かぶとたいぞうです。
今朝起きたら、読者のかたから質問のメールが来ていました。
いつものように本人が特定されないよう配慮して、メールの内容を引用させて頂きます。
(以下、読者からのメール)
こんにちは。●●と申します。
毎日かぶとたいぞう様のブログを拝見してます。
いつかは「パタヤでマッタリ暮らしたい」と願ってます。
で、本題ですが、
コロナの影響で過去最悪の景気に・・・
不況対策の財政出動額も過去最高に・・・
借金まみれの日本はインフレが止まらなくなる・・・
もしも制御不能なインフレに陥った場合、
為替は円安、円高、どちらに向かうのでしょう?
普通に考えると円安と思いますが、私には理解できない「円は安全通貨」らしいので、やはり円高に向かうのでしょうか?
資産を外国株で運用しているかぶとたいぞう様のご意見を拝聴いたしたく、大変ぶしつけながらメールをさせていただきました。
(以下省略)
(以上、読者からのメール)
さっそくメールでお返事しようと思いましたが、他の読者のかたも気になる内容だと思いましたので、本日のブログに取り上げさせて頂きました。
まず、質問のご趣旨である
「もしも制御不能なインフレに陥った場合、為替は円安、円高、どちらに向かうのでしょう?」
に対する私の答えは、「十中八九、円安に向かう」です。
実際に考えられる流れとしては、
- 財政出動などで市中の貨幣量を増やす
- お金が余るので少しインフレになる
- 更に国債などを発行して市中にお金をジャブジャブ供給する
- 円の価値が薄まる
- 外国人が円を売るから円安になる
- 輸入品の値段が上がる
- 日本の食品や日用品などの必需品は輸入品が多いから、もっとインフレになる
- このくりかえしで「制御不能なインフレ」に陥る
インフレ→円安より、円安→インフレが大きい
インフレになったから円の価値や信用力が低下して円安になるという要素もありますが、それよりも円安になったら輸入品の値段が上がってインフレになるという要素が大きいと思います。
日本は今や輸入国です。私達の胃袋に入るものの7割は輸入品です。
ひとたびインフレになったら、→円安→更にインフレ→更に円安→更にインフレ、と悪循環になり、「制御不能なインフレ」(ハイパーインフレ)に陥る可能性があります。
円は安全通貨か
ちなみに「円は安全通貨」と言われたのは、かつて日本がずっとデフレだったからです。
30年前、日本で軽自動車を買うと100万円でした。今でも100万円で買えます。こんなに物価が安定している国は他にありません。
30年前に100万円を円で持っていれば今現在も日本では軽自動車を買えるのです。他の国だと物価が3割〜5割も上がっていて、100万円相当の通貨が70万円〜50万円の価値に目減りしています。軽自動車は買えません。
デフレが続いて円の価値が下がらない、それどころか上がっていたときは「安全通貨」と呼んでいましたが、今後は日本の物価がどうなるのか分からないので、もう誰も「安全通貨」とは呼ばなくなりました。
通貨安競争や他国のハイパーインフレもあり得る
それと「十中八九」と断ったのは、世界中が輸出での優位性を狙って自国通貨の下げ競争をし、日本が通貨安競争に負けたときにはむしろ円高もあり得るからです。
また、日本以外のあらゆる国で日本以上のハイパーインフレが起これば各国通貨も同時に下がるので日本円はむしろ上がることも考えられます。
世界経済は複雑怪奇です。
日本のハイパーインフレを願う人たち
本題とは少し外れますが、日本でハイパーインフレが起こることを願っている人たちがいます。
借金を多く抱えている人たちです。ハイパーインフレか起きると借金はなくなります。
日本で一番借金を多く抱えているのは日本政府です。物価が10倍になれば借金は10分の1になります。
財務官僚の中には頭のいい人たちがいます。ハイパーインフレによってテクニカルに日本の借金を減らそうと考えているフシがあります。彼らはMMT理論を持ち出して、日本政府がどんなに借金しようが金をバラまこうがまったく大丈夫だと言っています。
日本のハイパーインフレを阻止しようとする人たち
一方、ハイパーインフレなんか起こしたら貯金も吹っ飛び、今まで真面目にコツコツと貯金をしてきた人が損をする、モラルが崩壊する、と言って猛反対する人もいます。実は彼らも財務官僚で「良識派」と言われる人たちです。
私達の知らないところで東大出の財務官僚同士が戦っているのです(半分想像ですが)。
今のところはハイパーインフレを阻止する「良識派」が優勢
今のところは「良識派」が優勢のようで極端なバラマキには至っていません。だからインフレにも円安にもなっていませんが、これからのことは私にも分かりません。
ハイパーインフレになれば十中八九円安になると思いますが、ハイパーインフレになるかどうかが分からないのです。
それらが全て分かっている人は誰もいないと思います。分かっていればFXで億万長者になれます。
私の金融資産の7割は外貨資産
現在、私の金融資産のうち6割はドル資産です。ほとんどが米国株です。1割はタイバーツ資産です。タイの銀行に預けた普通預金です。円資産は3割に過ぎません。
不動産や年金、保険などを入れると円資産はもっと増えますが、それでも外貨資産が4割くらいありますから、日本がハイパーインフレになろうが円安になろうがそれほど心配は要りません。リスク分散ができていると思います。
ハイパーインフレが起きると一番困るのは預貯金のみの人たち
まんがいちハイパーインフレが起きて急激な円安になった場合、一番かわいそうなのは日本の預貯金だけしか持っていない人たちです。
物価が10分の1になったら2000万円の貯金は200万円の価値しかなくなります。
いや、本当のハイパーインフレになったら物価が1000倍になることもあります。2000万円の貯金は2円です。
そうなるとデノミが起きて新円が発行されて1000万円と新1円の交換となるでしょう。
金融資産の一部でもいいから米国株に投資することをおすすめします。どうしても株が嫌だと言うなら、せめてドル貯金でもいいから日本の貯金オンリーだけは避けることをおすすめします。ドル貯金ならどこの銀行でもやっています。
さて、1000倍のハイパーインフレが起きれば政府は1100兆円の借金が1兆円になったと喜ぶでしょう。
しかし、真面目にコツコツとやった人が損をするような社会になればモラルが崩壊し暴動が起きるでしょう。
私は円資産を失ったぶん、外貨資産の価値が上がるのでトントンですが、そんな世の中にならないことを願っています。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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