私は投資家なのですから

投資家:kabutotai.net

「個別株を買うより、S&Pのインデックスに連動したETFや高配当ETFに投資したほうが楽に稼げるではないか」とわざわざ助言してくれる友人や読者もいます。

しかし、私の投資家としての心構えは単に楽に儲けようと考えている人たちの考えとはまったく違うのです。

私は投資家なのですから。



これからもきっと人には「無職」と答える

でも、これからもきっと人には「無職」と答えるでしょう。それでいいのです。

自信や誇りは自分の心の中にあればいいのです。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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